パソコンはもはや現代社会とはすでになくてはならない存在です。ウェブブラウジングに始まり、昨今人気なストリーミングサービス、仕事はもちろん、勉強にも使えます。スマートフォンで代替できるものも増えてきましたが、より高品質なサービスや高い作業効率を求めるならばパソコンは不可欠です。
Windows 7のサポートも1月14日に終了を迎え、新しい一年に備えてパソコンを買い替えたい方も多いのではないのでしょうか。そしてどうせパソコンを買い換えるなら、ついでにさまざまなゲームを楽しめる一台を買いたくなるのも我々ゲーマーの常です。
でもいざゲーミングパソコンを買うとなると、選ぶのは一苦労。やれIntelだ、Radeonだ、グラボはGTX・RTX・AMDとよくわからない英文字が並んでいるし、何よりいわゆる「ゲーミングパソコン」の価格は10万円や20万円と簡単には手が出せません。
本日紹介するのは、老舗国産BTOメーカー「Storm(ストーム)」の最新モデルPG-JN。長いので結論から書きます。3日間にわたってがっつりテストプレイさせてもらったところ、コストと性能のバランスが良好なパーツのみで組み立てられた一品で、税込み82,800円というリーズナブルな価格ながらさまざまな大人気ゲームを充分に楽しめました。
高い信頼度と安価の両立を目指す老舗ブランド「Storm」
個人向けの販売数はまだ大々的ではないので「Storm?聞いたことない」という方も多いかもしれません。Stormは1998年の創業以来、マイクロソフトやスクウェア・エニックスなどの大企業を始め、東大、慶大、京大などトップクラスの学校法人にもパソコンを納入しており、大きな実績を多数持っているBTOブランドです。
その一番の長所が高い信頼性です。BTOパソコンはコストを抑えるためにパーツのブランドにこだわらないこともあります。一応それでもパソコンは動作するものの、運が悪ければ返品や再発送などのトラブルが発生しやすく、世代交代が必要ないのにパソコンの寿命が尽きるという問題にもつながります。
故障すると修理に出すのも手間がかかるうえ、一週間は作業できないなどかなり辛いことになります。筆者も某有名ブランドには何度も苦労させられましたが、同じような経験をした方も多いのではないでしょうか。
Stormは必ず人気のあるメジャーなブランドのパーツでパソコンを組み立てているため、高品質なBTOパソコンを格安で購入できます。パっと見では気づけない性能ですが、長く使ってくると差が出てくる、老舗らしい職人魂を感じるのがStormパソコンの特徴です。
低コストながらもパワフルなスペック
エントリーモデルで、「手軽にPCゲームを始めたい方向けのパソコン」と説明されているPG-JNの基礎スペックは以下です:
- CPU:Intel Core i3-9100F
- グラフィックカード:GeForce GTX 1650 4GB
- メモリ:Crucial 8GB DDR4-2666
- SSD:NVMe 250GB
- HDD:1TB
- 電源:750W 80Plus GOLD
- マザーボード:MSI B365M PRO-VDH
- 製品リンク:BTOパソコン通販専門店のストーム(STORM) / PG-JN
CPUは最新の第9世代の中でもローエンド向けとなっているi3-9100F、グラフィックカードも現行のローエンドモデルであるGTX 1650となっています。「そんな廉価パーツで大丈夫なのか」と思う方も多いででしょうが心配ご無用! IT技術の発展のおかげで、近年のパソコンはローエンドモデルでも高いパフォーマンスを発揮できるんです。
がっちりテストした結果、PG-JNはさまざまなFPSゲームを最高画質 & 平均60フレームレートという快適さでゲームを楽しむことができました。詳細は長いので後文にて記載します。
CPUとグラフィックカードの次はメモリ。こちらは信頼性が最も高いとされているCrucialブランドの8GBメモリを使用。8GBはゲームを遊ぶだけなら問題はありませんが、複数のソフトを同時に起動したり、ゲームを放送・録画・動画編集するなどといった場合は少し不安が残ります。プラス5,200円という良心価格で16GBにアップグレードできるので、特に動画制作やストリームの視聴などを予定している方は追加を検討したほうが良いでしょう。
次にNVMe形式のSSDが250GB用意されているのに、HDDも1TBの容量がついてくるのはかゆいところに手が届くうれしい仕様です。SSDは比較的高価な代わりに読み込み速度がHDDの何倍もある記録媒体で、中でも新技術のNVMe SSDは主流のSATA SSDの6倍の転送速度があり、HDDと比べると約14倍も速いとされています。
最近の大作ゲームはロード時間のかかるものが多く、一部のタイトルでは「ロードが終わる前に他の人は試合が始まっている」なんてこともあります。SSDの有無が勝敗を分ける直接的な要因になりうるので、一部のゲーマーにとって「SSDは人権」と言われるほど重視されているのが現状。下手に高価なパーツを積むよりもSSDを積んだほうが快適にゲームを遊べることもあります。
250GBというのは物足りなく感じますが、こちらもプラス1,500円という格安価格で2倍の500GBにアップグレードが可能。コスパがとんでもなく高いので、絶対にアップグレードしたほうが良いでしょう。ちなみにHDDは東芝、SSDはSamsungと、こちらも信頼度が高い大手パーツを使用していました。
そして一番目立たないわりに、一番重要なのが電源。パソコンを自作するコアユーザーならほぼ必ず「電源は絶対に妥協するな」と口を揃えるほど。その理由は電源の質がパソコンの故障に最も影響するからです。
電源はパソコンの心臓部に位置するだけに、最も故障しやすいパーツですし、しかも故障した場合は高圧電流を発生させパソコンのパーツ全てを道連れで破壊していくこと。数千円をケチっただけで数万円の損害に繋がりかねないのがパソコン電源というパーツです。数年前にBTOパソコンの評判が落ち込んだのも、当時の大手メーカーが出荷していたパソコンの電源の質が悪かったからという背景があります。
ここでPG-JNの選択はなんと750WのGoldと、パソコンの電源消費量の2倍以上を想定した大容量の高品質電源になっています。一見すると無駄に見えますが、この「消費電力の2倍」というのは熟練の組み立て職人の誰もが認める選択。電源の稼働効率が高まって電気代が安くなりますし、動作温度も抑えられるため、高い静音性能に繋がり、寿命も必然的に長くなります。
静音性能といえばリストには明記されていませんが、テスト用に受け取った型にはRAIJINTEKのJUNO PRO RBWというRGBクーラーが使用されていました。性能面ではゲームのテスト中は少しも騒音を感じませんでしたし、どんなゲームを最高画質で遊んでも、CPUやグラフィックカードの温度は常に70℃強以下をキープしていました。80℃までなら平常運転とされるゲーミングPCにとって、これはかなり良い冷却性能だと言えます。
また、PG-JNの価格にはUSBキーボードとUSB光学式マウスも含まれているので、周辺機器を揃えていない方にとっても安心となっています。
PG-JNで実際にプレイしてみた
性能が良いと言われても、巷によくあるベンチマークの数字を並べられてもよくわからないと感じる方も多いと思われます。なので今回の記事では、メジャーなFPSタイトルのいくつかをPG-JNで実際にテストプレイ。具体的なパフォーマンスを記録しました。
ですが性能の紹介に入る前に、基礎用語である「Frames Per Second(フレームレート)」の説明をさせていただきます。
「フレームレート(fps)」とは?ざっくり解説
Frames Per Second、略してfpsとは、砕いて説明すると1秒ごとにパソコンから出力される画像の数です。この数値が大きいほどより滑らかな動画となり、小さいほど「コマ送り」になってしまいます。たとえば5fpsなら、0.2秒ごとに画面が切り替わるパラパラ漫画のようになるわけです。ゲームをプレイするにおいて、このフレームレートの大きさが快適度合いの指標です。
またモニター性能で良く言われる「リフレッシュレート」は、モニターが1秒で表示できる画像の数です。フレームレートがパソコン側の性能なのに対し、リフレッシュレートはモニター側の性能だという違いが重要です。例えば60Hzのモニターは1秒間に60回画面を更新できるので、60フレームレートの動画を表示できます。リフレッシュレートを超えるフレームレートを確保してもモニターが対応できないので、映像の滑らかさは変わりません。
現在では「60fps」が一般的に滑らかな映像とされており、主流の60Hzテレビモニターやパソコンモニターが対応している性能で、家庭用ゲーム機もこれに倣い60fpsが上限となっています。ですがフレームレートが高ければ高いほど画面の更新速度が早く、コンマ0数秒の差で有利になるとされるため、技術が発達してきた最近において、60fpsを超えるフレームレートは競技性の高いパソコンゲームでは重視されています。
そして競技のためだけではなく、より滑らかなグラフィックを楽しみたいという享楽の面からしても、高フレームレートはゲーマー間で1つの憧れとなっています。ここ数年発売されてきた比較的高価な144Hzモニターや240Hzモニターも需要が主にゲーマーに集まっていたため、「ゲーミングモニター」との名を冠せられていますね。
PG-JNはさまざまなタイトルを最高画質で楽しめる!
我々EAAはFPSゲーマー集団で、読者の方も当然FPS/TPSファンが99%。そのため実際に各FPSゲームでテストプレイを行ってみました。
長いので結果を先に書いてしまうと、『BFV』や『CoD:MW』というグラフィック要求が重い新作FPSタイトルですら快適なプレイングが可能でした。『R6S』、『CS:GO』や『Overwatch』などといった競技向けタイトルでは、競技の需要に答えた144fpsという高い出力も出せることがわかりました。
経済的にそれほど余裕がない学生の味方と言える無料ゲームを挙げると、『Fortnite』、『APEX』、『Destiny 2』、『World of Tanks』は全て最高画質で滑らかに楽しむことができ、素晴らしい性能を発揮しました。
詳しいレポートは文末に別記してあります。この記事の冒頭にある目次から直接飛べるので、気になったタイトルがあればぜひご一読ください。
「安くて高機能なゲーミングPC」PG-JN 総評
PG-JNはエントリー向けなローエンドのCPUとグラフィックカードで組み立てられたパソコンです。性能よりも価格を抑えることに重点を置いた一品ですが、それでもさまざまなゲームを高品質、高快適度で楽しむことが可能となっています。現行のゲーミングパソコンで、これよりも低価格で高性能なパソコンが出る事はほとんどないでしょう。
その上で部品は全て信頼度が高い大手メーカーの物を使っており、組み立ても練度が高い熟練の職人が行っているため、動作不良や初期不良によるトラブルともほぼ無縁。性能だけでなく、あらゆる面を総合的に評価した上で、コストパフォーマンスが高いと言える一台です。
使い勝手を上げるためにRAMを16GBに拡張し、SSDも500GBに引き上げても税込みで87,860円。あとはフルHD対応で60Hzの一般向けモニターを1万円前後で購入すれば、10万円未満で数年は買い換えなくて済む、信頼度の高いパソコン環境が完成します。
生活や仕事・学業でパソコンが必要になったんだけど、ついでになるべくお金を節約しつつゲームを快適に遊びたいとなった方には、最もおすすめしたいモデルです。次は実際にテストプレイしてみた結果です。
- BTOパソコン通販専門店のストーム(STORM) / PG-JN
PG-JN を12のゲームで試してみた!
Tom Clancy's Rainbow Six Siege
まず最初にご紹介するのは競技プレイヤーを魅了してやまない『レインボーシックス シージ(R6S)』。ゲーム内のベンチマーク機能を用いて、1920×1080解像度(1080p、フルHDとも言う)を使いそれぞれ最低画質と最高画質での性能を比べてみました。
低画質設定での平均fpsは200で、1% Lowは99.5、0.1% Lowは56.5となっています。この1% Lowというのは計測中に全体の1%の割合でみられる低いfpsで、0.1%は0.1%の割合。主に爆発の瞬間や画面内に大量の物体が映り込む瞬間など、高い負荷が瞬時に発生するタイミングでの画面のカクつき具合を示しています。
200は言わずもがな、240Hzの超高級モニターでやっと真価を発揮できるほどの高い数値ですし、1% Lowもどんなに負荷が掛かっても滑らかなままでいる99.5という数値が出ています。これらは最低画質での性能ですが、一方最高画質の方を見てみると平均fpsは115、1% Lowは66、0.1% Lowは20とこちらも良好なスコアが。
参考までに、家庭用ゲーム機のFPS作品はProやXといった上位版の場合、ほとんどがパソコン版の中程度の設定にあたるグラフィックで、フレームレートは60が上限となっており、PS4やXbox Oneの場合は上限が30になっていることも。『R6S』のPS4 Pro版グラフィックも例に漏れず、パソコン版の「高」設定相当だとされています(『R6S』は低・中・高・超高・最高の5段階設定)。
一般的な60Hzモニターで遊ぶだけなら、エントリーモデルであるPG-JNは最高の環境を提供できています。少し奮発して144Hzのゲーミングモニターを使うとしても、中~高設定までは余すところなく性能を発揮できるでしょう。
Battlefield V
お次に紹介するのは大人数戦闘で定番のバトルフィールドシリーズ最新作『Battlefield V』。本作は開発が「最先端のグラフィックを追求し業界をリードする」と意気込んでおり、64人が入り乱れるハイペースな戦闘、遠景までつぶさに読み込まれる広大な戦場、細部まで作り込まれた破壊表現の巻き起こす破片や光陰エフェクトなどのせいで、現行のAAAタイトルの中では最もスペックが要求される作品の1つとなっています。
『R6S』はグラフィック表現よりも競技性に重きを置いているため、スペックに対する要求が比較的低めでしたが、『BFV』はそれとは真逆のところに位置する作品。一部からは低スペックパソコンを容赦なく切り落とす登竜門的な役割を持たされている節もありますが、はたしてPG-JNの成績はどうなるのでしょうか。計測には負荷が大きいとされている太平洋マップで64人コンクエストを数試合ずつプレイしてきました。
結果は問題なく快適にプレイできる成績が!最高画質にするとさすがに30fps強に落ち込みますが、一応プレイはできる範疇内ですし、何より低画質にすると平均で60fps強の性能を発揮、1% Lowも23にしか落ち込まず、とても滑らかなゲーミング体験を提供しています。
グラフで触れているDX12やDX11というのは、簡単に言うならばグラフィックを構築するためにパソコンが使うツールで、ゲーム内の画質設定で簡単に切り替えが可能です。DX12が新しい方で、よりCPUの性能を引き出すことが可能とされているのですが、構造が複雑な上に、Windows 7はほとんど未対応でほぼWindows 10オンリーだったため、ゲーム開発から冷遇されてあまり使われていないのが現状。
またDX12に対応していたとしても開発の作り込みが甘いため、性能が上がるとは限らないケースが多いです。『BFV』は数少ないDX12が比較的マトモに動作するゲームですが、低画質ならDX12が、最高画質ならDX11が優秀というあべこべな結果になっていますね。
また、負荷が少ないとの評判が高い「GeForce Experience」というツールで放送を行いながらのテストも行いました。ストリーミングは負荷が高いので、『BFV』というハイスペックなゲームをしながらだと無理があるのではと思われましたが、平均fpsは46とまぁまぁ良好なスコアを記録。身内にプレイングを共有したり、自動録画機能である「NVIDIA ShadowPlay」を使ってのクリップ録画も楽勝です。
Call of Duty: Modern Warfare
『BF』とくれば外せないのはライバル『Call of Duty』。その最新作である『Call of Duty: Modern Warfare』はDX12のみ対応と、より直接的な形で古い型のパソコンユーザーを一気に切り捨てる動きを見せています(DX12の詳細については『BFV』の項をご参照ください)。
さらに細緻な銃器やキャラクターモデル、派手な銃弾や爆発のエフェクトでひたすらリアリティを追求した『CoD: MW』は、グラフィックの質においては『BFV』とトップを並走しているタイトル。こちらも低スペックパソコンの登竜門とも言えますが、PG-JNはこの第2関門を超えられるのか。計測ではグラフィックへの負荷が高くなる32対32の大規模戦闘、グラウンドウォーでテストプレイを行いました。
結果は低画質と最高画質で大きく分かれることに。最高画質は18.2fpsでプレイが不可能と感じるレベルまで落ちてしまいましたが、低画質は平均84.6fps、1% Lowの高負荷な瞬間でも49.2fpsと余裕がある成績に。
最高画質でのプレイは諦めなくてはならないでしょうが、中程度の設定ならば60fpsは維持できます。業界のほぼ最先端なグラフィックでを誇るゲームでもお手軽価格で快適にプレイ可能なのは、PG-JNの強みだと言えるでしょう。
それではFPSゲームの2大関門を無事クリアしたところで、以下は他の人気FPSタイトルをアルファベット順でお届けしていきます。
Apex Legends
次にご紹介するのはEA傘下Respawn Entertainmentが送る、大人気バトルロワイヤルゲームの『Apex Legends』。こだわりのシステムやUIの作り込み、奥深いキャラの数々とバトロワ特有のランダム性がただでさえ高い中毒性を生み出しているのに、基本プレイは完全無料!パソコンを持つことになるなら必ず入れておきたい作品ではあります。
ただしバトロワゲームの醍醐味は最後まで生き残って勝ち抜くこと。プレイはできてもマシンの性能でライバルに遅れを取るのは面白くありません。PG-JNの性能はチャンピオンを万全にバックアップできるのか、試してみましょう。
最高画質に切り替えた瞬間、メインメニューではカクついたので不安を覚えましたが、なぜかプレイを開始したら映像が一気に好転。平均60.9fpsというとても滑らかな数値を記録しました。一般的な60Hzモニターの性能をフルで発揮した上で、一番美しい画質も楽しめるのはうれしいですね!1% Lowは25.2fpsとこれも良好。
ちょっと奮発して高めの144Hzモニターに乗り換えても、低画質なら115.3fpsと悪くない数値を発揮。無料の大人気ゲームを良好なクオリティで楽しめるPG-JNは、コスパ的には最強とも言えるでしょう。
Borderlands 3
グラフィックの比較で外せないタイトルと言えば、カートゥーン調のビジュアルが特徴的なハクスラFPS『Borderlands 3』。リアリティを追求した3Dモデルを用いるタイトルと比べるとそこまで負荷が高そうには思えませんが、こうみえて上で述べた『Apex』よりも推奨スペックは重め。さすが2019年発売の新作ですね。
こちらも『R6S』と同じく、ゲーム内の設定メニューにあるベンチマーク機能を利用して、DX11環境で計測を行いました。なお『Borderlands 3』では最高設定が「バッドアス」、最低設定が「とても低い」という呼称になっています。
最高画質である「バッドアス」では平均fpsが28.4と、あまり快適とは呼べずともプレイは可能な数値、一方「とても低い」は平均fpsが80.3ですが、1% Lowが18.4と高負荷時の性能が気になる形。
そこで使ってみたのが、グラフィック用パーツを生産しているNvidiaによる無料ソフトのGeForce Experience。パソコンのアップデートに欠かせないのでどちらにしろインストールすることですが、そのほかにも自動でパソコン内のゲームをスキャンし、パソコンの性能によって細かい設定まで推奨してくれる便利な機能も入っているんです。上で述べたNvidia Shadowplayによる自動録画や放送機能もこのツールによるもので、パソコンユーザーのゲーミングライフに欠かせないです。
GeForce ExperienceによるとPG-JNで『Borderlands 3』を遊ぶための最適設定は中~低項目をいくつか織り交ぜたもの。さっそく自動設定に任せてみたら、平均fpsは64.4に。ちょうど60Hzモニターの性能をフル活用できる画質になっただけでなく、1% Lowは24.7、0.1% Lowは15.9と、高負荷時の画面の滑らかさも最低設定より向上しました。
結論として、『Borderlands 3』はさすがに最新作だけあってスペックの要求は若干きつめですが、それでも中程度の画質でとても快適にプレイすることが可能です。純粋な協力ゲームという事もあって競技目的での高フレームレートは必要ないので、映像の滑らかさに頓着しないプレイヤーならばより高画質でのプレイも可能でしょう。
なお、『Borderlands 3』でもDX12機能は実装されていますが、設定をオンにすると起動だけで10分もの長いロード時間が発生するようになり、マップのロード時間も大体2~3倍に。その上でフレームレートに向上は見られないと踏んだり蹴ったりの状態でした。PG-JNで『Borderlands 3』をプレイする場合は、DX11のままにしておいたほうが良さそうです。
Counter Strike: Global Offensive
あらゆるリアル系対戦FPSの祖で、今でも世界的にもっとも大きな競技基盤をもつFPSゲームはValveの『Counter Strike: Global Offensive』。シンプルながらもプレイスキルがパフォーマンスに直結するガンプレイや、奥が深い経済要素などはもちろんですが、専用のグラフィックパーツを積んでいない超ロースペックなパソコンでもまあまあ遊べるという敷居の低さが膨大な人口の秘訣でしょう。
『R6S』は競技性を重視しているためにある程度グラフィックを犠牲にしていると上で述べましたが、その元祖が『CS:GO』だと言えます。その敷居の低さは、2019年にSteamがサポートを打ち切るまではWindows XPという2001年のシステムですら遊べていたほど。最新機種であるPG-JNにとっては遊べて当たり前のはずですが、念のために数試合か遊んでみましょう。
当然のごとく、最高画質でも平均197.2fps、1% Lowですら94.6fpsという結果になりました。
最初からパソコンゲームとして発足した『CS:GO』は、家庭用ゲーム機をきっかけにFPSゲームが普及しはじめた日本では知名度が低め。画質もぶっちゃけて言えばしょぼく、システムもシンプルで単調な安っぽいだけの三流ゲームに見えますが、遊び込んでみると奥深い戦略や、高いスキルキャップが見えてくるはずです。
年季の入った作品ながらも、いまだに多数のFPSプレイヤーからは競技系FPSの頂点だと認められている『CS:GO』。数年前に無料化して、今ではパソコンさえあれば遊ぶことができます。PG-JNを入手した暁にはその性能をいかし、本格的な競技の世界に最も万全な状態でデビューしてみませんか?
Destiny 2
無料化した良作ゲームといえば、BungieのハクスラMMOFPS『Destiny 2』も挙げられます。グラフィック、音楽、ストーリーとゲームプレイどれもが素晴らしく、いまだに伝説的な評価を誇る名作『Halo』シリーズ。その生みの親が送る新たな冒険も、良い意味でBungieらしい作品となっています。
パソコンさえあれば無料でプレイできる、高品質なゲームの1つなので、こちらも快適にプレイできるかは気になるところです。『Destiny 2』はソフトウェアの都合上、フレームレート計測ソフトに対応していなかったので、ゲーム内のレート表示機能を使い大体のパフォーマンスを記録しました。評価環境は3人でCO-OPを行うストライクミッションです。
前述の通り、仕様上『Destiny 2』の詳細な分析はできなかったのですが、目安の話をするなら「最高画質」でも60以上でfpsが安定する印象でした。負荷が重いときは50に落ち込むこともありますが、全体的にはとても快適にプレイできると言った形です。
面白いのは、画質を最低まで下げても大体80fps前後と、そこまでパフォーマンスが上がらなかったという点です。『Destiny 2』は低画質設定でも最高設定と差があまりない、美しいゲームだと言えますね。
Fortnite
基本無料のバトロワゲームとして『Apex Legends』と人気を二分するのはEpic Gamesの『Fortnite』。緩くわかりやすいガンプレイと独特の建築システムはクリエイティブなプレイヤーに大人気。つい最近チャプター2が始まり、いよいよ盛り上がりを見せているところです。
『Borderlands 3』のようにカートゥーン調を重視したグラフィックを用い、公式の推奨スペックは低めというのもあって、『CS:GO』のようにどんなパソコンでも動かせそうな印象もありますが、広大な戦場で遠景を読み込んだり、色彩鮮やかなエフェクトを読み込むのはそれなりに負荷がかかるはず。数回の試合を通してテストを行いました。
結果は最高画質である「エピック設定」で平均60.2fps。最終サークルで敵を探すために視界を高速で動かすなどの高負荷状態でも、1% Lowは32.6。『Fortnite』のグラフィックは想定していたよりも高かったのに驚きですが、それでも60Hzモニターの性能をフル活用できる最高のパフォーマンスを見せてくれました。
基本無料ゲームということもあり、こちらもインストールしておいて損はしない作品です。独特な建築バトロワの世界を最高画質で楽しんでみませんか?
Overwatch
『オーバーウォッチ』は個性ある豊かなキャラクターたちが織りなす、チーム対戦FPSの大人気作。つい最近続編『オーバーウォッチ2』が発表されましたが、こちらの方もまだまだ現役ですし、性能チェックに外すわけには行きません。
Blizzardと言えば昔からゲーマーと最も距離が近い開発だと言われてきましたが、低スペックPCでもプレイ可能となっている『オーバーウォッチ』の細かい作り込みと配慮からも開発の思いやりがにじみ出ています。ですが妥協せずに高画質を選択した場合は、どのような結果になるのでしょうか。テストはカジュアルマッチで行いました。
上下の差が大きくなるという面白い結果が出てきました。低設定を使用すると平均fpsが141.3、1% Lowは69.9と、ゲーミング用の144Hzモニターの使用を考えてもいい素晴らしい数値に。低スペックPCでもプレイできるように心掛けているのはさすがといったところ。しかしグラフィックを妥協したわけではなく、「エピック」設定なら一転平均fpsは25.6とかなり落ち込みます。
ただし「エピック」の高負荷状態でも20.1にしかフレームレートは下がらず、どんなに激しい戦闘でも基本的に映像はある程度の滑らかさを保つという、安定したパフォーマンスが見えてくる形に。さすがはプレイヤーに長年愛されているBlizzardといったところでしょうか。
PG-JNなら低画質で競技的な環境を提供できますし、普通に60Hzのモニターでゲームを楽しみたいだけでも、グラフィックの調整幅はかなりあると言えます。そこそこな画質を保ちつつ、快適なプレイが可能といえるでしょう。
Star Wars Battlefront 2
EA傘下スタジオDICEが送る『Star Wars Battlefront 2』は映画「スター・ウォーズ」シリーズの世界で大規模戦闘を楽しめる、シリーズファンなら欠かせない作品です。課金ガチャがひどすぎるという発売当初の炎上がいまだに印象に残る方も多いでしょうが、全ての課金限定要素を撤廃してからコツコツとめげずにアップデートを続け、今ではスター・ウォーズを原作としたゲームを語る上では欠かせないタイトルとなっています。
そしてスターウォーズといえば欠かせないのが、個性豊かで自然が多く残っているさまざまな惑星の風景に、飛び交うブラスターのレーザービームや光り輝くライトセイバー。PG-JNは果たして映画のようなグラフィックを再現できるのでしょうか、計測は画面内に敵兵が大量に映り込む都合上、高負荷となりやすいCO-OPモードを使用しました。
結果は『Destiny 2』と似たような形に。最高画質設定でも平均fpsは63.5で快適なプレイングが可能となっています。しかし一方で低設定でも85fpsにしか伸びていません。映画の雰囲気をなるべく再現するために、低画質設定でも高品質なグラフィックを楽しめる工夫をしているのかもしれませんね。
余談ですが『SWBF2』もDX12に対応しているものの、こちらも『Borderlands 3』のようにゲーム側の最適化が甘いようで、オンにするだけでゲーム起動時に10分以上のロード時間が発生し、マップの読み込み時間も長くなってしまいます。DX12でのプレイは実質的に不可能だと考えていいでしょう。設定を変えないようにご注意ください。
World of Tanks
無料シューターゲームの中でも最も独特な作品は戦車対戦ゲーム『World of Tanks』でしょう。反射神経や動体視力、細かな操作力が物をいう一般的なFPSゲームとは違い、戦略や戦術、情報の取り扱いなどの知能面が光る「考える人」向けのタイトルです。
その硬派でユニークなスタイルから、サービス開始から数年しても長くファンたちに愛されている『WoT』。途中でグラフィックアップデートも挟みましたが、新規グラフィックについていけるのでしょうか。早速数試合戦闘してきました。
『WoT』サービス開始当初の低設定グラフィックを使うと平均FPSが300という驚異的な数値に。リワークされた最高画質設定を用いても平均FPSは68.1と、快適な数値になっています。細部まで再現された戦車のディテールを余すとこなく表現できる、素晴らしい結果ですね。
▲第二次大戦時代の美しい風景が最高画質で楽しめる。
ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ
最後にFPS作品ではありませんが、さまざまなゲーミングPCの性能測定に使われている国産MMO『ファイナルファンタジーXIV』からベンチマークスコアをご紹介。美麗なグラフィックで名を馳せる名作ゲームのパフォーマンスを見てみましょう。
結果は最高画質設定だとスコア8476で「非常に快適」との判定をいただきました。PG-JNの性能にお悩みの方への指標の1つとなれば幸いです。
おまけ:FPS用PCが高くなりがちな理由
本来、ゲームをするにあたって特別に高機能なPCは必要ありません。それどころか、大抵のゲームは一般的な家庭用のPCでも十分プレイできます。例えば今やPCゲームを代表する世界的な人気作の『マインクラフト』の要求スペックは、以下のようになっています。
最小スペックとしてCPUに採用されているのは7年前の廉価モデルであるCore i3-3210、GPUは別途必要なしでCPU内蔵のIntel HD 4000と、今となっては探すのが逆に難しいほどの低スペック。
ですがこれは『マインクラフト』のシンプルなゲーム性とグラフィック表現だからこそ可能なのであって、最新の3D技術や物理演算、AIなどをふんだんに使用するゲームならば話は違ってきます。
特にFPSゲームは銃弾という繊細な当たり判定を持った飛翔体が数十ないし数百も高速で飛び交っているという性質上、ゲームとして成り立たせるためには必然的に高度な演算性能を要求します。グラフィックも光や影の表現、風による揺らめきや、細部に渡るキャラクターの描写や爆炎の細かなエフェクトなども加えると、FPSはあらゆるゲームの中でも特にスペックを要求するジャンルなのです。
ですが一般的に誤解されがちな印象とは違い、FPSゲーム自体は20万もする高級パソコンでなくとも快適にプレイすることは可能です。PG-JNはまさしくそれを証明したことになるでしょう。皆さんも新しいパソコンが入用で、ついでにいろんなFPSゲームも遊びたいとなったときは、ぜひPG-JNを検討してみてください。
- BTOパソコン通販専門店のストーム(STORM) / PG-JN
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