Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』eスポーツ競技シーンでは、2023年度に向けた新たなフォーマットが発表されました。日本がアジア全体から独立した1つのリーグになり、メジャー出場が実質的に保証されるなど、日本チームおよびそのファンには期待が高まる内容となっています。
レインボーシックス Esports 2023発表
世界の区分が9地域に
日本時間12月13日に、以前から告知されていた通り、2023年3月以降におけるeスポーツ競技シーンの新フォーマットが発表されました。
シージeスポーツでは、これまで世界を4地域(北米、欧州、ブラジル、アジア)に分けていましたが、2023年度からはこの区分が9地域に増加します。また、このうち6つでクローズドリーグが開催されます。
- 北米(最大10チームによるクローズドリーグ開催)
- ブラジル(最大10チームによるクローズドリーグ開催)
- ヒスパニック・ラテンアメリカ(最大8チームによるクローズドリーグ開催)
- ヨーロッパ(最大10チームによるクローズドリーグ開催)
- MENA(中東および北アフリカ)
- 日本(最大10チームによるクローズドリーグ開催)
- 韓国(最大8チームによるクローズドリーグ開催)
- オセアニア
- アジア(日、韓、オセアニア以外のアジア地域)
- アジア、オセアニア、MENAの地域プログラムの詳細は近日中に発表
アジアが分割、日本は独立
これまでもサードパーティー主催のトーナメントで盛り上がっていたものの、メインストリームには参加できていなかったMENA地域が、新たに9地域の1つとして格上げされた他、長らく国際大会への出場をブラジルチームに阻まれ続けてきた、ブラジル以外のラテンアメリカ各国も独立した地域となりました。
さらに、日本を含むアジアが4地域に分けられたことが大きな変化です。
アジアは全体が広大なこともあり、たとえば東南アジアのチームがオセアニアのチームと対戦する際には、Pingの高さが原因で公平な試合にならないことが問題視されてきました。新たな地域区分では、Pingをめぐる諸問題も同時に解消されるでしょう。
また、日本はアジア全域から独立した1つの地域となり、クローズドリーグも開催されることが発表されました。いわば「日本リージョン」とも言えるこの新たな日本のクローズドリーグには、日本の最大10チームが参加可能です。日本を含め、クローズドリーグにどのチームが参加できるかについては、「シックスインビテーショナル2023」発表されます。
また、後述の通り、各クローズドリーグのトップチームは国際大会シックスメジャーのグループステージに直接出場できるため、日本チームが必ずメジャーのグループステージに出場できるようです。
2ステージ制に移行
ステージとシックスメジャーの年度日程も改変されました。
これまでは1年を3つのステージに分け、各ステージの最後にシックスメジャーが開催されていましたが、2023年度からは2ステージ制、シックスメジャーも2回開催となります。
現行のシステムでは、ステージが終了してから次のステージが始まるまでに1ヵ月程度の時間しかなく、メジャーに出場したチームは特に、休養はもちろん、次のステージに向けてチーム内で準備をする時間的余裕がありませんでした。
2ステージ制になったことで、公式戦の数は減った一方、各チームのプレイや試合のクオリティが向上することが期待できます。
メジャー日程が拡大、オープン予選からの参加も可能に
シックスメジャーの全体日程や出場方法も変更されました。
これまでは各地域内から各ステージにおける上位4チームが出場し、16チームによる「グループステージ」からスタートしていたメジャーですが、今後はグループステージが「フェーズ2」となり、その前に、新たに設けられた「フェーズ1」からメジャーがスタートします。
- フェーズ1:各地域リーグ内での予選。参加できるチームの数やフォーマットなどは「シックスインビテーショナル2023」で発表
- フェーズ2:16チームが出場。これまでの「グループステージ」にあたる
- フェーズ2に進出する方法は2通り。「各クローズドリーグのトップチームとなる(直接出場)」か、または「各地域の予選を勝ち抜けて1位となる(フェーズ1も含まれると思われるが、詳細は不明)」
- フェーズ3:グループステージを勝ち抜いた8チームによる、これまでの「プレイオフ」にあたる
地域は9つあるため、単純計算すると9チームが直接出場し、「フェーズ1」で残りの7チーム分の枠を争うことになるように見えますが、この辺りの詳細は説明されませんでした。メジャーの前半部分(特にフェーズ1)は現時点で不明点が多く、「シックスインビテーショナル2023」でのさらなる解説を待ちたいところです。
9つの地域内では、オープン予選も開催されます。このオープン予選は「出場条件なし」。つまりつまりプロ・アマ問わず、あらゆるスキル帯のプレイヤーに開かれたトーナメントであるため、どんなチームにもシックスメジャーに出場できるチャンスがあります。
ライバルの多さを思うと道のりは険しいでしょうが、ほとんど誰にも知らていなかったチームや才能ある選手たちが、いきなり世界でその名を轟かせるようなドラマも起こせる仕組みになりました。オープン予選も大注目のトーナメントとなるでしょう。
なお、グループステージ以降の、プレイオフやグランドファイナルに至る大筋の流れは、これまでと同様のようです。
草の根トーナメントも開催しやすくなる
各地域のクローズドリーグやオープン予選の他に、コミュニティで開催されるいわゆる草の根トーナメントも競技シーンの発展には重要です。
英語による新フォーマット公開動画「FORGE THE NEW ERA」にて、シニアeスポーツディレクターのZeynep Gençağa氏が説明するには、新フォーマットではこうした小規模なトーナメントを開催しやすくなるようなトーナメントプラットフォームを提供していくそうです。
インビテーショナルの地域予選は廃止
シージ界最大の祭典である「シックスインビテーショナル」への出場権は、これまでと同様、クローズドリーグやメジャーの成績などによって得られる「グローバルポイント」で争われます。地域が9つになったことで、ポイントの分配方式も改変されます。
インビテーショナルへの出場チーム数は例年と同じく20チームになるそうですが、インビテーショナルは「シーズンを通して最高に優れた(安定した成績を残した)チーム」による戦いであるため、シージのeスポーツディレクターWei Yue氏は、これまでのようなインビテーショナル地域予選の廃止を明言しました。今後は「ランキング上位16チーム+予選からの4チーム」ではなく、「ランキング上位20チーム」が直接招待されることになります。
一方でグローバルポイントは、メジャーオープン予選の参加チームでも獲得可能とのことで、一応はどんなチームにもインビテーショナル出場のチャンスがあるようです。
「インビテーショナル2024」の開催地は?
シックスインビテーショナルはこれまで、例外を除いてUbisoftのシージ開発スタジオがあるカナダ・モントリオールで開催されてきましたが、「シックスインビテーショナル2024」からはモントリオール以外でも開催していくことが以前発表されました。
実際のところ、「インビテーショナル2024」の開催地は既に決定しているのかもしれません。Wei Yue氏は、開催地のヒントとして、「冬のモントリオールよりも暖かい場所」になると明かしていました。
真面目に考察すると、モントリオールの2月の平均気温はマイナス7度であり、気象庁による世界各地域の2月の平均気温をこれと比較していくと、シベリア地域、ウラジオストク、ウランバートル、中国東北区、中国西部、スバールバル諸島、アラスカ地域は除外されることが分かりますが、カナダの主要都市以外は(モスクワも含めて)すべて平均マイナス7度以上あるため、残念ながらこれはあまりヒントになっていないようです。いずれせによ発表を楽しみに待ちたいところです。
2023年のインビテーショナルに注目
また、シージのグローバルeスポーツサーキット全体でBLASTと複数年にわたるパートナーシップを締結したことが発表されました。ただし日本のクローズドリーグの運営は、現在もRJLを主催しているX-MOMENTが引き続きこれを手がけるそうです。
今回発表された内容について、「クローズドリーグに参加できるチームやその条件」、「メジャーフェーズ1のフォーマット」、「入替戦の有無」など、細かい不明点はまだ数多く残されています。
2023年2月に開催される「シックスインビテーショナル2023」では、新フォーマットのさらなる詳細が発表されるそうです。今回はまずはその大枠だけ覚えて、2023年以降の戦いに備えておきましょう。
Source: YouTube, R6 Esports Official
TESTをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント
コメント一覧 (1件)
地域が増えるのは嬉しいし、日本リーグも嬉しいけれど
NAEUブラジルの枠が減るなら問題だよなー
ただでさえアジアはかもにされてるのに
強いチームが地域枠の問題でポイント貰えず、逆に弱いのにポイントもらえてインビ出場とかやめてほしい