EAA!!は先日都内某所にて、異質な発展を遂げた架空のソ連が舞台のアクションRPG『Atomic Heart(アトミックハート)』の先行プレイイベントに参加させていただきました。そこで体験できた、本作の魅力やゲームシステムを紹介します。
舞台は機械文明と化した異世界の「ソ連」
※PC版テストビルドでの体験に基づいており、リリース版やPS版とは異なる可能性があります。
※プレイ時間は3時間で、情報・認識不足が含まれる可能性があります。
『アトミックハート』の舞台は1955年のソビエト連邦。ただし歴史の教科書に載っているソ連ではなく、天空都市チェロメに象徴される、独自の科学技術を発展させた異なる世界のソ連です。
この国のテクノロジーの発展は目覚ましく、自律型ロボットが人々の生活や労働に取り入れられているだけでなく、今や人間とインターフェース機器を接続・装着することさえ可能になっています。
しかしながら家電や車などはまさにレトロなデザインで、我々がまだ体験できない科学技術とレトロ感の融合が異質さを際立たせています。
『アトミックハート』のストーリー:楽園が地獄に
主人公はソ連の特殊部隊兵P-3。過去の事故により記憶の一部を失っており、その身体はインプラントで強化されています。左手には、ソ連のテクノロジーが生んだ「しゃべるパワーグローブ」のチャールズを装着しており、P-3は自分のグローブと掛け合いをしながら任務を進めていきます。
この世界のソ連では現在、人口のすべてをニューラルネットワークに接続する「コレクティブ2.0」が実行されようとしているところです。しかし人々が単一のシステムにつながる記念すべきその日、突如としてロボットたちが暴走し、人々を襲い始めます。
暴走したロボットたちを退けながら、P-3とチャールズは、連絡の途絶えたソ連の最高機密施設「3826番施設」に向かいます。果たして彼らは事件の真相にたどり着くことができるでしょうか。
『アトミックハート』の戦闘システム
世界設定とアートワークが魅力の『アトミックハート』ですが、ゲームとしては敵との戦闘を中心にストーリーが進行します。
敵ロボットには多数の種類があり、格闘攻撃をしてくるロボットや、遠距離からレーザービームを放つロボット、空から爆発物を落として来るようなロボットもいます。これらの敵に対し、P-3も3つの武器スロットと2つのスキルスロット、そして汎用スキルのSHOK(ショック)を駆使して立ち向かいます。
武器とスキルを駆使して戦え
武器には、近接武器の「スウェード」や「AK」ライフル、さらにはハイテクな武器「レールガン」などさまざまな種類があります。素材を集めてクラフトし、各武器をアップグレードしていくことが可能です。
スキルはグローブのチャールズから放たれるもので、冷気で攻撃する「フロストバイト」や、念力で敵の動きを封じる「マステレキネシス」などから2種類をセットできます。スキルもツリー形式でアップグレードしていくことができます。
「SHOK」は固定スキルで、機械系の敵に有効なだけでなく、道中のギミックを電気で操作するのにも使います。
リソース管理が重要
ボス戦などの強制戦闘イベントを除けば、敵をスルーして先に進むこともできます。しかし敵を倒すと、武器のアップグレードやスキル強化に必要な素材や回復アイテムが手に入るため、すべて無視して通過するのは得策ではないでしょう。逃げているだけだと探索要素を見落とす可能性もあるため、やはりある程度の戦闘はこなしつつ、リソースを管理しながら進んでいくデザインのようです。
しかし、出てきたすべての敵と戦うのも推奨されていないようです。敵には警戒レベルが設定されており、各機体がニューラルネットワークでつながっています。道々を監視している保安カメラがP-3を捕捉すると、警戒レベルが上がり、他のロボットを招集します。
集団となった敵を相手にするのは実際のところかなり苦しく、あっという間に弾薬も回復アイテムも使い切る事態に陥ってしまいます。やはり最低限のアイテムは確保しつつ、敵の警戒レベルを上げないように効率良く立ち回ることが重要なようです。なお、設定でゲーム難易度の変更が可能となっているのは嬉しいポイント。
クリティカル攻撃を持っている敵もいる点には注意が必要です。最初に遭遇する人型ロボットの「ラボテック」さえ、華麗な跳び蹴りによるクリティカル攻撃を放ってきます。
P-3は回数制限付きのダッシュを使い、短距離を瞬時に移動できます。敵が赤い円のようなエフェクトを発した瞬間にダッシュで回避行動を取らなければ、大ダメージとともに蹴り飛ばされ、ダウンを取られてしまいます。
アトミックハートの良い点:緩急のついた戦闘と充実のアート体験
プレイしてみると、『アトミックハート』における戦闘は、想像していたよりも手に汗握るものでした。
トレーラーではロボットを破壊している場面が記憶に残ったので、ハクスラのような印象を抱いていましたが、前述した通り『アトミックハート』はストーリー主導型のアクションRPGです。目の前の敵をどんどん破壊しながら進んで行くというよりは、時には立ち止まって自分のプレイスタイルを見直しつつ、弾薬や回復薬、スキルなどを管理し、じっくり進めていゲーマーにおすすめです。
プレイして感じたのは、戦闘体験とアート体験のバランスの良さです。ロボットとの激しい戦いを強いられる時もありますが、一国全体が美術館のようになっているソ連の風景を、ゆっくり歩く余裕のある場面もあります。P-3とチャールズの会話は、この世界について説明しつつ、ゲームプレイのヒントも提供してくれるので退屈しません。
クラシックなSF映画とソビエト芸術が融合したようなアートワークは、風変わりな建造物が並ぶ街並みから、モニターに映るカートゥーンアニメまで、オリジナリティにあふれています。ストーリーの途中でちょっと寄り道して、さまざまなオブジェクトのデザインを鑑賞する遊び方もおすすめです。
音楽にもこだわっており、『Doom』(2016年版)や『Wolfenstein II: The New Colossus(ウルフェンシュタインII ザ・ニューコロッサス)』にも楽曲を提供したミック・ゴードン氏がゲームBGMを担当しています。
敵を倒す以外にも、道中にはさまざまな謎解きギミックが設置されています。先行プレイで確認した限りでは、どれも少し考えたり、周囲でヒントを見つけられれば解決できるものでしたが、ゲームを進めるうちにギミックの難易度も上がるのかもしれません。
アトミックハートの気になる点:アクションはおとなしめ
プレイしていて気になった点もあります。架空のソ連の世界は、他のゲームでは見られない「いい意味でやりすぎ」なアートワークに溢れている一方、戦闘システムにはこの「やりすぎ」感が薄く、武器やスキルの使用感、それらを敵に使ったときの破壊表現なども、従来のアクションRPGのイメージに素直におさまっている点が物足りなく感じました。
とはいえ、下記映像のようにボス戦でのド派手な演出や、手に汗握るイベントシーンも用意されています。
また、キャラクターの音声は英語(舞台はソビエトですが)ですが日本語音声はなし。敵との戦闘で忙しいときは、日本語字幕を読む余裕はないかもしれません。
まとめ:こんなゲーマーにおすすめ
『アトミックハート』は以下のような要素を求めるゲーマーにおすすめです。
- 他のゲームでは見たことのないような世界を冒険したい
- オープンワールドよりもストーリー主導型のゲームが好きだ
- 弾丸ばらまき系よりも、リソース管理をしながらの戦闘をする方が好きだ
- 自分の戦法や謎解きをじっくり考えながら、時間をかけて進めたい
- 今の時期には言いにくいが、どこかミステリアスなソ連の雰囲気が好きだ
『アトミックハート』発売日と購入先
- PC / Xbox 版発売日:2023年2月21日(火)予定(Steam / Microsoft Store)
- PS4 | 5 版日本国内発売日:2023年4月13日(木)予定(Amazon)
- パッケージ版は予約受付中
Atomic Heart PlayStation® 限定版の特典
2023年4月13日(木)に発売を予定しているPlayStation® 4 | 5版では、【通常版】に加え、豪華特典を同梱した【パッケージ・限定版】をご用意。本作の独特な世界観を深く知ることができるアートブックや、ここでしか手に入らないグッズなどが付いた、数量限定のコレクターズセットとなっています。
- PlayStation® 4 | 5 【パッケージ・限定版】
- ゲーム本体
- スチールブック
- アートブック
- プレミアムステッカー(3種類)
- 限定版ボックス
- DLC「レイバー&サイエンス武器スキンパック」
- DLC「プレミアム武器スキンパック」
- 今後配信予定の4つのDLCを含む「アトミックパス」
ゲームについての詳細、および各バージョンの特典、予約購入については、公式サイトや各小売店ストアページもあわせてご確認ください。
製品情報
- タイトル:Atomic Heart(アトミックハート)
- 発売元:Beep Japan、4Divinity
- 開発会社:Mundfish
- プラットフォーム:PlayStation 5 | PlayStation 4、Xbox One | Series、PC(Steam)
- ジャンル:アクションRPG
- プレイ人数:1人
- 音声対応:英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・中国語(簡体字)・ポーランド語・ポルトガル語 ・イタリア語
- 字幕対応:日本語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語・ポーランド語 ・ポルトガル語 ・イタリア語
- リリース日(PC、Xbox版):2023年2月21日予定
- リリース日(PlayStation版):2023年4月13日予定
- CERO:未定
- PlayStation パッケージ版価格(税込):通常版 ¥9,680 | 限定版 ¥18,480
- PlayStation DL版価格(税込):通常版 ¥9,680 | ゴールドエディション ¥13,970 | プレミアムエディション ¥15,290
- PC版価格(税込):通常版 ¥8,800 | ゴールドエディション ¥13,800 | プレミアムエディション
¥15,800
また『Atomic Heart』の最新情報やキャンペーンについては、Beep Japanの公式Twitterもご確認ください。
会社情報
Beep Japanについて
Beep Japan(略称:Beep)は、日本とアジア地域における、PC・コンソール向けゲームの販売やグッズ展開を専門とする日本の会社です。世界各国から集まったプロフェッショナルなスタッフで構成され、大型AAAタイトルからインディーゲームまで、幅広いジャンルのゲームに情熱を注いでいます。プレイヤーに意義と価値のある優れたゲーム体験を提供し、長期的なインパクトを与えることを目標としており、[B]eyond [E]ntertainment (エンターテインメントを超えて) [E]njoy [P]laying (ゲームを楽しむ)理念のもと運営されています。Beepは、4Divinity、Epicsoft Asia、GCLグループの公式パートナーであり、開発者とそのゲームの日本におけるブランド確立に尽力しています。また、セガ、ハピネット、Mundfish、Quantic Dream、Thunderful/Headup、Serenity Forge、Ysbryd Games、Neon Doctrineなど、数多くのゲーム開発会
社やパブリッシャー、販売代理店と長期にわたる多国間コラボレーションを実現しています。
4Divinityについて
4Divinityは、世界中のエキサイティングなゲームコンテンツをアジアにもたらし、アジアのコンテンツを世界市場に届けることに焦点を当てた、デジタル/パッケージのゲームパブリッシャーです。姉妹企業であるEpicsoft Asiaとともに、4Divinityは世界中のパブリッシャーや開発スタジ
オと提携し、全く新しいIPをアジアに導入しています。4DivinityはGCLの子会社です。
Mundfishについて
Mundfishはキプロスに本社を置くビデオゲーム開発スタジオです。2017年に設立されたMundfishは、才能あふれるグローバルなチームによって率いられています。スタジオ最初のタイトルとなる『Atomic Heart』では、魅惑的でユニークなゲーム体験を生み出すことに注力しています。
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