本日2020年10月23日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch(オーバーウォッチ)』のライブサーバーにて、テスト環境「エクスペリメンタル」を実施しました。テスト内容は、主に体力調整や一部ヒーローの強化となっています。
体力調整については既存の150族~250族の間に新たに、175族と225族が登場し、一部キル連携には見直しが求められます。
ヒーロー調整(エクスペリメンタル)
今回のエクスペリメンタルは、2/2/2のロールキュールールでプレイ可能。エクスペリメンタルでの変更点は本モード限定で、クイック・プレイ、ライバル・プレイ、アーケードへの影響はありません。
OCTOBER EXPERIMENTAL CARD 1.53 IN FOUR MINUTES (Comparisons)
バティスト(強化)
- “バイオティック・ランチャー”(攻撃)
- リカバリー時間を0.45秒から0.38秒に短縮
- ダメージを25から24に減少
- “バイオティック・ランチャー”(回復)
- リカバリー時間を0.8秒から0.9秒に延長
- 回復量を50から60に増加
- “アンプリフィケーション・マトリックス”
- 幅を5メートルから9メートルに拡大
“バイオティック・ランチャー”の攻撃面は射撃レートが向上した反面、単発のダメージが低下。25の倍数で体力が設定されているオーバーウォッチにおいてこの1ダメージ低下(“バイオティック・ランチャー”は3点バーストなので実質3)は、様々な状況で単独キルに必要な弾数の増加を意味します。
しかし、全ヒーラー中、唯一攻撃に距離減衰が適用されており元々ダメージに不確定要素がある事。ヒーロー性能的に集団戦を作りやすいため、単独キルを取る場面がそれほど多くない事。最終的にダメージレートが向上している事などから、1ダメージの低下によって直接展開が大きく変わるということは少ない(150族の1トリガーキルが不可能になる程度)と考えられます。
“バイオティック・ランチャー”の回復面は逆に回復性能を高め、射撃レートを下げる調整です。ヒールレートはダメージレートと同様に向上しているので以前の“リジェネ・バースト”の弱体化によって大きく低下したヒーロー単位の回復性能を、ある程度補う事ができると思います。
“バイオティック・ランチャー”の強化によって回転率の向上が予想される“アンプリフィケーション・マトリックス”には、さらにサイズ拡大の純粋強化。これにより設置物の大きさは縦5m×横9mの長方形となります。サイズ拡大は状況変化への対応しやすさや用途に幅を持たせる面白い強化ではないでしょうか。
マクリー(強化)
- 体力
- 基礎ライフを200から225に増加
- “ピースキーパー”
- リロード時間を1.5秒から1.2秒に短縮
体力が25増加する純粋強化です、これにより新たに体力225族が誕生しました。200族をキル可能で225族をキルできない実践的な連携やダメージとしては以下のとおり。
- ジャンクラットの“スティール・トラップ”+“コンカッション・マイン”
(計200ダメージ) - “カデュケウス・スタッフ(青線)”or“不和のオーブ”+アッシュの“ザ・ヴァイパー(照準器使用)”ヘッドショット(208ダメージ)
- バスティオンのUlt“タンク・モード”射撃(205ダメージ)
この調整は純粋な継戦能力の向上に加え、それらに対し一定の耐性を得たことを意味します。
リロード速度の短縮は、過去に行われた射撃レート低下とそれに伴うダメージレートの低下を補う目的の調整であると考えられます。これにより射撃レート低下前の性能と比べ、6発射撃→リロード完了までの時間は「0.48秒遅い」から「0.18秒遅い」に緩和されました。また、ファニングショットの射撃レートはその際に調整されていないため、リロード速度短縮の恩恵のみを受けています。
ブリギッテ(強化)
- 体力
- 基礎ライフを150から175に増加(合計:225)
過去の250には及びませんが体力増加の強化調整。基本的には、マクリーで上げた状況と同じですが、パッシブアビリティ“インスパイア”による自己回復や体力にアーマーを含む分、ブリギッテの方が恩恵は大きくなります(上記のラインハルトの連携を耐えます)。
シンメトラ(強化)
- 体力
- 基礎シールドを100から125に増加
上記2ヒーローの体力増加と同じく225族となりますが、基礎ライフではなく自動回復効果を持った基礎シールドが増加しているので実数値以上の恩恵を得られます。ソンブラのUlt“EMP”を受けた場合は、今まで通り残り体力が一瞬で100になるので注意。
メイ(強化)
- “クリオフリーズ”
- 弾薬を1秒あたり15補充する仕様に変更
- “アイス・ウォール”
- クールダウンを13秒から12秒に短縮
“クリオフリーズ”の変更により、このアビリティでメイが受けられる恩恵は1秒あたり37.5の自己回復と15の残弾補充となります。
通常のリロードが1.5秒であるのに対し、最大でもフルマガジンの半分である60しか回復できず、その場合4秒もかかるため、リロードを目的とした使用はそこまで優秀でありません。あくまで“クリオフリーズ”が持つ無敵効果や回復のオマケ、及びその窮地からの切り返しの可能性程度に考えておくのが良さそうです。
そのため、“コンバット・ロール”や“レイス・フォーム”のような残弾状況を万全にする使い方は難しいですが、残弾が1でもあればサブ射撃の氷柱を打ち出せるので、弾切れ→“クリオフリーズ”発動→即解除で通常のリロードよりも早く75ダメージ(or150ダメージ)を1発出せるのは覚えておく価値があります。
“アイス・ウォール”は設置直後からクールタイムが進行するので、壊されなければ自然消滅から7秒後に再度展開が可能です。
ウィドウメイカー(弱体化)
- 体力
- 基礎ライフを200から175に減少
“ウィドウズ・キス”に対して距離減衰の実装(スコープ時)を始めとする、複数の弱体化が行われたウィドウメイカーですが、依然として高いピック率を誇っていたため体力減少の弱体化。
トレーサーやD.Vaの中身に次ぐ脆さとなりましたが、120帯攻撃+近接攻撃や一部高威力武器のヘッドショットで簡単にデスする150族に比べると175族はかなり頑丈です。175族になった事でデスする可能性が生まれた連携は
- “ロケット・ハンマー”+“ファイア・ストライク”(計175ダメージ)
- “手裏剣”全弾ヘッドショット+近接攻撃(計198ダメージ)
- “アクリーション”+“ハイパースフィア”(計180ダメージ)
など、あるにはありますがそれほど多い訳ではなく、ウィドウメイカーの得意とする射程距離を考慮すると実践的なものは、さらに少なくなります。
とは言え、脆くなったことには違いはないので、複数人から狙われた際や、秒間ダメージを与えるビーム系、連射可能な武器を前にすると脆さが明確に現れると思います。また、“自爆”や“メテオ・ストライク”など被ダメージを受けた時の距離によってダメージが変化するタイプの攻撃からは、今まで以上に中心から距離を取る必要がでてきます。
今回の調整傾向
今回の調整における注目ポイントはなんといっても新しい体力帯の登場、ピック率の高いor低いヒーローの体力が微調整されています。
例として上げた実践的な連携に加え、各種メイン武器の必要弾数やビーム系武器の攻撃時間にも影響を与えるため、数値上は25ずつの微妙な変化ですが実践に与える影響は小さくなく、実装されれば様々な状況を想定し直す必要が出てきます。
また、225族の登場で相対的な弱体化を受けた利用率の低いヒーロー(バスティオンの“タンク・モード”など)は、今後調整が入る可能性が高いのではないでしょうか。
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