「ガンダムチームシューター」としてバンダイナムコオンラインが鋭意開発中の期待作『GUNDAM EVOLUTION(ガンダムエボリューション)(公式サイト)』では、日本時間8月8日と9日に抽選参加によるクローズドベータテストが開催されました。EAA!!もこのテストに参加する機会が得られたため、実際どのようなゲームなのか、テストプレイでの体験から得られたものをレビューしていきます。
『GUNDAM EVOLUTION』とは
『GUNDAM EVOLUTION(ガンダムエボリューション)』(以下、ガンエボ)は、『機動戦士ガンダムオンライン』や『SDガンダムオペレーションズ』などを手がけるバンダイナムコオンラインが開発中の6v6で戦うFPSタイトルで、「ガンダムチームシューター」という二つ名がつけられています。基本プレイ無料で、正式サービス開始は2022年を予定しています。
7月のティザートレイラー発表後、日本時間8月8日と9日には早くもクローズドベータテストが実施され、抽選で選ばれた5,000人のプレイヤーがこれに参加しました。EAA!!もこの抽選により、話題の本格国産FPSをいち早くプレイする貴重な機会が得られたため、今回は短い時間ながら得られたテストでの体験を元に、『ガンエボ』が気になっている方に向けた簡易レビューを行います。
※ バンダイナムコオンラインが掲げるクローズドベータ利用規約に基づき、本記事にはテストプレイの動画およびキャプチャ画像は掲載しておらず、記事内の画像もすべて、『GUNDAM EVOLUTION』公式サイト、「GUNDAM EVOLUTION | ティザートレイラー」、「GUNDAM EVOLUTION | ビギナーズルールガイド」より引用しています。ゲーム内容や各機体の仕様などについても同様に、公開されていない情報に詳しく踏み込んだ解説は行っていない旨をご了承ください。また、以下の情報はすべてクローズドベータの時点のビルドに基づいたものであり、リリース版とは異なる可能性があります。
「ガンダムは好きだがFPSは知らない」という方にオススメ
ガンダムが好きでFPSゲームも好きな方なら、やるべきことは正式リリースを待つだけで良いでしょう。
一方で、ガンダムのアクションゲームやシミュレーションゲームは好きでも、FPSゲームそのものにはほとんど馴染みがないという方にとっては、FPSタイトルであるガンエボの世界に入っていけるかが気がかりかと思われます。
戦いの中心となるのはやはりガンファイトで、近接攻撃が得意な機体は一部に限られています。実際の撃ち合いの様子については、バンダイナムコオンライン公式の許可を得て配信されたDETONATORのお二人のプレイが参考になるでしょう。
一つのマップには広い場所や狭い場所がそれぞれ用意されており、遠距離・中距離・近距離あらゆる射程で撃ち合いが発生します。全距離で戦えるエイム力を手に入れるためには、他のFPSタイトルと同様、繰り返しの練習が欠かせないゲームになりそうです。
それでもガンエボは、FPS初心者でも問題無くプレイできるゲームであり、むしろFPS初挑戦タイトルとしてオススメという印象を受けました。
ポイントは武器のダメージ量です。昨今のFPSタイトルの中には、平均的な武器のダメージが高いことからTTK(タイム・トゥ・キル、敵を倒すまでにかかる時間)が非常に短くなっているものが数多くあり、「敵と交戦して一秒足らずでどちらかが倒れてしまう」というのも珍しくありません。中にはヘッドショット一発が確定キルになるゲームもあるほどです。
その点ガンエボでは対照的に、登場する各武器のTTKはかなり長めという印象を受けました。一部非常に威力の高い武器もありましたが、多くは弾速、発射速度ともに遅めでダメージも少なめであるため、「敵と遭遇したときに先に撃ち始めなければ勝てない」といった状況や、「敵の位置を予想しながら丁寧にクリアリングし、決め撃ちも多用しなければ勝てない」といった、ハードなガンファイト体験としてはデザインされていないようです。むしろ目標エリアをめぐって互いに優位性の確保を目指しつつ、ダメージレースの駆け引きをする楽しさを重視しているようでした。
TTKが長いことから、ハイドや裏取り、ピーカーズ・アドバンテージの活用といった選択肢もあまり強力ではありません。また、各モードの勝敗は、敵を倒した数ではなく目標エリアを確保した時間で決まるため、瞬間的に相手の数を減らす手先のスキルよりも、より戦いやすいポジションを素早く見つけて立ち回る頭脳スキルの方が重要であると思われます(もちろん両方あれば完璧です)。
さらに、味方のサポートに特化した機体もあるため、最初のうちは前に出ず、後方でチームを支援するといったプレイスタイルも可能です。ガンスキルに自信がないプレイヤーでもチームに貢献する方法が用意されているガンエボは、FPS初心者の方にも問題なくオススメできそうです。
「FPSは好きだがガンダムは知らない」という方にもオススメ
ガンダムについては「安室とシャーがたたかう話?」的な知識しかない方でも、プレイにまったく支障はありません。
ガンエボでは、他タイトルで鍛えたFPS特有の知識・テクニック・考え方がそのまま応用できそうです。実際、わずか数時間のテストプレイであるにも関わらず、早くも狙撃タイプの機体で素晴らしいエイムを見せてマッチMVPを獲得しているプレイヤーや、サポートタイプの機体の能力を使いこなし、意識的にチームプレイに注力しているプレイヤーと出会うことができました。また、現在公開されている3つのゲームモードは、いずれもFPSの定番ルールであるため、初見でもガンエボの世界にスムーズに入れていた方は多いようです。
しかし、最終的にはチーム内の役割のバランスが重要になるという印象も受けました。ベータテストで敗北したマッチでは、チームの6人がそれぞれ孤立して戦っていた場合や、逆に6人全員が引き気味で、敵にあっさりプッシュを許してしまった場合が多く、そのような状況下ではいずれも大差で決着していました。
逆に(野良マッチングなのですべては偶然なのですが)チーム全員がそれぞれ自分の機体の特性に合った行動をしていた場合には、すんなり勝てたり、大差から逆転勝利ができたり、といったことがありました。
各機体の役割分担はどこまで意図されているのか、短いテストプレイだけで見抜くことは難しかったのですが、各機体のステータスやアビリティはそれぞれ異なっていることから、やはり機体ごとの役割とそのバランスを意識したチーム編成と、6人がそれぞれ連動したチームプレイが求められることは間違いなさそうです。
その他の気付いたポイント
- 極端ではないが、索敵・味方のバフ・回復といったロールあり
- 「中破」でダウン、「大破」でデス。
- 中破状態から数秒間で自動的に大破になるが、味方が間に合えば蘇生(リカバリー)可能。
- リカバリー要請もできる。
- 自キャラ(ユニット)が「いい気にさせるな」「喰らいやがれ!」などと喋るので、好きな人は盛り上がるかもしれない
- オペレーターもかなり喋り、戦況や残り時間なども把握しやすい
- 連続キルカウントあり。恩恵は不明
- グレネードなどのスキルは時間経過で回復
- マップ上に回復アイテムが設置されており、触れると回復
- ダウン毎にキャラ変更可能
- シールド所持のキャラあり
- ヘッドショット判定あり
- モビルスーツならではの高速移動は心地よい(戦闘速度はけっこう上がるのでここが初心者に少し厳しい?)
- カジュアルマッチは手軽にプレイ出来るが、スキルを突き詰めれば競技シーンも盛り上がりそうなシステム
ガンダムウォッチなのか?
『ガンエボ』の発表と同時に、多くのネットユーザーに指摘された『オーバーウォッチ』との類似点。確かにUIは『オーバーウォッチ』にゲーム画面から通知まで結構細かいとことまで類似していて少し心配になりましたが、もちろんプレイフィールは別物でした。実際のところUI以外の類似点も見られますが、ガンエボ以外でも採用される「ゲームとして練られた部分」の良いとこ取りをして、更に一歩進めようと試みた印象です。
逆に「プレイ・オブ・ザ・ゲーム」のようなそのマッチのナイスなプレイが見られるシステムはなし。揶揄するわけではなく、『CoD』シリーズなどにも採用されており、少し寂しいので今後の追加に期待したいくらいです。
『ガンエボ』は“ガンダム”ならではの、ファンなら嬉しいサウンドや味付けと、ロボット(モビルスーツ)モノ故の工夫も感じられ、新鮮な新作FPSとして楽しむことができきるのではないでしょうか。
ガンエボ:クイックレビュー総括
今回レビューした『ガンエボ』ではいくつかの改善してほしい点も気付きましたが、まだまだクローズドベータ。2022年の正式リリースに向けて、撃ち合いの楽しさやチーム全体でのゲームプレイが要求される点で期待が高まるタイトルでした。
一方でチェックすべきは、リリース後のサポートです。PvPかつキャラクターによってアビリティが異なるタイプのFPSであれば、必ずどこかでキャラクター間のバランス問題が議論となり、一部プレイヤーの不満を招くでしょう。最初から完璧にバランスが取れたFPSというものはなく、たとえ一時的にバランスが取れたとしても、新コンテンツが追加されることで対戦環境が変化し、再びバランスが崩れてしまうというのは他のタイトルでもよく見られる光景です。
上述したSHAKAさんも、配信の中でザクを使って勝利し「ザク最強!」と声を上げるなど、テストプレイの段階ではガンダムよりもザクの方が強いという印象を与えていました。もちろん機体の相性や個人のスキルも考慮されるでしょうが、データ分析により極端にピック率が高い、または低い機体が明らかになったとき、プレイヤーやコミュニティ全体にとって満足のいく、適切な強化・弱体化を行っていけるかが、ガンエボ全体の継戦能力を決めることになるでしょう。
「ガンダムFPSというコンセプトは最高」。「カジュアルに楽しく撃ち合えるが、頭を使ったチームプレイこそ重要」。「成功の鍵はリリース後のバランス調整次第」。以上の3点でもって今回のレビューの要約としたいと思います。
2022年の正式サービスに向けて、バンダイナムコオンラインからの続報をお見逃しなく。FPSファンのEAA!!としても、国産FPSをできる限り応援したいと思います。
- 『GUNDAM EVOLUTION』公式サイト
TESTをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント
コメント一覧 (15件)
「ドムトルーパー」とか普通に武装のユニークさがヒーローシューターにあっただけだよな。
例えば、フリーダムは人気はあるけど所詮、高機動でマルチロック射撃できるだけで、参戦してもジムとかみたいに捏造スキル追加されるだけだとう思う。
〇〇がXXの負けるのは設定的におかしいとか、〇〇何で出ないのとか言う奴もでるだとうけど、運営は頑張って欲しい
p2wは流石にしないと思うけど
画面まんまOWで驚いたけど、あのタイプのゲーム好きだから少し楽しみ。