Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』競技シーンでは、11月21日より世界大会SIX JÖNKÖPING MAJOR 2022(以下、ヨンショーピングメジャー)が開催中。この記事ではプレイオフDAY4とDAY5の結果をお届けします。
ヨンショーピングメジャーが開催中
ヨンショーピングメジャーは、年に3回行われるシージ競技シーンの世界大会「シックスメジャー」の1つで、2022年度最後のメジャーとなります。
日本チームCYCLOPS athlete gaming(CAG)も、2大会ぶりにメジャーに出場。グループステージで惜しくも敗退となりましたが、現在は会場をヨンショーピング市に移し、現地のeスポーツイベントである「DreamHack Winter」内でプレイオフが開催中です。
ベスト8は異例の同国対決4連戦
現地時間25日からは、「DreamHack Winter」が開催中の有観客会場に舞台を移し、プレイオフトーナメントがスタートしました。
注目されたのはその対戦表で、抽選で組まれたベスト8のマッチアップは、4試合すべてが同国チーム同士の対決という史上初の構図になりました。くじ運で決まったこととはいえ、出場4チームすべてが勝ち残っていたブラジルチームは、不幸にも対戦表の片方の山に全員まとめられてしまいます。
史上初の出来事は他にもあり、ブラジルチーム筆頭として出場中のw7mは、グループステージを6戦無敗の圧倒的な強さで突破。こちらもメジャー級トーナメントでは初のことです。
準々決勝で同国のBlack Dragonsと対戦したw7mは、BO3環境でも引き続き優れたパフォーマンスを発揮します。相手がピークをしたくなるタイミングを故意に作り、逆にピークし返してヘッドショットを決める高度な技術でBlack Dragonsの身動きを封じ、「テーマパーク」で7-2、「ヴィラ」では7-3と圧倒。累計でメジャー8マップ無敗という記録を更新し、マップスコア2-0で早々にベスト4への進出を決めました。
続く2試合目のLiquid vs FaZeは「ヴィラ」からスタート。Liquidのnesk選手やFaZeのBullet1選手がそれぞれ見せ場を作りつつも試合は膠着し、オーバータイムに突入。マップはLiquidが8-6で取ったものの、2マップ目も混戦が予想されました。
しかし第2マップの「クラブハウス」では一転し、Liquidのワンサイドゲームとなります。気が付くと5-1のスコアで折り返し、余裕を失ったFaZeはそのまま7-2のスコアで敗戦。同国対決のもう片方の勝者はLiquidに決まりました。
ベスト4出そろう
準々決勝第3試合はフランスチーム対決、Wolves Esports vs Team BDSでした。BDSは現在ヨーロッパでも最も存在感のあるチームですが、メジャーではまだ優勝経験がありません(※サウジアラビアで開催されたSティアトーナメント「Gamers8 2022」では優勝している)。
今季はランクマ勢として鳴らしてきた新選手LikEfacを加えてチームの底上げに成功したBDSは、第1マップの「オレゴン」を7-4、第2マップの「カフェ」を7-5で制し、Wolvesとのフランス対決に勝利。26日に行われるベスト4に進出することに成功しました。
DAY4最後の試合はアメリカチームの対決Soniqs vs TSM。第1マップの「ヴィラ」では、SoniqsのKanzen選手が残り0.09秒で勝利を決めるなどの見せ場を作りましたが、試合は4-7でTSMが勝利します。
第2マップの「テーマパーク」はSoniqsのピック。直近でデータが無いマップであり、ここで作戦を出してきたようです。序盤はBeaulo選手らTSMの強いアタリに押されて建物内にすら入れなかったSoniqsでしたが、Geometrics選手がMontagne(モンターニュ)を投入して着実なエリア取りができるようになってからは好転。防衛有利とされるこのマップで、攻撃を4-2で折り返し、さらに防衛で2連取し合計6ラウンド連取でマッチポイントを獲得します。
最後はGunnar選手のトリプルキルもあり、7-4でSoniqsが「テーマパーク」を制覇。試合はディサイダーである「クラブハウス」に持ち込まれます。
いよいよ北米トップを決める「クラブハウス」は、会場の緊張に反して予想外の展開となりました。まずThermite(テルミット)とHibana(ヒバナ)のハードブリチャー2名がBANされる状況となり、これにより攻撃スタートのTSMが揺さぶられます。ハードブリーチャーを誰が担当するのかで混乱が見られる中、防衛から入ったSoniqsはこれに乗じて3-0とリードし、TSMに早々のタイムアウトを取らせます。
TSMはその後も試行錯誤を繰り返すことになり、さらにKapkan(カプカン)のEDDにも引っかかり続けるなど、心理的にも押されます。逆にSoniqsはラウンドを取り続けて6-0の大差で攻防交代。TSMも防衛からはAchieved選手の活躍などで粘りましたが、既にラウンド差がつきすぎていました。最終マップは意外にも7-2というスコアでSoniqsの圧勝に終わり、これによりベスト4最後のチームが決定しました。
BDSが「クラブハウス」の戦いを披露
翌DAY5のセミファイナルは、Soniqs vs BDSからスタートしました。第1マップはBDSが選んだ「国境」でしたが、Soniqsとは一進一退のスコア争いに。最後はKanzen選手がエースを決め、7-5でSoniqsに軍配が上がります。
しかし第2マップの「クラブハウス」は、Soniqsのピックでありながら、BDSの得意マップとして知られています。ここで一気に決められるのか、Soniqsの策に注目が集まりましたが、始まってみるとBDSのBriD選手が度々窮地を救うプレイなどを挟みつつ、一方的にスコアを重ねる展開となってしまい、0-6でBDSがリードして攻防交代。逆転のチャンスの少ないSoniqsはそのまま押し込まれる形となり、「クラブハウス」は1-7でBDSの勝利となりました。
ディサイダーの「銀行」でもBDSの勢いは続き、攻撃を1-5で大きくリードします。攻防交代後は2ラウンド返したSoniqsでしたが、ここで力尽きてしまいます。最終ラウンドではRenshiro選手が決めて、BDSのベスト2以上が確定。チームにとって初となるメジャーグランドファイナルに挑みます。
怒濤のシーソーゲームをLiquidが制す
セミファイナル2戦目はw7m vs Liquidで、「クラブハウス」からスタート。ここまで絶好調で勝ち進んできたw7mでしたが、ライバルとして手の内をよく知っているであろうLiquidの対応が光ります。w7mのピックマップにもかかわらず、Liquidは1-5と大量リードして防衛を終えると、そのまま1-6とマッチポイントへ。
w7mも防衛側の優位性を活かし、4-6まで寄せて逆転の可能性を見せましたが、Liquidはタイムアウトを挟んでからしっかり最後の1ポイントを獲り、4-7で「クラブハウス」を制しました。
第2マップはLiquidが選んだ「高層ビル」。w7mがThermite(テルミット)をBANして手の内のあることを見せます。Liquid視点での悪い予感は的中し、攻撃から入ったLiquidは思うように進行ができないままラウンド敗北を重ねます。さらに6ラウンド目ではw7mのvolpz選手がクラッチを決め、「クラブハウス」とはうってかわって、6-0でw7mが大量リード。w7mは最初の防衛も守り切り、7-0で「高層ビル」での戦いをしめくくりました。
ディサイダーとなったのは「ヴィラ」。w7mは勝負を決めるべく果敢な窓外ピークなどでLiquidに投了を迫りますが、改めて攻撃からスタートしたLiquidのメンタルに衰えは見られませんでした。素早い攻め込みからガンファイト勝負を挑み、2-4でリードして攻防交代します。
しかしw7mも攻撃に回ってからは、同じく素早い攻め込みで勝負をしかけ、互いに譲らないまま試合は6-6でオーバータイムに突入します。
第1マップから怒濤のシーソーゲームが続いたこの試合でしたが、最後はLiquidがオーバータイムで防衛・攻撃ともに成功させ、w7mを下すことに成功。マップスコア1-2で勝利し、BDSの待つ明日のグランドファイナルへと向かいます。大ベテランの一人としてチームのパフォーマンスを保ち続けたPaluh選手はマッチMVPにも選出。今季最も勢いのあったw7mに、一からの出直しを突きつけることに成功しました。
いよいよグランドファイナルへ
21日から行われてきたヨンショーピングメジャーも、いよいよ最終日を迎えます。グランドファイナルは、Team BDS vs Team Liquidのマッチアップ。メジャー最後の戦いのみ、BO5にて行われます。
試合開始は日本時間11月27日午後11時。BDSがついにメジャー初優勝を飾るのか。それともTeam Liquidが旧プロリーグ以来のSティアトーナメント優勝を達成するのか。作戦、ガンファイトともに文字通り世界トップレベルを誇る両チームの激突に注目です。
Source: Twitter
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