Ubisoftが手がける新たなアリーナーシューター『エックスディファイアント』では、4月23日までクローズドベータが開催中。世界のシューターファンたちが我先にとプレイしているところです。
一方でActivisionが手がけるFPSの金字塔『コール オブ デューティ』シリーズのコミュニティでは、ベータ開始当初より2作品の比較論が盛り上がっています。2作品の間にはさまざまな類似点や相違点がある中で、キャラコンの仕様の違いにも注目が集まっています。
CoD過去作のスタッフが手がける『エックスディファイアント』
『エックスディファイアント』はリスポーンありの6v6ルールで戦うハイペースなFPSということで、発表当初から『コール オブ デューティ』シリーズとの類似性が指摘されてきました。
それもそのはずで、『エックスディファイアント』の開発には、Mark Rubin氏がエグゼクティブディレクター兼プロデューサーとして携わっています。Rubin氏は、以前は『コール オブ デューティ』開発スタジオの1つであるInfinity Wardのエグゼクティブブロデューサーとして、伝説的な『モダンウォーフェア』シリーズ3部作を手がけた人物です。
ちなみに、『CoD4: モダンウォーフェア』(2007年)、および『モダンウォーフェア2』(2009年)のパッケージに描かれた兵士のモデルはRubin氏自身です(『モダンウォーフェア3』のパッケージは別モデルで、残念ながら「劣化版」にされてしまったのだとか)。
まさに2000年代の『コール オブ デューティ』を代表する人物が、Ubisoftに拠点を移して開発を進めているのが『エックスディファイアント』、というわけです。
キャラコンの差異に注目
「つまりUbisoftによるCoDなのか」と言われがちな『エックスディファイアント』ですが、キャラクターコントロールの仕様にCoD作品とは意図的な差異が作られており、これが今まさに議論となっています。
Aimdroidが批判的にコメントしているのは、『エックスディファイアント』では連続でジャンプをすると、ADSしていてもエイムが強制的にぶれるようになっている点です(厳密には、ジャンプとしゃがみを素早く繰り返すことによって生じることが後に解説されました。後述)。
「修正してくれ」と嘆くAimdroidですが、リプ欄に登場したRubon氏によると、これは意図的な仕様だそうです。
バニーホップの乱用を防ぐために、意図的に「ブレ」を加えています。ジャンプしながら撃つのは問題ありません。しかしぴょんぴょん跳びながら撃つことにはペナルティを与えます。変更したいかどうかはコミュニティとして議論するかもしれませんが、これは初期的なデザイン(仕様)です。
元世界チャンピオンの開発者からも解説
さらに、『エックスディファイアント』開発スタッフの一人であり、CoD界の元プロ選手「ACHES」として2度の世界チャンピオンを経験したPatrick Price氏もこのツイートを引用し、デザインの意図について以下のように説明しています。
皆さんにフィードバックをしてもらえるように、話の流れを説明します。これは現時点でのデザイン上のものです。こうなっている理由はひどいスパム行為を止めるためです。しかし私たちは、選手たちの素晴らしい動作の応用を制限したいわけではありません
この「ブレ」は、ジャンプしたり、しゃがんだりする動作を素早く繰り返すことにより発生するペナルティで、一度だけなら起きませんが、長く連続するほどぶれがひどくなっていくそうです。
とはいえ、ここはまだ調整対象のポイントであり、引き続きコミュニティからの意見を求めているそうです。Redditではまさにこの議論の真っ最中で、賛成派と反対派がはっきり分かれている印象を受けます。
スネーキングの是非論
ちなみにPrice氏が「スパム行為」と呼んでいるもののうちの1つは、海外コミュニティでいう「スネーキング」というキャラコンテクニックで、日本のFPS界でいう「モグラ撃ち」に相当すると思われます。自分は遮蔽物に身を隠し、まるでモグラ叩きゲームのように素早く顔を出したり引っ込めたりすることで、相手の存在を確認しながら一方的に撃つというものです。
今のところ合法テクニックではあるものの、CoD界では競技シーンを含め、このスネーキングにはプロでも対抗するのが難しいことが以前から議論になっていました。Twitterの参考クリップや、スネーキングされた方の視点(Twitchのクリップ)で確認してみてください。
『エックスディファイアント』ではこうしたキャラコンは制限したい意図がうかがえ、いわば元CoDの開発者による、CoDのキャラコンに対する反論のような構図になっている点が興味深いと言えるでしょう。皆さんはどちらの仕様の方でプレイしてみたいでしょうか。
『エックスディファイアント』vs『コール オブ デューティ』勃発か
Twitterなどで『エックスディファイアント』の反応を見ていくと、実際のところ『モダンウォーフェア』シリーズよりも『ブラックオプス』シリーズの操作感を思い出すプレイヤーが多いようです。いずれにせよ、KARNAGE ClanのCEOであるLandon氏からも、『エックスディファイアント』は『コール オブ デューティ』の有望なライバルになると目されています。
キャラコン以外での、『エックスディファイアント』にある現状の『コール オブ デューティ』との差異では、あくまでベータ時点での話ですが以下が指摘されています。
- 対戦マップが投票式
- スキルマッチが無い(※ベータであるため変更の可能性あり)
- マップが全体的に明るくて見やすい
- 発砲でミニマップに赤点が出る。ミニマップ外で起きた発砲も、その方角が示される
- 詳細な武器ステータス確認機能がある(※『CoDモバイル』の方にはこうした機能がある)
プレイヤーも興味津々
『エックスディファイアント』はベータテスト開始時に、Twitchにおける視聴者数が『Call of Duty: Modern Warfare ll』と『ウォーゾーン2.0』の合算を上回っていたことが注目されていました。ベータ参加コードが配られていたことも関係しているでしょうが、少なくともそれだけ多くのゲーマーの興味を引きつけていることがうかがえます。
やはり『エックスディファイアント』と『コール オブ デューティ』の対決は避けられないのでしょうか。『エックスディファイアント』はリリース日程不明ですが、引き続き続報を追っていきたいところです。
なお『エックスディファイアント』のベータにはEAA!!も参戦中です。後日レビュー記事やプレイ動画もお届けしますので、こちらもお楽しみに!
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare ll(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅱ)
- 発売日:2022年10月28日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
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コメント
コメント一覧 (9件)
なんやかんや盛り上がってもUBIだからな…って不安がある
パッド操作の最適化を早くしてほしい
パッドでのエイム挙動がうんちなのも比較対象やろ!
いやしかし、基本無料だから案外伸びるかもしれない
ポイントはどれだけキッズを取り入れられるかだけど難しそう
今の時代にCOD4を初めて発売したとしてもキッズはやらないんだろうな
ミニマップの赤点も嬉しいんだけどMW2019系列よろしく上にコンパスを用意して赤点出してくれるとなお嬉しかったりする
何年かに1回はこういう「CoDのライバル」になりそうなFPSが現れるが、そういったFPSがCoDを駆逐するのは一度も見たことがない。
結局のところブランドには勝てんのよ
MW2はいい意味でキャラコンを無くしてきてるけど、スネーキングの所まで徹底出来ていなかったのが唯一ダメなところ。
伏せ関連の挙動さえ治せば、ほとんどがまともな試合になる。
伏せ撃ちができんのも同じような意図か
どれだけ体を出さない様に動く〜とかならキャラコンと言えるが、ゲームならではの一定の動作を高速で繰り返す様な挙動は"スパム行為"に感じるわ