最近、にわかにアプリストアのランキングを上げてきて、(一部界隈で)注目を浴びているゲームがある。それが『荒野行動(Knives Out)』だ。11月29日現在、App Storeでは任天堂が送る『どうぶつの森 ポケット』と、Akatsukiがリリースした『新テニスの王子様 RisingBeat』に次いで無料ゲームランキング3位、Google Playにおいては同じく『どうぶつの森 ポケット』に次いで2位につけている。
浮き沈みが激しいのはゲームアプリランキングの常だ。新規アプリがランキングに上り詰めては消えてゆくのを我々は幾度となく見届けている。通常であれば取り立てて騒ぐほどのことでもないだろう。
だがこの『荒野行動』、これまでのゲームアプリとは一味も二味も三味も違う。今や世界一有名なゲームといっても過言ではない『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS(PUBG / プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ)』をグレーゾーンをぶっちぎって限りなくヤバイラインまでリスペクトした作品なのだ。下のゲーム画面を見て頂ければ何もかもご理解いただけると思う。
全ての小賢しい言い訳を捨てて、謎のエネルギーで爆進する『荒野行動』。色々な意味でこれからが楽しみなこのゲームのミニプレイレポをお届けする。
ちなみに、トップ画像の下部に書かれている「米蒔くも罪ぞよ鶏が蹴合ふぞよ」は江戸時代を代表する俳諧師の1人、小林一茶の俳句で、「米をまいたら鶏が喧嘩しだした。罪なことをしてしまったなぁ」という意味だ。ゲームとの関連性は今ひとつ不明。
6400m×6400mの広大な無人島で繰り広げられる過酷なバトルロワイヤル
丁寧なチュートリアル
念のため、『荒野行動』の基本ルールを説明しよう。このゲームは、36キロ平方メートルを超える広大な無人島に降り立ち、100人の中の最後の生き残りを目指すTPSだ。装備や物資は全て現地調達。逃げるもよし、隠れるもよし、戦うもよし。全ての選択が1秒後の明暗を左右するバトルロワイヤルになっている。
ゲームをダウンロードして起動すると、チュートリアルが始まる。思っていたより丁寧な作りで、移動や攻撃、アイテムの取得や使用の方法など、ゲームプレイに必要な事を一通り学べる。
ゲーム内言語が中国語と英語と日本語の間でめまぐるしく変わるので、はっきりとしたことは言えないが、どうやらプレイヤーは軍人であり、このバトルロワイヤルは一種の演習という設定のようだ。
練度向上の目的をしっかりと果たすため、一定時間が経過すると毒ガスを模した気体が行動範囲を狭めていく。毒ガスに触れると規定違反とみなされ、演習評価値が下がるという。
この演習評価値がいわゆるHPに相当するステータスだ。敵から撃たれたり、高所から落下したりしても減っていくので、これをいかに高く保ちつつ敵を倒しいくかが問われるようだ。
いざ実戦
チュートリアルを終えたあとは早速バトルに参加した。マッチングを開始してから1分程度で99人のプレイヤーが集まり、そのまま貨物機に載せられた。ほどなくして中国語の歌が聞こえてくる。何を言っているかは全くわからないが、どことなく軍歌調子の陽気な曲だ。
この歌、最初はてっきり粋な演出なのかと思ったが、どうやらいつの間にかチーム戦にエントリーしていたらしく、自動的に分けられたチームメンバーのうちの1人が本当に歌っていたのだ。だが、それに気づいた時には既に時遅し。着地を待たずしてチームは分断されることになった。
慌ててマップを開き、味方の位置を確認したが、4人とも綺麗に分散して着地している。何はともあれ合流しようと車を探していると、あっという間に1人が高所から落下して瀕死。続けざまに1人が射殺され死亡。そして私もハンドガンしか拾えないまま後を追った。
こうして私の初『荒野行動』はあっけなく幕を閉じた。モバイルFPSにはそこそこ自信があったのだが、今思うと多分私以外も『荒野行動』初心者だったのだろう。
その後、10試合程度チームモードをプレイしてみたが、いずれも上手くいかなかった。やはりプレイヤー一人一人の信条により大きく行動が変わってくるバトルロワイヤル形式のゲームで、ランダムマッチングはなかなかうまく機能しないのかもしれない。
とりあえず次は気分転換にシングルモードをプレイしてみよう。
荒野孤狼をプレイ
気を取り直して次はシングルモードに挑戦。ギリギリまで粘って僻地に降下してから物資を探索する。独り身の身軽さを活かして、なるだけ戦わずに上位を目指していく作戦だ。
物資については大して期待していなかったが、アサルトライフルとスコープを早々に手に入れられた。実際に使えるかはとまだ分からないが、弾も豊富で、丸腰よりは圧倒的安心感がある。ショットガンも拾えて万全の体制だ。
視点移動を行う操作エリアに発射ボタンがあるため、思わぬタイミングでトリガーを引いて何度か銃を暴発させてしまうのが、これは設定で多少は改善できそうだ。目標の車を探しに出かける。
すると、思っていたより早く車を発見。水漏れ修理業者のバンなのだろうか。クラクションの代わりに宣伝らしき音声がスピーカーから流れる謎のこだわりがナイス。さらに車体には所狭しと赤いフォントで広告が貼り付けてあって果てしなく目立ってしまうが、背に腹は代えられない。
操作はデフォルト設定だと、前進後退と左右旋回のボタンが別々に用意されているラジコン形式だ。道中落ちているアイテムの中にガソリンがあったので、給油もできるようだ。
だが、給油の心配をする必要はなかった。しばらく走らせたところで車が横転したからだ。このあたりの設定は結構シビアで、斜面を横切るように走ると簡単にひっくり返ってしまう。
仕方なく下車し、そのまま最寄りの畑へ向かう。道中、見えない壁に引っかかって全く動けなくなるアクシデントがあったものの、特に交戦することなく辿り着けた。
その後はひたすらガスとの追いかけっこだ。エリア制限の速度と範囲が中々にきついのだが、かといって30人も残っていない状況で走るのも怖い。図らずも、麦畑の中をただただ匍匐し続けて次の安全地域を目指す芋虫と化してしまった。
その後、当然の帰結として、ガスに巻き込まれてひっそりと死亡。結局誰とも戦わないまま4位にこぎつけた。
この後にも何戦かこなしたが、一番戦績が安定するのは誰とも会わない僻地でモゾモゾしている作戦だった。強力な武器が割りと簡単に拾えるので、激戦地に入るとあっという間に漁夫の利を狙うプレイヤーの餌になってしまう。これからプレイする予定の方には参考にしてもらいたい。
一定の評価は可能だが、粗の多さと操作性の問題が伴う
結論として、思ったより悪くないという感想が第一に出て来る。バグやフリーズだらけでゲームの体を成していない可能性も考えていたが、それは間違いだったようだ。一旦『PUBG』の存在を忘れてから評価してしまえば、スマホでこれだけの人数が戦えるという驚くべき特徴と、バトルロワイヤル特有の自由度の高さがしっかりと評価対象に入る。
もし仮に『PUBG』より前にリリースしていればチャレンジ精神あふれる意欲作と称されていただろう。しかし、現実に『PUBG』の後塵を拝しているわけで、そうなるとどうしても第一人者との比較は避けられない。
具体的に挙げるとすれば、荒いグラフィックのせいで遠目からも敵を視認できてしまうため、草むらや茂みに隠れるという戦略はあまり有効ではない。操作性も一昔前のモバイルシューティングをそのまま持ってきてしまったようなものになっているせいで、自分の思い通りにキャラを動かすのにも一苦労だ。時々挙動が不安定になるのもゲームへの信頼性を損なう。
逆に言うと、これから『荒野行動』に求められるのはそのあたりの改善と、オリジナリティをどれほど出していけるかになってくるはずだ。チームやデュオモードでの自動マッチングは『PUBG』には無い要素だし、手軽さでは他のゲーム機を遥かに上回るスマホで展開していくのもアドバンテージの一つだろう。
と、ここまで書いたところでまさかの本家『PUBG』のスマホ展開が正式に発表された。まだリリース日等は明らかにされていないが、『荒野行動』にとってとびきり大きな脅威であることには違いない。黒船襲来を前にどれだけアップデートを行って対抗していけるのか。『荒野行動』のこれからに期待...していいのだろうか。
ダウンロード:
関連記事:PUBG: スマートフォン版『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』正式発表
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コメント
コメント一覧 (9件)
PUBGがバトルロワイヤルパクって荒野行動がPUBGパクったんじゃないの?
PUBGが荒野行動をパクったんじゃないの?
PUBGはH1Z1をパクリ
中国がPUBGをパクって荒野行動を作り出した
日本の金のないガキはPUBGやH1Z1が荒野行動のパクリだと勘違いしてるようだ
そろそろ「見せしめ」という行為が流行っても悪くないんじゃないか?
pubgとh1z1は同じ開発者なんじゃないですか
皆さんやっぱり荒野行動に目がいってるみたいですが、Rules of Survivalが1番クオリティ高いですよ。
操作性が、、とか、色々言ってますけど設定で変更出来ます。
最近からHUDの変更も出来るようになったのでこれからはRules of Survivalですね。
最近の中国って技術力めちゃ上がってるし昔みたいなパクリはもうないだろって思ってたらまだあったのね....おっp、おっぱげた!
ただの低パクリゲーかと思いきや独特のセンスを感じる
特に車のセンスが個人的にはたまらなく好きだ
一応ちゃんとチュートリアルとゲームの背景があるのは優れた点か…
中国はこういうことに関してだけは仕事が早いな...
でも俳句のチョイスはなかなか良い 選ぶセンスもいかにも中国らしい