Treyarchの新作『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』はPS4版でのベータテストがスタートしました。
今回はTreyarchで本作の開発を主導する2人のゲームデザイナーにインタビューを行い、さまざまな話を聞かせていただきました。
『CoD:BOCW』開発者インタビュー
Treyarchのリード・ゲームデザイナーであるマット・スクロンス氏(@MaTtKs)とトニー・フレイム氏(@Tony_Flame)にインタビューを行い、『CoD:BOCW』のマルチモードに関するさまざまな面について話を聞かせていただきました。
技術面での躍進について
EAA!!:『CoD:BOCW』からはコンソールではPS5サポートも始まりますが、これにより技術的に新たに可能になったことや、逆に新たな制約となったことなどあれば聞かせてください
スクロンス:もちろん次世代コンソールでは、ローディング時間がPC版同様に短くなるなど多くの点が進歩しました。
『CoD:BOCW』はクロスプラットフォーム(他機種との進行状況共有)、そしてクロスジェネレーション・タイトル(PS4とPS5などの互換)として取り組んできたので、すべてのプラットフォームに向けて同時進行で開発できたおかげで、あらゆるパフォーマンスが明確に向上しています。
特にPC版に関しては、パートナー企業であるBeenox(Activisionの完全子会社の一つで歴代CoDシリーズの開発に協力している)が極めて重大な役割を果たしてくれました。
次世代コンソールの方でも3Dオーディオを活用し、新技術は『BOCW』の開発において可能な限りのあらゆる向上をもたらしてくれました。
次世代コンソールはパワフルな性能を誇っており、高解像度、高フレームレート、極めて精密なLOD(細かさの度合い)を表現してくれます。そして細やかなグラフィックは、コンソールのゲームプレイ画面でも再現できるようになり、グラフィック自体も高解像度なものになったんです。
過去作のマルチから引き継いだ思想について
EAA!!:前作CoD:BO4のマルチプレイヤーをどう評価し、CoD:BOCWではどのように変えようと意識しましたか?
スクロンス:『CoD:BO4』では誰もが愛するクールでパワフルな銃火器をたくさん導入していました。たとえば「ウォーマシン」グレネードランチャーを使ったり、ドミネーションモードではマップの中央でスコアストリークを乱発したりして、多くの人々を引きつけたり、当惑させるのがとても面白かったですね。
フレイム:『CoD:BO4』の発売後、かつてないほど多くのリサーチを行ったんです。ダン(Raven Softwareのシニア・クリエイティブディレクター ダン・ヴォンドレク氏)ともあらゆることを話し合いました。『CoD:BO4』だけでなく、『CoD:BO1』、『CoD:BO2』、『CoD:BO3』などの成功作や、あるいは『CoD:ワールド・アット・ウォー』にまで遡って、次回作はどんなゲームにしようかと。そんな中で、過去作よりもクラシックなゲーム体験に興味を抱いたんです。「ブラックアウト」もそうした過程が思いつきました。知っての通りあれはスクワッドを中心にした大人数のゲームで、新たにバトロワという素場らしいジャンルに取り組んでいくことになった。それと『CoD:ウォーゾーン』にもね。
「FIRETEAM: DIRTY BOMB(『BOCW』の新モード)」の発想も同じところから出てきました。マットが詳しく説明してくれると思いますが、これまで以上に撃ち合いに重きを置いたモードで、「ブラックアウト」同様、プレイヤーは多数のスクワッドの中に組み込まれ、広大なマップを探索しながら複数の敵チームと戦うというものです。注意深く歩を進め、チームで行動し、仲間を頼り、互いに助け合う。『CoD:BO4』で初めて取り組んだそうしたゲーム体験を、今作『CoD:BOCW』にも引き継いだんです。
スクロンス:「FIRETEAM: DIRTY BOMB」は『BO4』から学んだ多くのことを踏まえて製作されました。大スケールのマップでのゲームプレイの中に、さらに多くの歩兵やビークルを交えて戦えるようにしたんです。あと「DIRTY BOMB」についてはスケジュールが押していたことなら一日中でも話せるんですが、まぁそこはどうでもいいですね(笑)。
フレイム:(笑)。マットが言ってくれたように、「Crossroad」マップなどでさまざまなビークルが登場しますが、それらにも革新を加えました。また「コンバインドアームズ」という広いマップを使って自由に使える戦闘重視のモードでは、プレイヤーがさまざまな機能を駆使し、さまざまな場面で撃ち合いを重視してくれるようにデザインしています。伝統的な6v6マップをベースにしてね。
撃ち合いの面でのプレイ感は過去作以上に良いものができました。かつてないほど優れたビジュアルの中で、あらゆる行動に撃ち合いが関わってきます。
私たちは長い間ガンファイトの楽しさを追求してきました。同じエネルギーを本作『CoD:BOCW』にも注いでいます。これまでより大きな戦闘体験を目指し、戦闘が物事の中心になるよう6v6マップは綿密に調整しています。一方でプレイするだけでなく探索するのも楽しくなるような広大なマップも用意しました。
『CoD:BOCW』のクラス作成システムについて
EAA!!:『CoD:BOCW』ではクラス作成システムが『CoD:BO1』に近くなりました 今までの「Pick 10」も好評でしたが、変更した理由は?
フレイム:『CoD:BOCW』の製作にあたって追求していったものの一つが武器カスタム要素です。ガンスミスにフォーカスを置いて、1つの武器に最大8つのアタッチメントが(関連記事)つけられるようになりました。
カスタマイズ要素は私たちも大好きなんです。だからアタッチメントをつけられる武器には多くのカスタマイズ要素を提供しました。
またクラス作成についても数多くの愛すべきアイデアがありました。本当は入れたかった要素や、廃止した要素について考えると喪失感を抱きますよ。ともあれ現在の形が一つの解決策となりました。何もかもを一度に導入しようとするとあまりに複雑になってしまいますから。
私たちはシステムを単純化することにしたんです。山のようなPerkの見たり、どんな武器をどこに割り当てるかあれこれ悩む必要がないようにね。シンプルにすることでとっつきやすい気持ちを保つことができます。
グレネード重視の戦い方がしたいなら、それに必要なコンテンツに簡単にアクセスできます。さらに各種の便利なガジェットを駆使すれば、より戦略的でダイナミックなプレイができるようになります。感覚としては『BO4』の「オペレーターMOD」に近いでしょうか。
新システムは過去作に似たシンプルなものです。多様性に富んだガンスミスを実装し、武器ごとに複数のアタッチメントをつけられ、しかも何かを選んだことでペナルティを受けることもない(CoD:MWにはデメリットがあるアタッチメントもある)。それと「ワイルドカード」もつけられるようになりました。このワイルドカードでさらにアタッチメントやPerk、装備を増やすなどの「ルール破り」ができるようにしています。
この辺りは「Pick 10」から引き継いできたものと言えそうです。もちろんすべてのボーナスにはデメリットがありません。
こうすると全員の装備がパワフルなものになりそうですが、一方でコンテンツやカテゴリーは多岐にわたっているので、「最も強い設定は何か」をめぐる議論についてはバランスがとれるようになっていますし、もちろんそうしたロードアウト設定を真似するのも簡単になっています。
UIなどのデザイン面について
EAA!!:『CoD:BOCW』はUIがMWの進化版といった感じでですごく見やすかったです。今作のデザイン面で意識したことはありますか?
スクロンス:私たちは主にゲームプレイ面のデザインをしているんですが、UIもゲームプレイ画面には不可欠なものです。見やすくて、プレイヤーが瞬時に必要な情報を入手できるようにするために、これまで何百ものパターンをテストしてきました。
ミニマップやインタラクトなど各種の情報に接し、大多数のプレイヤーが素早くそれらから必要な情報を読み解けるようにしました。ガンスミス画面も同様の発想でデザインされています。
フレイム:本作のデザイン面についてもっと言うと、感覚的なミニマリズムを重視しています。つまり必要ない要素は極力削って、情報量をしぼり、自分の役割を果たすうえで何が最も必要か分かるようにし、他のものはできる限り小さくしていきました。
たとえばガンスミス画面全体をとってみても、各ウィンドウの配置は必要最低限のものになっており、プレイヤーは空いたスペースを活用し、両隣にある項目を簡単に見比べられるようになっています。デザイン面ではそうしたことを重視しながら決めていきました。
ベータテスト開催中
『CoD:BOCW』は日本時間10月9日午前2時から、PS4でのベータテストがスタートしています。次世代の『CoD』を実際にプレイしながら、今回のインタビューを参考にTreyarchの開発スタッフがどんな工夫を凝らしたのか分析していくのも一つの楽しみとなるでしょう。
全プラットフォームを含めたベータテストの日程やプレイ可能なコンテンツについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
https://wp985974.wpx.jp/archives/370386
https://wp985974.wpx.jp/archives/370333
https://wp985974.wpx.jp/archives/370371
『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』の対象機種はPS5 / PS4 / PC / Xbox One / Xbox Series Xで、発売日は2020年11月13日(Xbox Series X版は2020年末)。
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コメント
コメント一覧 (11件)
これも容量モリモリ食うのかな
MWも面白くなかったけど、CWはかなり良い勝負するレベルで面白くない。
やっとmwから卒業できるなあ。素直に嬉しい。
歴代最悪のcodだった。
赤点やっぱ無い方がいいんじゃないかな
マズルアタッチメントを気兼ねなく選べるし
射線通らない建物内で少し撃って1人倒したら4人は集まって来てたまげた
探知系のPerkあるとミニマップ赤点表示化とかにしてほしい
発砲赤点がないと、どうやってもデスマッチ系ルールがクソになってしまうことがMWでよくわかったからちょっと…
定点気味で戦うのが好きな人はMWに残って、突撃してヒャッハーしたい人はBOCWに移れば、皆幸せなんじゃないかな
いやー?結局赤点見ないやつは見ないぞ。それに定点芋なんてもう全然見ないぞMW
エアプかよ
角待ち伏せ待ち9ソ芋定点だらけの5ミゲーになるぞ
赤点無いマルチが不評。コレがすべて
CODは有名ユーチューバー以外がやると血が出るから広告付かないんだよなあ。。
システムの単純化というか、pickシステムは結局ガン盛りに寄せた方が強い不具合みたいなところが…
相変わらずスライディングとかはやたら速いけど、BO4のコピーみたいな挙動してたαよりはマシになった印象。
> しかも何かを選んだことでペナルティを受けることもない(CoD:MWにはデメリットがあるアタッチメントもある)
デメリット付きはあるよね。実際はどういう意味で言ってたのか。
これ予約してない人はベータできないの?