マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収の最後の壁となっていたイギリスの競争・市場庁(CMA)が買収を承認した。 これでマイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードが両者が合意すればいつでも買収手続きを完了できる状態になった。
英国CMAが買収を承認
2022年1月にマイクロソフト(Microsoft)がアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)の買収を発表してから約1年と10ヶ月、ついに総額687億ドル(約10兆円)というゲーム業界最大の買収劇が幕を閉じようとしている。
今年7月、マイクロソフトは買収に反対の立場を表明していたアメリカの規制当局である連邦取引委員会(FTC)との裁判で勝利し、買収をほぼ決定づけていた。 そんなマイクロソフトに立ちふさがっていたのがイギリスの競争・市場庁(CMA)だった。
CMAはマイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードを買収した場合、将来のクラウドゲーミング分野がマイクロソフトに独占され、健全な競争市場が形成されないことを懸念していた。
これに対し、マイクロソフトはユービーアイソフト(Ubisoft)と契約を締結。今後15年はアクティビジョン・ブリザードからリリースされるゲームタイトルを、ユービーアイソフトもクラウドで配信できる権利を譲渡したことで市場独占の意思がないことを表明した。
そして、9月22日にCMAが暫定的に買収を承認するという結論を表明していたが、本日10月13日に正式に買収を承認した。マイクロソフトは買収までの障害を無事にすべてクリアしたわけだ。
CMAからの発表をうけて、マイクロソフトの副会長兼プレジデントのBrad Smith氏は「英国競争市場庁(CMA)による徹底的な審査とその決定に感謝いたします。本日、この買収を完了するための最後の規制上のハードルを超えました。この買収は、世界中のプレイヤーとゲーム業界に利益をもたらすと確信しています。」とXでポストしている。
マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収完了までの経緯
- 2022年
- 2023年
- 1月:GoogleとNVIDIAが買収に懸念2月:MicrosoftがNVIDIAとの新たな契約3月:ソニーに対し、10年間のCoDライセンス契約を提案3月:MicrosoftがBoosteroidと10年間の契約3月:英CMAが暫定判断、「競争を著しく後退させない」3月:日本の公正取引委員会が買収を容認
- 4月:英CMAが買収を差し止めする結論
- 5月:欧州委員会が買収を承認
- 6月:Microsoftスミス氏が訪英。イギリス抜きで買収完了の可能性示唆
- 6月:FTCが連邦裁判所に買収の仮差し止め申請
- 7月:MicrosoftがFTCに勝訴
- 8月:MicrosoftがUbisoftと新たな契約
- 9月:英CMAが買収を暫定承認
- 10月:英CMAが買収を承認(本記事)
TESTをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント
コメント一覧 (2件)
MSの勝利だね
素晴らしい。
とっとと全ゲームのゲーパス入りを頼む。