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レインボーシックス シージ:なぜDocに2.0倍サイトがなくAceはAK-12を持っているのか、武器バランスにまつわる秘話

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Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』では「オペレーション・シャドーレガシー」が進行中。

今回は、今シーズンに追加されたさまざまな新型サイトに関して、シージ系情報チャンネル「Logic Bomb Podcast」で開発者がインタビューに答えていました。その中から気になった情報を抜粋して紹介します。

CONTENTS

サイト構成のリワークはどんな影響を与えたか

The Facts About Weapon Balance with Dev Guest Mathie Lacombe || Ep. 32

毎回さまざまなゲストが出演するシージ系情報チャンネル「Logic Bomb Podcast」。Get Flanked@Get_Flanked)が司会進行を務め、z1ronic@zironicdk)もレギュラー出演するこの番組の最新回エピソード32では、シージのゲームデサインチームで武器バランスを担当するマチュー・ラコンブ@sinisterrain)氏をゲストに招き、新しいサイトを追加した意図と、新サイトがオペレーターのピック率にどのような影響を与えたかについてインタビューを行っていました。

なぜ新サイトを追加したのか

現在テストサーバーにかけられている3人のオペレーターのサイト構成(DP27は固定サイト)

「オペレーション・シャドーレガシー」で追加された1.5倍サイト2.0倍サイトは、そもそもいつから議論され、何を望んで開発されたのでしょうか。

それについてラコンブ氏は以下のように語っていました。

「私は『オペレーション・バーントホライゾン』のあたりでデザインチームに参加したんですが、その頃から議論になっていたのがACOGが他のあらゆるサイトより支配的すぎることで、私もこの問題を解決するために取り組んできました。(中略)サム・フィッシャーのSC3000Kを開発中に、新しいサイトを載せたバージョンがしっくりきたことがきっかけで、他の武器にも新サイトを追加しようというアイデアが実行に移されたんです」

ACOGは3倍だったはずが、2.5倍サイトになった背景は?

ACOGサイトはゲーム内では2.5倍と記されていますが、実際は「シャドーレガシー」以前は3.0倍サイトだったことが今シーズン開始前に明らかになりました。この点について開発側は気付いていたのでしょうか。

「(ゲーム中では2.5倍と書いてあったことについて)あれはシージが今ほど複雑じゃなかった頃からあった記述で、今さら2.5倍に変えても、ゲーム内の記述だけを3倍に変えても、どのみちプレイヤーは『ACOGを変えたのか』と混乱すると思ったんです。(中略)その後3.0倍サイトを作成し、こちらはDMR系の武器になじんでいると分かりました。ただ既にACOGが3.0倍なので、新しい3.0倍サイトは『3.5倍』にする案もあったのですが、さすがにズームがきつすぎた。そこで結局ACOGを2.5倍にして、より自然な形になったというわけです」

3.0倍サイト

1.5倍サイトが最強?

「サイト内の範囲がしぼられ見えやすくなった1.5倍サイトは、ホロサイトとACOGの良いところをそれぞれ持っている。タイトなアングルをロックし続けるのも、ピークするのにも向いている」というz1ronicの指摘に、ラコンブ氏は「実際スタッツに最も影響を与えたのが1.5倍サイトです」と答えていました。

1.5倍サイト。「いちばん使いやすい」と評するプレイヤーも多く見られ、実際にデータでも人気は高いようだ

「新サイトの開発にいつ取り組んだのかという質問に戻りますが、今から7ヵ月か8ヵ月ほど前です。その頃は新型サイトを追加しても2.5倍サイトがベストのままだろうと思っていたんですが、テストを繰り返すにつれ、実は1.5倍サイトがベストだということが分かってきました」

「シャドーレガシー」では、武器ごとにつけられるサイトの種類が大きく変化したことにより、オペレーターピックにも大きな影響を与えました。

ラコンブ氏によると、たとえばACOGを失ったDoc(ドク)とRook(ルーク)のピック率を見てみると、Rookの方はKDが劇的に上昇し、P90のピック率も上昇したそうです。しかしサイトのピック率は2.0倍よりも1.5倍の方が高いとのこと。

Docについては、スコープを変えただけでピック率もウィンデルタも下がっています。

(訳注:ウィンデルタはそのオペレーターの勝利貢献度を示す。縦軸の数字は、そのオペレーターがいた場合のラウンド勝率から、いなかった場合のラウンド勝率を引いたもの)

Y5S2(左)とY5S3(右)の、防衛オペレーターのピック率およびウィンデルタ比較

スコープを変えただけでDocはピック率もウィンデルタも下がりました。Docは2.0倍サイトを持ってないからでしょうか。(中略)DocとRookでサイトが異なる理由は、長距離で撃ち合わせるならどっちかと考えたとき、Rookだろうとなったからです。Rookならラウンド開始後すぐに窓へと走っていく前に、チームのために仕事ができますから(笑)。もっとも彼のウィンデルタも下がっていますが」

逆に昨シーズンと比較してピック率が劇的に上がったのが(1.5倍サイトを持っている)Lesion(リージョン)でした。

Melusi(メルシ)が強力なのは分かっていたので、彼女とは異なる強みを出そうと思いLesionのT-5 SMGには1.5倍サイトを与えたところ、思いがけず彼の人気が上がってしまったんです」

会話の中では度々ウィンデルタが参照されていますが、かつてAsh(アッシュ)のR4-CからACOGが削除されたり、Mozzie(モジー)からSuper Shortyが削除されたりしたのも、「ウィンデルタを下げるためだった」と明言しています。

「ガジェットやメインウェポンを調整するだけでなく、サイトを調整することでもオペレーターの人気度(ピック率)を調整できることが分かりました。ただしWarden(ウォーデン)のように何度強化してもピック率が上がらないオペレーターもいるので、人気度やウィンデルタはオペレーターごとに個別の要因があり、それほど単純な話ではないことも分かりました。(中略)それでも武器やガジェットの調整と違って、サイトの追加や削除なら簡単にできます」

Mozzieについてさらに言えば、「シャドーレガシー」の前はCOMMANDO 9P10 RONIのピック比率は7:3だったものの、RONIに1.5倍サイトをつけたところ、その発射速度の高さとリコイルの少なさも相まってピック率が3:7に逆転したそうです。

サイト構成を刷新したことによる他の影響では、「Mute(ミュート)でMP5Kを持ってくるプレイヤーや、Smoke(スモーク)でFMG-9を持ってくるプレイヤーが増えた」そうです。ここで紹介されているデータはすべてPC版のランクマッチ上位層から集計したもので、2人はこれまで「ショットガン+SMG」の構成が定番だったものの、Castle(キャッスル)など他の工事要員が増えたおかげか、今やFMG-9のピック率はショットガンに対して5:5にまで上昇しているとのこと。

また、サイト内の色設定に関するデータもあり、現在最も人気があるのはとのこと。とはいえこの数字は直近では減少中で、ターコイズライトグリーンも増えつつあるそうです。

等倍サイトについて

新型レッドドットサイト。今シーズンは等倍サイトの種類も増えたがこれらに関する議論も増えた

「シャドーレガシー」ではレッドドットサイトとホログラフィックサイトにそれぞれ新型が実装されました。しかしコミュニティでは「そもそも等倍サイトは全武器に全種類を均等に配っていいのでは?」という議論が散見されます。

これについてラコンブ氏は「確かにその方がフェアには聞こえるものの、それが本当に必要なのか確信できる根拠が少ないため、今後も議論を続ける」と回答していました。

また3種類のデフォルトサイトについて言えば、ホログラフィックサイトのピック率が99%と、他の2つと比べて大きな差がついています。特にリフレックスは、データ上はショットガンにつけられている場合が多いものの、「初心者には、そもそも三角の先端に弾が飛ぶのか、三角の真ん中に敵を合わせればいいのか分からないだろう」とz1ronicからも指摘されています。

「デフォルトサイト3種のピック率にれっきとした差があるのは、純粋に開発側の落ち度だと思う」とラコンブ氏も認めていました。

DMRで盾を破壊?

同じく武器バランスの面で未だ問題が残っているのがDMRです。

新型「3.0倍サイト」が追加される以前から、DMRはリコイルを減らしたり、ハッチやバリケードを簡単に開けられるようになったりと強化され続けてきました。それでもなおプレイヤーには存在を忘れられがちな武器だとGet Flankedも指摘しています。

ラコンブ氏によると、「実際のところピック率は徐々に上がっている」そうで、Blackbeard(ブラックビアード)の場合は25%上昇。Lion(ライオン)は10%上昇、Twitch(トゥイッチ)は7%上昇し、Buck(バック)は変わらなかったそうです。しかし上昇はしたものの「期待していたよりは上がっていない」とのこと。

さらにGet Flankedから、「他のFPSを見ても、DMRのバランス調整がいかに難しいかが分かる。強すぎるか無価値になるかだ。シージでなら別の相関関係を出せると思うんだ。ハッチを破壊できる以外にも、たとえばDMRなら展開型シールドを破壊できるようにするとか」と提案したところ、ラコンブ氏は「実はそれは既に議論したことがある」と答えていました。

「ガジェットに与えるダメージ量が問題なんです。仮に壊せるようにするとして、どのくらいのダメージ量が適正なのか。もちろんいいバランスを見つけられるのが理想なんですが、相手も盾の裏から撃ち返してくる中で破壊することを考えると複雑になりますし、もし破壊可能になったらBlackbeardがガジェット破壊のスペシャリストになる」

「ガジェットにHP設定があるのは現在Frost(フロスト)のウェルカムマットだけですが、あれも具体的に何HPあるのか、この状況で壊せそうか、壊せなさそうかといった境界線が分かりにくくプレイヤーのストレスになっています」

次にリワークされる武器アタッチメントは?

「ノーコメントですが、あり得るとしたらマズル系に手を付けるかもしれません。特に混乱を招きがちなアタッチメントなので、統一する方向で」

Capitao(カピタオ)とサイト配布のルールについて

Get Flankedやz1ronicは、「Capitaoが2.0倍サイトを持っているのは解せない」と指摘しました。

現在の攻撃側のサイト構成(一部)

これについてラコンブ氏は、武器にサイトを設定する際の考え方を説明していました。

「基本的にスピード3のアタッカーなら1.5倍サイトまでというルールですが、もちろんHibana(ヒバナ)やIQ(アイキュー)のような例外もあります。Hibanaについては、他のハードブリーチャーと比較して考えたとき2.5倍サイトを持っていても不自然ではないと判断されました。『スピード3で2.5倍サイトを持っているオペレーターを使いたいならハードブリーチャーをやろう』というわけです。Ace(エース)が(データ上は最強格のアサルトライフルである)AK-12を持っているのも同じで、『強い武器で暴れたいならハードブリーチャーをやろう』という理屈です」

「CapitaoのLMGについてですが、LMGはどれもサイトのバラエティを多くしています。これにより、CapitaoのLMG(M249)はピック率が上昇しています」

Y5S2(左)とY5S3(右)の、攻撃オペレーターのピック率およびウィンデルタ比較

武器やサイトの選択はオペレーターの役割も加味されていることが明かされました。しかしそれでも「Zero(ゼロ)のロードアウトは強すぎるのではないか」と指摘がありました。ZeroのSC3000Kは数値上では強武器に分類される性能であり、さらに彼はフラググレネードも持っているからです。

しかし設定上の武器の強さと実際の成績は異なることをラコンブ氏は説明しています。

「武器ごとのキルレで言うなら、攻撃側の武器はAK-12やSC3000Kよりも、実はNokk(ノック)のFMG-9の方が結果を出しています。FMG-9を使ったNokkの1ラウンドごとの平均KDは0.71と高く、攻撃オペレーターの全武器の中ではベスト5に入っています。AceとAKの組み合わせでは0.68。ZeroとSCの組み合わせでは0.62です」

(訳注:武器ごとのKD率などを複合した「実際の強さ」についてはエピソード13でラコンブ氏から説明されており、ベスト1はBlackbeardのMK17 CQBだった。彼にはシールドがついていることもありキル効率が非常に高く、撃ち合いの勝率0.8KDと圧倒的な結果だったとのこと)

今回のインタビューでは、オペレーターのバランス調整に「サイトの入れ替え」という新要素が加わったこと以外にも、さまざまな興味深いデータを知ることができました。

新サイトの性能や現在の武器バランスなどについて、思うところがあればぜひコメント欄にお寄せください。

[wpap service="with" type="detail" id="B08512CDDS" title="レインボーシックス シージ YEAR5デラックスエディション - PS4"]

Source: Rainbow Six Siege Official


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コメント

コメント一覧 (8件)

  • DMRをどれだけ強化してもフルオートのAR、SMGよりピックされる事がありえないのは、急な接敵や被ダメージ中のストッピングパワーが全くないゲーム性が理由だろ。

    キャラのピック率はガジェットの役立ち度と武器の強さの2点が重要で、どれだけ弱体化してもイエーガーはピックされ続けてるし、逆にウォーデンがピック率が上がるなんてことは無い。

    シージやってたら普通にわかること。プレイせずにデータだけ見てあーだこーだやってるからいつまで経っても調整がうまくいかない。

    セルマの爆発数減らすんじゃなくて所持数を減らせよ。サムのカメラも2個でいい。なんで4個なんだよ。

  • サイトで勝率調整できるってそりゃそうだろうと…
    見易いサイトが狙いやすいなんて当たり前でHS1発のシージじゃその影響も大きいんだから
    けどそれってやっちゃいけない類いの調整でしょ
    プレイヤーの技術やオペの能力じゃなくて視認性っていうどうしようもない部分で調整してるってことじゃん
    それを自慢げに語るのなんかズレてるよ

  • ドクがピックされてたのって足1のデメリットを引きずってでも「フルオート射撃できるacog持ちの銃」が使えて有刺もちなので汎用性があって、オペ枠余ったらとりまピックができるやつだっただけで足止め工事どっちもできるリージョンに同じ倍スコ配ったり、ルークとの差別化云々とかいって奴にだけ2.0倍あげたりしたらそりゃピックする理由なくなりますわな、って話
    エースが壊れに片足突っ込んでるのをセルマの数じゃなくて爆発回数だと勘違いしてたりと、なぜあるオペレーターが延々と環境入りしてるのか理解してなさすぎる

  • 等倍サイトは全武器同じにして、これだけはマジで
    サイトが違えば慣れがいる、サイトが同じなら扱いやすいって分かると思うけど
    三種類あるホロサイトを、全て普通のホロサイトに統一して

  • 数値しか見てないから変な調整しかできないのね、納得

  • 不人気オペの武器とか使用率低いんだから上振れしやすいし人気オペは平均値により近づくってこと考慮してないはずないけど体のいい言い訳にしか聞こえない

  • 等倍を全オペに配るのが本当に必要かどうかわからないって………じゃあどういう考えで新サイトを追加したんだよ

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