本日2022年8月5日、Blizzard Entertainmentはニュースページを更新。当該記事では、予告されていた第2回『Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )』PvPベータテストで収集されたデータの公開が行われました。
中でも特に詳細な記述が見られたのは、新ヒーローであるジャンカー・クイーンと新アビリティの追加テストが行われたモイラの2ヒーロー。本記事では、その内容から一部を抜粋し紹介していきます。
各ヒーローのPC、コンソール別勝率
詳細な分析を始める前に、PCとコンソールとのバランスの違いに触れましょう。「オーバーウォッチ」は他のクロスプラットフォーム対応タイトルと似た状況に置かれています。すなわち、本作を楽しむプレイヤーたちが、異なるプラットフォーム・異なる入力システムを利用する層に分かれているのです。
その結果、コントローラーを使用する層と、マウスとキーボードを使用する層で異なる戦略が生まれます。コンソールとPCで特定のヒーローの勝率に差はありましたが、両プラットフォームのベータを通して、全体的なヒーローのバランスには非常に満足しています。ヒーロー間の勝率のばらつきは、PCよりもコンソールのほうが小さい傾向が見られたほどです!
これからお見せする統計はいずれもPCとコンソールのデータを総合したものですが、その前に、データ好きの皆さんのためにPCとコンソールそれぞれの「非対称の勝率」をお見せします。
「非対称の勝率」とは、対象のヒーローが片方のチームでのみ使用された場合の勝率を指します。
上の表は、ジャンカー・クイーン(-0.40%)が-0.30%の間に入っていたり、一部ヒーロー(ロードホッグ、バスティオン、トールビョーン、トレーサー、マーシー)の差異において単純計算だと±0.10%の誤差が生じているなど少し違和感がありますが、単純な「コンソール - PC」の勝率差順ではなく特殊な計算方法が用いられている可能性も考えられるため、公開されたデータをそのまま記載しています。
各プラットフォームの勝率TOP 6は以下の通り。
- PC版
- 1位:ジャンカー・クイーン (56.10%)
- 2位:ファラ (56.00%)
- 3位:シンメトラ (55.40%)
- 4位:トールビョーン (55.20%)
- 5位:ブリギッテ (54.90%)
- 6位:メイ (54.80%)
- CS版
- 1位:シンメトラ (57.00%)
- 2位:トールビョーン (56.50%)
- 3位:ジャンカー・クイーン (55.70%)
- 4位:ブリギッテ (55.50%)
- 5位:メイ (54.80%)
- 6位:ルシオ (54.70%)
勝率上位ヒーローについては、現行『Overwatch』での勝率(同一ヒーロー対面あり)と比較しても大きな違いは見られません(もちろんジャンカー・クイーンは除く)。
過去に当時のメタとして紹介していたヒーロー達とは少し異なる顔ぶれとなっていますが、今回のデータは普段参考にしているライバルプレイ上位帯のものではなく、クイック・プレイ且つ、レート帯不問となっていますので、ハマれば強いヒーローや対策が必要なヒーローが多く並んでいます。
新ヒーロー「ジャンカー・クイーン」の使用率と勝率
この表は、各ロールにおける平衡使用率に対する相対的な各ヒーローの使用率を示しています。加重使用率については前回の統計ブログで詳しく触れましたが、簡単に説明すれば、ロールに属する全ヒーロー数に対して、あるヒーローが選ばれる比率です。「オーバーウォッチ」を席巻したジャンカー・クイーンの加重使用率はなんと7.5。つまり全タンクの平均よりも7倍以上も多く使用されていたのです。
ベータ開始時点でジャンカー・クイーンがいかに強力だったかを、非対称の勝率と前出の使用率の高さが示しています。ジャンカー・クイーンとソジョーンは2人ともとても高い使用率を誇りましたが、ジャンカー・クイーンはそれだけでなく勝率も50%を大きく上回り、他のどのヒーローよりも頭一つ抜けていました。このデータを見た時点で、少しパワー・レベルが高すぎるということを私たちは認識しました。
先の「PCおよびコンソールにおける非対称の勝率」や上記データを見るとジャンカー・クイーンは、使用率と非対称の勝率の両方で目立っています。使用率については、新ヒーローという事もあり高い数値は納得の結果ですが、高すぎる勝率についてはプレイヤーから多くの不満点が寄せられており、特に多かったものとして以下の2つが挙げられています。
- ジャンカー・クイーンの姿が他のヒーローと見分けがつきにくく、キャラクターモデルが(他のタンクと比べ)「細い」ため、攻撃が当てづらい。
- 「コマンディング・シャウト」が相手にしていてあまりにも強力すぎる。
ジャンカー・クイーンの被ダメージ率
タンクの戦績統計を確認すると、ジャンカー・クイーンの被ダメージ率はドゥームフィストに次ぐ第2位。しかし、ほかの数値に関しては全項目でドゥームフィストを上回っています。
ラインハルトやウィンストンと比べると、圧倒的に被ダメージ量が少ないですが、それ自体は各ヒーローの理想的なプレイスタイルが影響するため単純な比較は難しいものの、バリアアビリティ等のダメージをブロックする手段を持たないジャンカー・クイーンがこれだけ被ダメージを抑えられているのは、やはりフィードバックの通り、攻撃をヒットさせる難易度が他のタンクよりも高いためであると判断できます。
“コマンディング・シャウト”の受け性能
上記データは、特定のタンクヒーローがチームにいる場合、他のヒーローがどのくらいデスしやすいかをまとめたもの。左に位置するヒーローほど味方をデスから守る能力に長け、右に行くにつれその能力が乏しい(別の面での活躍を得意とする)ヒーローといえます。
味方を直接的に守る防御アビリティを持たないレッキング・ボールの抜けて高い数値に目が行きますが、注目すべきはジャンカー・クイーンの数値が“キネティック・グラスプ”と“エクスペリメンタル・バリア”の2種類の直接的な防御アビリティを有しているシグマに次ぐ第2位であるという点。
ジャンカー・クイーンが持つアビリティの内、味方を守るという点で直接的に作用するのは“コマンディング・シャウト”(一時的な体力&速度バフを付与)のみである事から、こちらもフィードバック通り“コマンディング・シャウト”が強力すぎるという見方ができます。
バランス調整による各データの推移
そんなジャンカー・クイーンが登場した第2回PvPベータテストでは、2週間後にモイラとマーシー、その数日後にはジャンカー・クイーンを含む6ヒーローに対しバランス調整が実施されました。後者のバランス調整の結果は、いずれも意図したとおりの効果が見られたと評されており、ゼニヤッタ、ジャンカー・クイーン、ソジョーンは下方修正によってそれぞれ勝率が2 - 3%低下。上方修正されたドゥームフィスト、シンメトラ、オリーサは反対に勝率が上昇しています。
しかし、モイラとマーシーに実施されたアビリティ調整については、どちらもイマイチな結果。マーシーは“スーパージャンプ”の機能変更によって勝率が微変動、モイラに関してはわずかながら勝率が低下してます。
調整がモイラに与えた影響
“ネクロティック・オーブ”によってアルティメットを封じる能力を得た反面、“バイオティック・オーブ”(ダメージ・オーブ)を失ったことで与ダメージとファイナル・ブロウは上記の結果に。ファイナル・ブロウは10分平均で5.8から4.3まで低下(低下率約25%)、与ダメージは10分平均で5950から4050まで低下(低下率約30%)しています。
この結果から、モイラの“バイオティック・オーブ”(ダメージ・オーブ)は、単にダメージを稼ぐアビリティであっただけでなく、キルを取る上でも大きな役割を果たしていたことがわかります。先日発表されたモイラの“ネクロティック・オーブ”追加と調整のリセットについては、このデータとフィードバックを合わせ考慮した結果とのこと。
第3回PvPベータの予定は無し
今回公開されたような統計データや分析は、ヒーローのバランス調整を行っていくうえで重要な要素であると同時に、プレイヤーにとっても非常に興味深い内容ですね。
3回目のベータテストについては、実施の予定がない(社内では今後も毎日テストを実施)と、こちらも8月5日に公式な発表がありました。つまり、次にプレイヤーが『Overwatch 2』に触れる機会は10月5日のリリース時という事になります。
『Overwatch 2』のリリース時点では、ソジョーンとジャンカー・クイーン、狐をモチーフとしたサポートヒーローが新ヒーローとして登場します。リリースまで残り2か月となりましたが、新旧ヒーロー共どのような性能で登場し、どのようなゲームバランスとなるのか楽しみですね。
- タイトル:Overwatch 2(オーバーウォッチ2 )
- 発売日:2022年10月5日
- 対象機種:PC / Xbox Series X|S, Xbox One / PS5, PS4 / Nintendo Switch
Source: Overwatch
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コメント
コメント一覧 (3件)
なんかこのバランス調整のやり方に凝視感がありすぎるというか、初代で新キャラ追加したときと何も変わらない。ここまで続編感のない続編も珍しい。Codですらもうちょっと続編感あるぞ?
シャウトの性能は本当にイカれてたと思う
残りわずかまで削ったDPSの体力が一瞬で増えて、その増えた分の体力を削ってる間に本来の体力を回復されるんだもの
敵タンクに盾で守られたなら『クソッ!いい連携されたな〜』と思えるけど、シャウトは理不尽すぎる
逆にシャウトさえ調整すれば、使っても使われてもちょうどいい感じの良キャラだと感じた
得手不得手がはっきりしてて、使い所がわかりやすいね
別に自分自身だけでも全然良いよね