ついに公開されたプレイステーションシリーズの次世代版PlayStation 5(PS5)のスペックですが、機械のスペックに詳しいゲーマーコミュニティの一部に大きな波紋を呼び起こしています。
本記事は自作パソコンでPS5のスペックを再現しつつ、どうしてそのような騒ぎにつながったのかを探求していきます。もちろん大量生産によるコストカットは計算に入れておらず、PCとCSを比較することは不可能なので、あくまで単純計算の参考程度としてご覧ください。
PCで「PS5」を再現するには、どう組めば?
調査には価格.comの情報を元に構成を自動で見積もりするウェブサイトの「自作PC 構成見積もり てすと」を活用しました。
- CPU:AMD Ryzen 7 3700X(39,560円)
- PS5のCPUはAMDのCPU規格であるZen2の8コアで、クロック数は3.5GHzの可変式とのこと。ここはベースクロックが3.6GHzのRyzen 7 3700Xで代用。
- CPUクーラー:メーカー付属品
- 3700Xはパフォーマンスモデルですが、CPUのオーバークロックを行わないのでメーカー付属品のファンでも大丈夫でしょう。
- メモリ:Crucial DDR4 PC4-21300 8GB x2(7,238円)
- RTX 2080はすでにGDDR6のVRAMを8GB搭載していますが、「PS5と同等の性能を発揮」という点を考えメモリもDDR4規格の16GBを搭載しました。
- マザーボード:MSI MEG X570 UNIFY(30,778円)
- 検証によればB450とX570チップセット間ではゲーム性能の差はほぼ発生しないそうです。今回は下位モデルのB450を選択するつもりでしたが、よく見直すとM.2ソケットが3つ必要だと発覚したので急遽MSIのハイパフォーマンスモデルを選択。詳細は後述します。
- グラフィックボード:ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Twin Fan[PCIExp 8GB](73,678円)
- グラフィックボードは正式発表の概算通り、RTX2080の中でも廉価なモデルを選択。
- SSD:Corsair Force Series MP510 x2 (19,560円)
- 800GBのSSDなら今では珍しくもないパーツですが、熟読する内に気がついた一番のくせものが実はここでした。PS5はなんとスループットが5.5GB/sもある上に、拡張用の空きM.2ソケットが1つあるのです!これを再現するためにSSD2つを合体させるRaid 0を決定、2万円ほど高くなりました。
- 光学ドライブ:ASUS BC-12D2HT(5,923円)
- 忘れられがちですが、ブルーレイディスク対応はプレイステーションの目玉機能の1つ。性能を忠実に再現したいなら、欠かすわけにはいきません。
- ケース:Thermaltake Versa H26 Black /w casefan [ブラック](4,378円)
- 黒くかっこいいボディは必要です。
- 電源:Thermaltake Toughpower Grand RGB 850W Gold(13,973円)
- コンシューマー機はいったん購入したら5年は使い続けることを念頭に、寿命を重視して余裕のあるワット数を選択。
- OS:マイクロソフト Windows 10 Home 64bit(12,980円)
- Linuxを入れるならばここは0円で済むのですが、家電としての使いやすさを求めるためにWindows 10 Homeをインストール。
【合計価格】¥ 208,068 ・・・3月29日時点の情報で、将来変動する可能性があります。
- Linuxを入れるならばここは0円で済むのですが、家電としての使いやすさを求めるためにWindows 10 Homeをインストール。
ストレージのスループット速度とWifi機能にこだわらないのならマザーボードは9000円台でM.2スロットを2つもっているパーツが、そしてストレージ自体も1TBのSSDが13,000円台で購入できるので、25,000円弱の節約が可能。ただしここまで来るのなら、追加で200,000円ほど投入してRyzen 9 3900や2080TiのSLI、Gen4のM.2 SSDなどに差し替えたいところ。
というのもハイパフォーマンスチップセットのX570マザーボードは本来膨大な拡張性と高い冷却性が売りで、その真価は複数のグラフィックボードの同時運用やCPUのオーバークロックをした時に生かされます。言い換えればこの試作モデルはストレージ速度のためだけに25,000円も掛けているわけで、パソコンとしてはコストパフォーマンスがとても悪いのです。
何にせよPS5をPCで完全再現しようとすると21万円前後、性能を多少落として大幅コストカットを狙っても19万円強がかかることが分かりました。PS5のスペックは単純比較ですとハイエンドなゲーミングPCと同等だと言えます。
PS4の価格はいくらだろう?
ついでに気になったのが現行機のPS4のスペックと価格。調べてみたところ、2013年6月に当時のパーツを使って検証を行っている有志の文章を発見しました。Modcrash誌のDorkstar8氏の研究を参考にしつつ、以下に紹介していきます。
- CPU:FX-8320
- PS4のCPUはJaguar CPUの8コアだとされていますが、近似したCPUは市販では扱われていなかったので、氏は代わりにミドルグレードのCPUであるFX-8320を挙げています。
- グラフィックカード:R9 270
- 実際の性能はHD7870と同じとされていたのですが、氏は当時に発売日がより近かったR9 270を代替としています。
- メモリ:8GB DDR3
- GDDR5というグラフィックボード用の特殊企画に悩まされたのはPS5のGDDR6と同じですが、ここではDDR3の8GBを選択。
- ストレージ:500GB HDD
- 光学ドライブ:ブルーレイ対応
- マザーボード:960GM/U3S3 FX
- USB 3.0ポートx2と付属Wifiアダプターを考えての選択。
- 電源:500W 80+
- OS:Windows 8.1
- 原文では氏は「Linux OSを使ってタダだったことにしよう」と述べていますが、それだと実用性の面からしてPS4の再現だとは呼びにくいと感じたので、ここはOSにもしっかりお金を使う事に。
Dorkstar8氏の試算による価格は当時の値段で$730ですので、2013年11月15日当日のドル円レートを適応してからOSのコストも追加すると、PS4を再現したパソコンを組み立てるには86,800円が必要という結論に至りました。
次世代家庭用機はハイスペックな時代へ
PS4の希望小売価格は3万9980円(税抜)で、同性能のパソコンの約半額で販売されています。あまりにも思い切ったコストに見えますが、当時の資料によるとPS4は製造コストが抑えられているため、これでも当初から本体販売だけで黒字になっていたそうです。
コンシューマー機は特化したデザインや大量生産のおかげで市販されているPCパーツよりも低いコストで組み立てが可能。コストカット率がPS4とPS5で同じだとしたら、PS5の販売価格は10万円前後になるとも予想できます。ただしさすがに家庭用ゲーム機として気軽に購入できるお値段ではないので、その約半分の5-6万円前後が現実的な販売価格かもしれません。
いずれにせよ次世代機PS5はかなりの高性能で、発売から数年たっても十分に通用するスペックだと言えます。ゲームの制作は常にシステムの制限との戦いですが、このハイスペックならばさまざまな表現や体験の実現が可能となるでしょう。価格がどうなるにせよ、次世代機がもたらすワンランク上のゲーミングが今から楽しみです。
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コメント
コメント一覧 (26件)
結局RTX2060相当(DLSSやレイトレーシングなど特殊コアを必要とするものはそれ以下)だとはっきりしましたね。これでも頑張った方だと思いますが、PS4の同様出るまではハイスぺハイスぺ言って出たらガッカリってのは飽きたんで別の芸をお願いします。
tank you so much hot gas
てめえふざけんのも、いい加減にしろよ。
20万かけたpcが、pc5に、本気で負けるとでもまじで思ってるなら、病院いけ病院。あり得ないから。
ちょっとでもパソコンをしってるならありえないから。
おまえだって、わかってんだろ?
だから、タンジュン計算とか逃げな言葉ばっか垂れ流して
ハズカシクナイノ。
ばかなんだなこの記事かくやつも、真に受けるやつも。
Linuxインストールできるならそうかもね。
これでBlenderレンダリングやりたい。