フランスに本社を置くゲーム企業Ubisoftに、ファンドに買収されるという噂が流れていました。しかしイヴ・ギルモCEOは、この買収の可能性について株主向け説明会の場で否定しました。
Ubisoftに買収の噂
ゲーム業界での買収活動は近年大きなニュースが続き、2022年には MicrosoftがActivision Blizzardの買収を発表したことで、業界内はもちろんゲーミングコミュニティ全体に衝撃を与えました。その後もTake-TwoがZyngaの買収を発表したこともあり、一時期は日本の有名ゲーム企業も、さらに大きな外国企業に買収されるのではないかという噂で持ちきりでした。
こうした噂話には世界中にスタジオを有するゲーム企業Ubisoftも巻き込まれており、4月にはBlackstoneやKKRといったプライベート・エクイティ・ファンドが、Ubisoftの買収に興味を示しているという報道がありました。近年のUbisoftはコロナ騒動による新作の延期などの難事もあって業績が思わしくなく、最新の決算報告書によると、第4四半期の売上高は昨対比で41.1%増加したものの、会計年度全体では4.4%減少しています。これを嫌気されてか、過去1年で株価も最大50%近く下落するなど投資家からの失望も招いており、ファンドによる買収からの事業整理・再編の噂にはそれなりの説得力がありました。
CEOは同社価値に自信
しかしその後、同社のイヴ・ギルモCEOは現地時間5月11日に行われた通期決算説明会にて、出席者との質疑応答の場で同社の独立を維持する旨を発言したとのことです。
「私たちの全体的な立場は明確で、よく知られています。昨年2月に述べたように、私たちは独立を維持するために必要なものをすべて持っています。才能、産業および財政規模、そして強力なIPの大規模なポートフォリオを有し、今後数年間で膨大な価値を創造することができます。
エンターテインメントとテクノロジーの最大のプレーヤーとの戦略的パートナーシップを構築する計画を我々に提供してくれました。現在の憶測は、当社の資産や、価値創造の可能性の真の魅力と価値をはっきりと示しています」
買収に関しては憶測であると否定しつつ、一方で実際にそうした申し出があった場合は、ステークホルダーの利益のために検討はすることも明言しています。
「以前に申し上げた通り、上場企業としてすべての株主と当社の優れたチームの利益のために、当社の取締役会がいかなる提案も検討することがベストプラクティスです」
Ubisoftはまた、この決算発表にて『アバター フロンティア オブ パンドラ』など3タイトルを今会計年度中に発売予定であることを明らかにしました。
Source: VGC
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