8月より2度のケーブル断線を経て解体が決定された『Battlefield 4(バトルフィールド 4)』のRogue Transmissionもといアレシボ電波望遠鏡。しかし現地時間の12月1日に、ケーブルがアンテナを支えきれず崩落。幸いにも死傷者数は0と報じられ、『BF4』コミュニティからは安堵の声と、崩落映像へのコメントが寄せられています。
まるで『BF4』そのものな崩落映像
崩落の告知に合わせて、現地の監視カメラによる録画がNSF(米国国立科学財団)のウェブサイトにて公開されましたが、EA GamechangerにしてコンテンツクリエイターのFlakfire氏が『BF4』の映像とリアルの崩落録画をならべてみたところ、まったく瓜二つだと話題になっています。
リプライ欄の元DICE社員であるツイッターユーザーの@RomanLionzさんによると、この破壊表現の製作を担当したのはストックホルムにあるVFX製作スタジオのILPVFX。
ゲーム『BF4』の発売は2013年8月。事件が発生する7年も前に、「もしケーブルが断線して崩落したらどうなるか」の物理演算を正確にシミュレートし、高性能な3Dグラフィックエンジンで再現できたというのは、業界によっては大きな意味を持ちえます。
今でこそグラフィックボードの主な消費先はゲーム産業ですが、3Dグラフィック性能の使いみちは多岐に渡るものです。2019年の4月には火災の影響で被害を受けたノートルダム大聖堂の再建にUbisoft社の歴史アクションゲーム『アサシンクリード ユニティ』内の3Dモデルが参考になるのではと検討されました。
結局ゲーム内の建築は若干のアレンジを加えられているため、専門家からは却下となったものの、ゲーム作品が世界遺産の修復に検討されるだけでも大きなできごとです。さらに2020年3月にはCovid-19の構造解明演算と抗ウイルス薬の設計にCPUやGPUの余剰能力を「寄付」するFolding@home活動が始まり、高性能GPUを常備している世界中のゲーマーがCovid-19の構造解明に大きく貢献しました。
VR技術も普及の音が近づきつつある昨今、ゲームに使われる3Dグラフィック技術が大きく世間と関わるようになる日も、そう遠くはないのかもしれません。
アレシボ天文台は運営継続
大規模な崩落であるにもかかわらず、死傷者が1人も出なかったのは不幸中の幸いだと言えるでしょう。安全な状態にないと分析し、いち早く望遠鏡の使用放棄を決定したNSFの判断が功を奏したのかもしれません。ただし続報によると、支柱3本が未だに不安定な状態なので、依然として油断せずに完全解体を試みることになるそうです。
そして電波望遠鏡は使用不能となったものの、天文台の運営は続行。米国議会より下される予算額とも相談し、徐々に研究施設としての復旧を進めていくとのことです。また8月のゲーブル事故以降の修復作業に関しては、議会より十分な予算を与えられており、修復不能の判断を下したのは資金面での問題ではなかったとの説明が行われました。
Source: NSF.gov
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コメント
コメント一覧 (3件)
個人的にBFシリーズの脚本家、マップデザイナーの予言精度の高さには驚かされてる。BF4でのマップで
中国の日本海進出、フィリピン沖の珊瑚島埋め立てて軍事基地作ったって筋立ての南沙ストライクってまんま南沙諸島の占領事案そのものだったでしょ?
ストーリーモード、キャンペーンでの脚本家の腕が良くて話に引き込まれるのは確かにCoDなんだけど予言的にはBFも負けてないんだよな。
わたしには、「ゴールデンアイ」の方が印象深い。
ピアース・ブロスナン、格好良かったな~。
あと、
俺は危険なやつだとかいって液体窒素で凍りつく悪役も印象的。