Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』では今年最後のシーズンとなるY5S4「オペレーション・ネオンドーン」がリリースされました。
今回は、このシーズンアップデートによってリワーク(再建造)を受けたマップ「高層ビル」での戦い方について、北海道のプロゲーミングチームNORTHEPTIONシージ部門でコーチを務めるamenbo氏に解説をしていただきました。
amenbo氏ご紹介
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北海道のプロゲーミングチームNORTHEPTIONのコーチとして、2020年上半期の全国大会「ジャパンナショナルズ2020」を制覇し、2020年10月に行われた「Japan Championship 2020」ではチームを日本ベスト8へと導く。かつては伝説のチームeiNsや、FAV gamingにも所属していた。シージコミュニティでは後進プレイヤーの育成に力を入れつつ、EAA!!にも新マップの攻略記事を寄稿中。
旧「高層ビル」の問題とリワーク
リワーク前のどのマップも総じてそうであったように、「高層ビル」もまた著しくバランスの悪いマップであった。
マップリリース当初は問題にならなかったようなことが、オペレーターの追加やメタの変化によって大きな差を作り出してしまうことは、このゲームにおいてはよくあることなのだ。
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「高層ビル」は特に攻撃側がエントリーする箇所が多く、防衛側は苦しい戦いをせざるを得なかった。さらにはハードブリーチングができるオペレーターが増えたことにより、防衛拠点は穴ボコ状態になってしまうという、昨今では更に悪くなってしまっていたマップの一つだった。
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今回のリワークでも、「山荘」や「運河」をリワークしたときと同様の処置が施されているように思える。防衛に立ち回りの余地を追加し、攻撃側のエントリーできる入り口を減らすことで、攻守のバランスを取ろうというものだろう。
実際のバランス感はマップ理解が深まりメタが一周するまではわからないが、私なりのリワーク高層ビル1stインプレッションを以下にお話ししていく。
2F:展示・オフィス
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E側のオフィスバルコニーは健在だが、オフィスの窓が減ったことでオフィスに籠ることが可能になった。VIPクリアランスの窓がなくなった分戦いやすい構造になったのだが、展示室は広くなり、龍からのアプローチが可能になったことが大きなデメリットになっている。
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直接(E側)から攻めるケースが多かったポイントだが、窓の減少、オフィスの障害物の変化などにより少しばかり攻めにくくなったように思える。VIPクリアランスやオフィスの2枚を開通するなどして(青矢印)、周りの圧をかえて囲い込む形にするのが攻めやすいだろう。
龍、太鼓からの攻め(赤矢印)は以前よりアプローチ可能な部分が増え、攻めやすさが大幅に増している。ピークを抑えて開通さえでれきば、VIPクリアランス・建物階段と挟み込むことで記念に対して強力な射線を作ることができるので、簡単に設置or殲滅することが可能になるだろう。
防衛側としては龍やテラスを守ることを念頭に入れた方がいいだろう。また龍テラス間を補強する・しないにより、守りのバリエーションを増やして攻撃側を翻弄することもできる。
2F:茶室・カラオケ
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芸者部屋やカラオケの構造が若干複雑になり、籠ることも可能になった。W側のテラス部分がなくなり、カラオケ窓にはラペリングをしなくてはならない。茶室のE側の吹き抜け部分が「中二階」という部屋として利用可能になり、茶室の背(E側)がこのポイントの見え見えの弱点となってしまっている。
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W側から直接攻めるケースは、リワーク前と比べてやりにくくなったように思える。芸者部屋が防衛しやすい構造になったことや、W側のテラス部分がなくなり、カラオケ窓にはラペリングでアプローチしなくてはならなくなったことが理由だ。
しかしながら太鼓から芸者へアプローチできるため、マップを広く使って囲い込む形にする(赤矢印)ことで、芸者を取り、最終的にカラオケへ攻撃していくような組み立ては可能だろう。
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逆サイド(E側)からの攻めについては、リワーク前は太鼓がチョークポイントとなり、籠りやすかった。リワーク後は中二階から茶室へのアプローチが可能になったため、E側からの攻撃(青矢印)がとても強力になった印象だ。ディフューザー設置も中二階から茶室へ開通した部分にちょうど良い障害物があるので、攻撃側はここでの設置を狙いたいところだ。
防衛側としては、突き上げ可能な面積が多いことを利用し、また中二階にある吹き抜けを下から不意打ちするなどの立ち回りで、囲い込まれて倒される前に先手を取って対応したい。
1F:ベッドルーム・バスルーム
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シャワーやベッドルームの窓が減ってポイントに籠りやすくなったことや、ロビーの正面玄関がなくなり、通用口も細くなって1Fへの直接エントリーが難しい構造になったことで、防衛ポイントとしての価値が高まった。
ポイントに対して直接射線を通すような攻め方は、リワーク前と比べて非常に難しくなった。以前は窓を全部あけて射線を通すだけでポイント内は針の筵であった。しかしながら、もうその方法はとれないので1Fを平面的に囲い込む作戦がベターになるだろう。
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またポイント自体は籠りやすい構造なので、突き下げと合わせて攻撃することになるだろう。バスルームの2枚を開通してその周囲で設置するか、クローゼットを開通してベッドサイドを詰めるか、という二択ではあるものの、ポイント構造的に殲滅判断になることが多いかもしれない。
防衛側としては、上下の人数配分がキーとなるだろう。上下の射線を活用することでほぼ設置を阻止することも可能になるため、射線の把握や開通をしっかりして、残った補強壁をオフィスなどに使って硬く守っていくようにしたい。
1F:BBQ・キッチン
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キッチンと外を繋ぐ1枚壁がなくなり、BBQの窓もなくなった。防衛側にとって一番守りやすい構造へ変わったのではないだろうか。
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またキッチンハッチの位置が変わり、下への射線が通りにくくなったことで2Fを取られても絶望的ではなくなった。レストラン部分や寿司バー部分の構造が若干複雑化したことも防衛側にはプラスであろう。
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ポイントに対して直接アプローチできる窓が1枚しかないので、囲い込みや、2Fからの侵攻をすることになる。リワーク前と同じく芸者からのアプローチが定番になると思われるが、芸者自体も崩しにくくなっており、ポイントとして攻めにくいイメージになった。
上のアプローチを仕掛けるタイミングで寿司バーや食料庫からも攻撃を差し込んでいく形が理想になると思われるが、寿司バーのカウンターや、キッチンから食料庫が見えるMira(ミラ)のブラックミラーなどがあった場合は、攻めが困難になってくる。その場合はBBQのN側を開通するなどして、違う方向からアプローチを仕掛けよう。
防衛側としては、ベッドルーム・バスルーム同様に上下の人数配分がキーとなる。上下の射線を活用した設置阻止はポイントが広いため若干難しさがあるものの、やはり2Fの攻防が主戦場となることが想定される。その場合はカラオケを攻めるステップと同様になるだろう。そのためMiraを用いて平面を止めつつ、攻撃のアプローチが1F、2Fどちらがメインなのかを見極めて咎めることになるのではないだろうか。
ランクマッチで「高層ビル」を制圧せよ
いかがだったでしょうか。今回リワークされた「高層ビル」は、「オペレーション・ネオンドーン」のランクマッチ・マッププールにも入っています。研究量の乏しい新マップとはいえ、マップBANの結果次第ではここでの戦いを避けられないでしょう。
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もちろんクイックマッチやアンランクでも同様にプレイできます。今回の記事を参考に、リワーク前では不可能だった新しい作戦の研究にぜひ取り組んでみてください。
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