当サイトEAA!!は、『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』の開発元であるTreyarchのお三方に、本作のシーズン2でデビューする大規模新ゾンビモード「OUTBREAK(アウトブレイク)」の開発秘話を聞くことができました。
アウトブレイクの構想は初代『CoD:BO1』からあったことや、ストーリーを完全にクリアした人がたった2%しかいないことなど、興味深い話題が目白押しなのでぜひご覧ください。
開発者に聞く「アウトブレイク」開発秘話
- Craig Houston氏 – リードライター
- Corky Lehmkuhl氏 – スタジオクリエイティブディレクター
- Kevin Drew氏 – エキスパートゲームデザイナー
EAA:Outbreakは今までにないスタイルのゾンビモードマップに見えます。なぜこのスタイルを選択したのでしょうか? または発想の元になったものはありますか?
Corky:実は発想自体はずっと昔からありまして、ブラックオプス1の頃ですね、開発内でいつかこんな大規模のゾンビモードを作りたいなという話はしていたんです。当時の技術では実現が困難だったのですが、やっと作り上げることができて私たちも感無量です。詳しくはまだ語れないのですが、ゾンビ初体験なカジュアルプレイヤーの方でも楽しめるはずです。でとはいえ難易度はだんだん上がっていくので、ハードコアな方にとっても満足が行く体験に仕上げることができた思っています。
EAA:Outbreakはオープンワールドとの噂がありますが、ラウンドベースではない初のゾンビモードになるのでしょうか?脱出オプションは用意されますか?
Kevin:ラウンドベースのマップのように、明確なラウンド数があるわけではありません。アウトブレイクはプレイヤーがクリアした目標の数と、新たなエリアにワープした回数を進行度として数えているんです。進行度が増えるとゾンビが手強くなっていくのは同じですが、例えば1エリアに20分ほど滞在できたりするので、ラウンドベースモードと比べると進行度は小さくなりがちです。
開発としては、プレイヤーがハイスコアプレイに走ると想定していますね。「プレイ1回でどこまで詰め込めるか」みたいな。開発チームは7か8目標ぐらいが限界で、それ以上はゾンビが多すぎてキツくなるんですけど、プレイヤーの皆さんはどこまでいけるか、楽しみにしています。目標が完了するたびに、脱出を呼ぶか、あるいは次のエリアにワープすることもできるので、無理しないのも大切ですね。
CoD:BOCW「アウトブレイク」のビークル
EAA:Outbreakではビークルが登場するとのことですが、ビークルはマップ内に配置されているのでしょうか?自分でクラフトする必要があるのでしょうか?アップグレードする機能はありますか?
Kevin:エリアごとに決まった数のビークルがスポーンするため、プレイヤーの皆さんには自力で探索して見つけていただくことになります。モード内のマップ上でも位置が表示されますね。クラフトだったり、追加でビークルをスポーンさせる機能は現状はないのですが、将来的に考えるかもしれません。
Corky:スキンを変更したり、外見をカスタマイズすることは可能ですよ。
Kevin:ええ、ビークルの性能をアップグレードすることは残念ながらできないのですが、代わりにマルチプレイと同じく完全なカスタマイズが可能で、ラジオやスキンを購入して設定しておけば、あとはビークルにプレイヤーが乗り込むだけで設定が反映されます。
EAA:今後、武装車両などを実装する予定はありませんか?
Kevin:既存の車両に機関銃を乗せるなどのアップグレードはできませんが、ファイアチームモードから一部の武装車両をOutbreakに輸入する予定はあります。現状はバランス調整中ですね。
CoD:BOCW「アウトブレイク」のメインクエストはシーズン3から
EAA:他マップと同様にストーリークエストを含めたイースターエッグは用意しているのでしょうか?
Corky:実はOutbreakではイースターエッグではなくて、ミッション、あるいは"メインクエスト"という、よりわかりやすい形で実装しているんです。隠し要素のサイドイースターエッグは別にありますが、メインクエストはより多くのプレイヤーに体験してもらいたかったので。
というのもこれらの実装はとても手が掛かるのですが、実際にデータを見てみると、ゲーム内でストーリーを最後まで暴いたプレイヤーは2%しかいないんです。今でこそYouTubeやRedditを参考にしてイースターエッグをクリアするプレイヤーも増えましたが、それにしたって「CoD歴は12年だけど、はじめてイースターエッグをクリアしたぞ」みたいな声が挙がっているので…。
一方ではじめて100ラウンドまで行ったぞ!や、はじめての50ラウンドだ!という声はよく聞こえてくるので、同じぐらい達成できるように、イースターエッグをより分かりやすくするのは私たちにとって最も重要な課題でした。最終的にはちょっと難しいけれど、過去作のようにクレイジーな難易度ではないし、ストーリーからもあまり乖離していない、ちょうどいいところに着地できたと思います。
Corky:ただ、Outbreakのメインクエストはシーズン3での実装を予定しているので、配信時はイースターエッグやメインクエストのない、素のOutbreakを楽しんでいただくことになります。
開発者の一番の楽しみ
EAA:最近ではスピードラン(タイムアタック)コミュニティが活発で、特にFirebase Zは今でも数日ごとにクリアタイムが更新されており、プレイヤーを沸き立たせています(関連記事)。開発としてはこういうプレイスタイルはどう思っていますか?
Craig:どうしたらそんなに早くクリアできるんだろうと思います(笑)。私なんかだとたった1つのステップをクリアするのにもけっこう時間を掛けてしまうので、タイムアタッカーは一体どうやっているんだろうと、不思議な気分になります。
ゲームが特別うまい人たちの存在は、開発にとっても楽しいものですね。それとOutbreakに関しては、もしかしたら私達が全く想定していない方法でプレイする人も出るのではないかなと期待しています。目標をいち早くクリアするために、最速でエリアワープを行うプレイヤーは出るでしょうし、あと個人的にはさまざまなビークルでレースしたり、ロードキルを競ったりするような遊びも出るのではないかなと思います。
結局わたしたちにとっての一番の楽しみはプレイヤーの皆さんがエンジョイしている姿を見届けることなのですが、プレイヤーはそれぞれプレイスタイルが違うのが難しいところです。例えば私はよくフレンドから「ちょっと一緒に遊ぼうよ、ラウンド100まで連れてってあげるぜ」と誘われるんですけど、途中でトイレ休憩を挟まなきゃいけない私にとっては絶対に無理かなっていつも断っているんです。その分Outbreakはいわゆるサンドボックス的なモードでプレイの幅も広いので、皆さんにはそれぞれの方法でより自由に楽しんで頂けると思います。
CoD:BOCW「アウトブレイク」のストーリー
EAA:ダークエーテルから出てきたサマンサはプリミスの形見(武雄の刀、ニコライのゴーグル、デンプシーの時計、モンティのスカーフ)を持っていますが、その理由は今後明らかになりますか?またこの中にリヒトーフェンが含まれないのにも理由があるのでしょうか?
Craig:今はまだ語るときではないですね。他にも多くのファンから「エドワード(・リヒトーフェン)はどこに行ったんだ!」と聞かれるのですが、詳しくは今後のシーズンで語られる予定なので、どうか楽しみにお待ちください。
EAA:ゾンビモードはCoDシリーズ作品を跨ぐ雄大なストーリーが1つの魅力で、シーズン2はさらにCoDゾンビの顔役とも言えるサマンサまでもが戻ってきました。新規プレイヤーにとっては新鮮さを保ちつつも、従来のファンをあっと楽しませるナイスな配役でしたが、毎回どのようにして出演するキャラクターを決めているのでしょうか?
Craig:重要なのは今までのゾンビストーリーの扱いで、いわゆる「エーテルの物語」ですね。リヒトーフェンやいつもの皆を巻き込んだエーテルの物語は、『CoD:BO4』の最後で完結したので、そちらはもう絶対に加筆添削を行うつもりはありません。
彼らはゾンビが全く存在しない世界を作ろうとしましたが、この世界の第二次世界大戦時代に行われた実験のせいで、彼らの計画は半分しか成功しなかったんです。『CoD:BOCW』ではもうタイムトラベルや改変時空は絡みませんし、冷戦時代にのみフォーカスしたストーリーになりますが、BO4が完結した時点ではまだ2人の生存者がいました。若き日のサマンサとエドワード・リヒトーフェンです。サマンサは皆の遺品を抱えて戻ってきましたが、リヒトーフェンに関しては、今後のシーズンで明らかになるでしょう。
Corky:あとは『CoD:BO』のキャンペーンからレクイエムの指揮官としてウィーバーを連れてきた点ですね。ブラックオプスシリーズのメインストーリーをどのようにゾンビモードに絡ませるかは、1つの課題です。世界観が壊れるのは避けたいですけど、機会があれば積極的にゾンビモードとメインストーリーをつなげていきたいです。
EAA:新しいエーテリウムクリスタルについての詳細を教えてください。
Kevin:元々エーテリウムクリスタルはカジュアル向けのコンテンツとして作っていて、開発の試算では大体24時間でフルアップグレードできるように設計していました。新種のクリスタルはコンプリートにより長いプレイタイムが必要な上に、ある程度のプレイスキルも要求することになります。
ただそれはそれとして、ラウンド20に到達するか、Outbreakで3つの目標を完了させるだけで、2種類とも獲得できるようになっていますので、今まで通り20ラウンドマッチングをプレイしていただくだけでも全てのスキルをTier4やTier5に上げることは可能です。
ゾンビ大量発生の「ホットゾーン」
EAA:過去のゾンビモードには大型マップもありましたが、Outbreakほどの規模はさすがにはじめてだと思います。開放的なマップでゾンビモード特有の緊張感を維持するために苦労した点は?
Kevin:広大なマップ全体をゾンビで埋めるのは技術上も難しかったので、"ホットゾーン"という概念を流用しました。最初はマップ全域にまばらにゾンビが湧いているので、プレイヤーも遠くからスナイプすれば全部クリアすることもできるんですけど、ひとたび特定のエリアに足を踏み入れたら、プレイヤーの回りに一気に何十匹も湧き始めるので、それこそ罠に嵌った気分になると思います。
あとは目標エリアですね。プレイヤーが集まざるを得ないので、擬似的な狭所に見立てて、大量のゾンビがスポーンするように設定してあります。
CoD:BOCW「アウトブレイク」とこれまでのゾンビの違い
EAA:Outbreakモードは全く新しいプレイスタイルを開拓していますが、従来のゾンビモードから乖離しすぎないように気を使った部分はありますか?
Kevin:ゾンビモードのコア体験は、時間とともに上がる難易度に対処しつつ、さまざまな目標にチャレンジしていく部分だと思っています。他のオープンワールドなPvEゲームとの最大の違いでもあるので、そこを最も重視しました。
ただし従来のラウンドベースモードとも違って、より能動的な体験をベースにデザインしたんです。例えば今までのゾンビモードだと、いつもゾンビのほうが迫ってくるので、プレイヤーの皆さんはその対処に追われる緊張感を味わっていたはずです。しかしOutbreakではプレイヤーが自らゲームを進行させていくことになるので、エリアを攻略するペースを自分でコントロールすることができます。とりあえず目標を終わらせて次に行きたいのなら、スピード重視でラッシュできますし、逆に適当なビークルに乗り込んでゆっくり探索したり、装備をアップグレードするために長期的な稼ぎプレイに走ることも可能です。
もう一つの大きな違いは、難易度の進行度です。ラウンドベースモードですと難易度の増加はラウンド数依存なので、プレイヤーはもっぱら直線的な難易度の上昇を体験します。ですがOutbreakはもう少し起伏がはげしくて、例えば初期エリアはラウンド1相当の難易度しかないので、ほとんどのゾンビはワンパンです。しかし目標を1つ達成して次のエリアにワープしたら、唐突にラウンド8や15、あるいは22や30相当の難易度に跳ね上がるので。
最初は優しいのに、目標を4つ5つ達成した瞬間に一気に壁にぶち当たって、あとは4人固まって協力しないともうダメという気分になると思います。
EAA:最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
Corky:Treyarchの開発一同、このような時期にもゲームを届ける機会を得られたことに大変感謝していますし、世界中の皆さんが楽しんでくださっているのはただただ感激です。何か質問がありましたらぜひお寄せください。そしてこれからも応援よろしくおねがいします!
CoD:BOCW シーズン2の概要とダブルXP
『Call of Duty: Black Ops Cold War(コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー)』の発売日は2020年11月13日で、対象機種はPS5 / PS4 / PC / Xbox One / Xbox Series X | S。
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コメント
コメント一覧 (3件)
PS5のせいでは無いよね、運営が怠惰なせいだよね。
Sonyのせいにしないでもらっていいかな下のコメントしてる奴。PSNのエラーであればすぐに対応するだろ、それが出来ないならクロスプレイサーバーに(もちろんサーバーは運営管理)何らかの異常があるから異なるプラットフォーム同士でのプレイに支障を来たしてるんだろ。
現にPCの俺でも落ちるしなCS機なんてマシだろ、フレンド一覧に表示されないバグに比べたら再起動すればまた出来んだから
まずは、バグエラーを直せと言わせてくれ。
追加のコンテンツもseasonの更新もまともなゲームになってからだろ。
結構楽しいモードなんだけど相変わらずPS5版のクロスプレイエラー落ち直らず
そして前世代版だと安定して通しでプレイ出来る、次世代機とは一体…