カプコン、『バイオハザード4』や『デビルメイクライ』などで著作権侵害？ 約13億円の損害賠償請求される

株式会社カプコンは先週末、著作権の侵害で米国の写真家から訴えを起こされました。この写真家は、「バイオハザード」シリーズなどカプコンの人気タイトルに使用されている多数の素材が、自身の写真集からの無断転用であるとして、最高1,200万ドル（約13億1,276万円）の損害賠償を請求しています。

カプコンが著作権を侵害か

「バイオハザード」シリーズなどで世界的に知られる株式会社カプコン（以下、カプコン）が、同社の作品『バイオハザード4』や『デビルメイクライ』などで、ライセンス許諾を得ていない写真をゲーム内の素材として使っているとして、元素材となったとされる写真の権利者から提訴されています（訴状のコピーはこちらで閲覧可能）。

訴えを起こしたのはデザイナーのJudy A. Juracekさん。1996年に発刊された「Surfaces」という彼女の写真集に使用されている多くの写真が、『バイオハザード4』や『デビルメイクライ』などの人気作を含む多くのカプコンのゲーム内で無断で使用されているとのことです。

「偶然の一致」なのか

「Surfaces」に収録された約1,200点の写真は、いずれもJuracekさんが自らの手で撮影したものです。この本はアーティスト向けのビジュアル・リサーチ資料となることを企図して製作されたもので、本には写真データを収録したCD-ROMが付属していました。他の著作物と同様、これらを商用利用する際には著作者からの許諾が求められますが、Juracekさんはカプコンとそういった契約を結んだことはないとのことです。

Juracekさんは、カプコンは「Surfaces」から80点以上の写真を無断転用していると主張。たとえば『バイオハザード4』のロゴマーク表面に描かれた、割れたガラスのテクスチャです。これはJuracekさんが自らイタリアで撮影したもので、マンションのドアのデザインなど他の写真も含めて、カプコンのアートチームが偶然まったく同じものを現地で撮影し、自社作品に使ったとは考えにくいと主張しています。

2020年の情報漏洩からも物証が？

今回の訴訟は、2020年に発生したカプコンへの不正アクセスおよび情報流出事件とも関連があるようです。

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この事件ではカプコンの顧客や株主など各種の個人情報のほか、現在発売中の『バイオハザード ヴィレッジ』のリリース計画資料などが大量に漏洩しましたが、一方で「バイオハザード」シリーズなどの製作に使用されたと思われる高解像度のアートデータも流出しています。

これらの流出したアートデータの中に、前述した「Surfaces」付属のCD-ROMに収録されていたデータと、同一のファイル名のものがあったそうです。

Juracekさんの弁護士は、著作権侵害で最高1,200万ドルの損害賠償を裁判所に求めています。また、「虚偽の著作権管理および著作権管理の削除」で、使用された写真1枚につき2,500ドルから25,000ドルの損害賠償を請求しています。カプコンの担当者によると、今回の訴訟は既に同社も認識しているとしましたが、現時点では公式からのコメントは出されていません。

Via: Polygon