国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、「オリンピズムとコロナ」と題した書簡の中で、「私たちが直面している困難と好機の可能性」についての包括的な議論を提示。コロナ後の新たなオリンピックの形を模索したさまざまな可能性の中には、eスポーツに関する提案も含まれていました。
バッハ会長の書簡
新型コロナウイルス感染症の影響により、日本でも2020年夏季に予定していた東京オリンピックが2021年に延期になるなど、将来のオリンピック大会、さらにはオリンピズム(オリンピックの根本哲学)そのものが痛手を被っています。
こうした中、IOCのバッハ会長は選手や関係者の健康を重んじた上でのこの歴史的決断に、「この決定を支えてくれたすべての人々に深く感謝を申し上げます」としたうえで、全世界のオリンピック関連団体が巻き込まれている今回のコロナ状況下では、「延期となったオリンピックの運営」という未知の大きな困難に直面していると述べています。
「eスポーツオリンピック」の可能性
東京オリンピックに限らず、将来のオリンピック・スポーツ全体にとって今後は「犠牲と妥協が不可欠」であり、「例外的な状況にあっては例外的な取り組みが求められる」としています。そしてバッハ会長が提案するコロナ後の世界におけるオリンピックの精神やオリンピック大会に向けたさまざまな取り組みの中には、電子的かつバーチャルな形のスポーツ、つまりEスポーツのことも触れられていました。
「ソーシャル・ディスタンスが、私たちとEスポーツとの関係にどのような意味を持つのかも考慮しなければなりません。オリンピックの精神における『超えてはならない一線』を尊重し、その原則は維持しつつも、『電子的かつバーチャルな形でのスポーツをいかにして統治するかを考え、またゲーム企業との機会を模索すること』が急務となっています(2019年12月7日の第8回オリンピックサミットでの宣言より)。関連する国際機関の中には既に遠隔(オンライン)競技を組織するなど、非常に創造的なところもあります。こうした動きを今後さらに強化し、共同で作業に取り組んでいるグループには今回の新たな困難と好機に対処するよう働きかけます」
実現は近い?
新型コロナウイルス感染症のまん延が去った後、人々の生活がどんな風になっているかは誰にも分からない現状です。しかしバッハ会長は東京のオリンピックハウスの壁に「Change or be changed(変わるか変えられるか)」という、現在の情勢とも響き合う言葉が記されていることにも触れながら、「コロナ後の世界にはスポーツが必要だ」と結んでいます。
一方eスポーツ界では
当のeスポーツ界では、多数のオフライン大会が中止になった一方で、今月の中旬にはeスポーツタイトルの巨塔である『カウンターストライク(CS:GO)』や『リーグオブレジェンド(LoL)』が、同接視聴者数で過去最高記録を更新。自宅で過ごしている人々に対する新しい娯楽としての地位を高めています。
またeスポーツ界全体はまだまだ流動性が高く、2020年第1四半期の最新ティアリストも前回から複数タイトルが入れ変わるなど、半年後の人気タイトル勢力図さえ予想がつきません。
The Most Impactful PC #Games of Q1 2020: #LeagueofLegends and #CSGO stay at the top and are joined by #Dota2 and #RainbowSix, reaching Tier 1 for the first time. pic.twitter.com/fmXPz7SLpy
— The Esports Observer (@esportsobserved) April 28, 2020
思いがけず世界規模の「eスポーツオリンピック」への糸口が見えた今回のニュースですが、地上波でeスポーツ競技がお茶の間で生中継となったら、皆さんはどんなタイトルの試合を見てみたいでしょうか。また「eスポーツオリンピック」の展望そのものについてのご意見やご感想も、ぜひコメント欄にお寄せください。
Source: IOC
TESTをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント
コメント一覧 (2件)
暴力的なものは認められないって前言ってただろ。これで日本のPCゲーマー増えてくれれば嬉しいけど無理だろ。
eオリンピックで国対抗で戦うのは見てみたい
けどシューター系多いのが見栄え的に難点だな