MicrosoftによるActivision Blizzardの買収が当初の計画通りに行なわれるかに注目が集まる中、PlayStationを手がけるSIEのCEOジム・ライアン氏が、Xbox版とPS版の両方でCoDをリリースするという2社間の契約は、「SIEとActivisionの契約終了後3年間のみ」のものであると明かしました。
難航するActivision Blizzard買収計画
MicrosoftによるActivision Blizzardの買収が報じられた後、議論となった点の1つは「Microsoftがゲーム産業を独占し、健全な市場競争を損なう可能性」でした。この点については目下調査が続いており、先日もイギリスのCMA(競争・市場庁)による本格調査に進む可能性が報じられました。
ビジネスの事情はともかく、我々プレイヤーにとって気がかりなのは「『Call of Duty(コール オブ デューティ)』シリーズは今後もPlayStationでも発売されるのか、それともXboxの独占タイトルとなるのかという点です。
MicrosoftのXbox事業を統括するフィル・スペンサーCEOは、買収が発表された1月の時点で、「Activision買収完了後も数年は、CoD作品をPS版でもリリースし続け、全プラットフォームで同じ機能をもたせることを保証する」旨をソニー側と同意していると述べていました。「数年」という部分が引っかかるものの、PS版CoDプレイヤーはこの報道にとりあえず一安心となりました。
数年=たったの3年。ジム・ライアン氏が明かす
しかし現地時間9月7日、PS版CoDプレイヤーに不穏な一報が飛び込んできました。PlayStationを手がけるSIEのCEOジム・ライアン氏が、Gamesindustry.bizに向けて以下のコメントを寄せています。
「民間企業間での話し合いと理解していたので、コメントするつもりはありませんでしたが、フィル・スペンサー氏がこの件を公の場に持ち込んだことから、事実関係をきちんと確認しておく必要を感じています。
Microsoftは、Activisionとソニーの現在の契約が終了した後も、『コール オブ デューティ』を3年間PlayStationに留まらせることを提示したのみです。『コール オブ デューティ』は20年近くPlayStationのもとにあったことから、Microsoftの提案は様々な点で不十分であり、プレイヤーの方々への影響を考慮できていません。我々は、PlayStationプレイヤーの方々に最高品質の『コール オブ デューティ』体験を提供し続けることを保証したいのですが、Microsoftの提案はこの規範を損なうものです」
ライアンCEOにより、PS版CoDの新作リリースについて「数年間」続くと濁されていた部分が、ActivisionとSIEの契約終了後3年間と、具対的な年数が明かされました。
2027~2028年には「PS版CoD」が消える?
なおBloombergの以前の報道によると、ActivisionとSIEの現在の契約は2024年まで続きます。そこから3年はMicrosoftとSIEの契約が有効であるとすると、2027年から2028年にかけての新作から、XboxがCoDを独占することが可能になると予想されます。
ライアンCEOの言葉は「事実関係をきちんと確認しておく(set the record straight)」、「(提案は)さまざまな点で不十分(inadequate on many levels)」など、Microsoft側に誤りがあり、それを批判するような内容となっており、最終的にはCoDシリーズがXbox独占となることを見据えたような話しぶりです。
『Cod:MWll』『ウォーゾーン2.0』は無関係だが...
10月28日にリリースされる最新作『Cod:MWll』や、年内リリースが予定されている『ウォーゾーン2.0』は、少なくとも今回の話とは無関係です。しかしCoDのプラットフォームが今後どうなるのか未だにはっきりしていない点は、PS版プレイヤーの不安の種であり続け、ゲーム産業のみならずプレイヤーコミュニティにもダメージを与えることが懸念されます。
買収計画そのものの経過も含めて、Microsoft側からの次の発言が待たれるところですが、いずれにせよ多くのCoDファンが納得する形におさまることを祈るばかりです。
MicrosoftによるActivision Blizzard買収騒動の流れ
約690億ドル(約9兆円)にも登る巨額買収騒動の流れは下記をご覧ください。
- [速報] MicrosoftがActivision Blizzardを買収へ、総額687億ドル
- 「CoDシリーズのXbox独占」は実現しない? 反トラスト法違反の可能性を市場アナリスト指摘
- マイクロソフト社長が今後もCoDをPlayStationでリリースの意思を表明、さらにSwitchでも展開を希望
- MicrosoftのActivision Blizzard買収に「待った」 “ゲーム市場の競争阻害”の懸念を英規制当局が調査中
- MicrosoftのActivision Blizzard買収がさらに難航か、英当局による本格調査”フェーズ2″に進む可能性
- Activision Blizzard買収後『CoD』シリーズはどう変わる? PS版はもう出ない? 現時点のQ&Aまとめ
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare ll(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅱ)
- 発売日:2022年10月28日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
Source: Gamesindustry.biz
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コメント
コメント一覧 (18件)
ソニーが大金払って契約更新してもらえばええだけやろ
永続契約なんてする会社あるわけないやろアホなのかジムライアンは
まあ無理だろ
そもそもユーザーの半分がプレステなのに
スカイプ潰したマイクロソフトらしくcodも潰す気か?
自分のところは一切お金出さないで独占しないでくださいは都合良すぎるだろ。そもそも買収するのは人も含めてるわけで
それ以降はXBOX PASSでPC当日配信でもするなら問題ないけどな