Ubisoft(ユービーアイソフト)の『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』国内eスポーツ競技シーンでは、X-MOMENT主催の日本プロリーグ「Japan League 2023」シーズン2が進行中。
9月17日の時点で、「ノックアウトステージ」のDAY2までが終了。CYCLOPS athlete gamingとKAWASAKI SCARZのアトランタメジャー出場が決定した。
RJL 2023 ノックアウトステージ DAY1&DAY2結果
- 準々決勝
- IGZIST vs Crest Gaming Lst:0-2
- KAWASAKI SCARZ vs SAITAMA FAV gaming:2-0
- 5位決定戦
- IGZIST vs SAITAMA FAV gaming:0-2
- 準決勝
- CYCLOPS athlete gaming vs Crest Gaming Lst:2-1
- NORTHEPTION vs KAWASAKI SCARZ:1-2
- 配信ログ
- 「RJL 2023 Season2」関連記事:
CAGとSCARZがメジャー出場決定!
9月9日の時点で、プロ8チームによる「グループステージ」が完結。6チームが次の「ノックアウトステージ」で対戦することとなった。
9月16日と17日には、ノックアウトステージのうち準決勝までの5試合を実施。勝利してグランドファイナル進出を決めたCYCLOPS athlete gaming(CAG)とKAWASAKI SCARZは、この時点で現地時間10月30日からスタートする世界大会アトランタメジャーへの出場権を確保した。
アトランタメジャーには、日本に3チーム分の出場枠が用意されている。最後の1枠は、一般参加チームもまじえたオープン予選からつながる、メジャーLCQ(最終予選、10月7日~15日開催)で決定する。
準々決勝
準々決勝第1試合はIGZIST vs Lst。第1マップ「山荘」からスタートした。防衛から入ったIGZISTは創造性のある作戦を持ち込みつつ、快調にスコアを重ね、4-0とリード。しかし、Lstは対応に成功し、5-6の逆転マッチポイントから、5-7での勝利を遂げた。
第2マップ「銀行」でも引き出しの多さを披露するIGZISTだったが、LstはTyopi選手やSironeko選手がキル獲り役としての仕事を果たし、2-4でリードする。IGZISTのamb3rxdコーチはタイムアウトで選手たちに檄を飛ばすも、Lstはその後も攻撃でリードを重ね、2-6とマッチポイントに。5-6まで耐えたIGZISTだったが、最後はパーフェクトラウンドでLstが5-7で勝利。準決勝への進出を決めた。
準々決勝第2試合はSCARZ vs FAV。第1マップの「国境」では、マップ構造を活かして互いに撃ち合い、ラウンドを取り合う展開となり、6-6とオーバータイムに突入する。しかしSCARZが7-6でリードした次の第14ラウンドでは、Taiyou選手とFishLike選手が人数不利の中で耐え抜き、SCARZは8-6で辛勝した。
続く第2マップでは、うってかわってSCARZが支配する一方的な展開になった。防衛からスタートしたSCARZは、Fenrir(フェンリル)のF-NATTをはじめ強力な防衛ガジェットで相手を遅延させつつ、縦長のマップ構造を活かしてSolice(ソリス)やPulse(パルス)で情報優位も確保。気が付くと、6-0と圧倒して攻防を交代する。その後の第7ラウンドではPyon選手のMontagne(モンターニュ)による強行設置も刺さり、ラウンドスコア7-0で堂々の勝利。全体マップスコア2-0で、SCARZは準決勝への進出を決めた。
5位決定戦はFAVに軍配
準決勝の前には、IGZISTとFAVによる5位決定戦が実施された。グループステージで両チームが対戦した「領事館」も再びピックされたが、今回は2マップともにFAVが制し、2-0で勝利。ノックアウトステージを5位で終え、メジャーLCQへの出場権を得た。
敗れたIGZISTは、YOKOHAMA DONUTS VARRELやFNATICとともに、一般参加チームもまじえた予選プレイオフ(9月29日開催)からメジャーを目指す。
準決勝1:CAG vs Lst
メジャー出場権をかけた1つ目の準決勝、CAG vs LstによるBO3がスタート。ここで国内リーグ公式戦に、新マップ「ナイトヘイヴンラボ」が初めてピックされる。
攻撃スタートしたCAGに対し、LstはSironeko選手が定番のピーク、飛び出しポイントを紹介するような動きで翻弄し、1-2とリード。しかしCAGも地下から一気にキッチンを制圧する手筋を披露し、前半は3-3で拮抗して攻防交代する。
Lstがタイムアウト後にラッシュをかけるも、CAGはどうにかこれを抑止し、6-4でマッチポイントを獲得。最後はChibisu選手が撃ち合いで解決し、怒濤の16キルを計上。ラウンドスコア7-5でチームに勝利をもたらした。
第2マップ「山荘」でも再び膠着模様となり、3-3で攻防交代。後半で攻撃に回ったCAGは、ここでAnitun選手のMontagneを投入する。人力で情報収集しながら押し込むCAGだったが、Lstもうまく対応し、5-5でイーブンな戦いが続いた。「山荘」では最終的に、ディフューザー設置後の攻防を制したLstが5-7で勝利し、マップスコア1-1で決着は付かず。
ディサイダーとなった「クラブハウス」。第2ラウンドではCAGが個人の強さをアピールする。2v4になった中、SuzuC選手がLstのWh1skey選手との1v1を制してラウンド取得かめなど、4-2でCAGがリードして攻防交代となった。
しかし攻撃に回ったLstは、素早く4-4と追いつくと、4-5とリードに成功。LstがCAGを破る可能性がにわかに現実味を帯びる。
しかし、そこで違いを作ったのはCAGの大ベテランAnitun選手だった。第10ラウンドではハイリスクな餅つきを通してLstの侵攻を阻み、スコアを5-5と調整。さらに6-5で先にマッチポイントを獲得した第12ラウンド終盤では、Echo(エコー)のヨーカイドローンでLstのディフューザー設置阻止に成功。こうして、ラウンドスコア7-5。最終マップスコア2-1で、CAGのアメリカ行きが決定した。
春のコペンハーゲンメジャー出場を逃し、調整期間と目されていたCAG。しかしオフシーズンにはサウジアラビアの超高額賞金大会「Gamers8」に出場するなど、新ロースターのポテンシャルをアピールし続けてきた。
改めてメジャーへの挑戦がかなった今、現在のメンバーで世界のチームとどのように戦うのか、大きな期待が寄せられている。
準決勝2:NORTHEPTION vs SCARZ
NORTHEPTION vs SCARZは、シーズン1のグランドファイナルをほうふつとさせるマッチアップ。前回はSCARZが3-1で勝利し、その後コペンハーゲンメジャーに出場した両チームだが、今回はメジャー出場権をかけた戦いとなった。
第1マップ「オレゴン」で攻撃からスタートしたNORTHEPTIONは、SCARZの出方を冷静に分析しつつ、緩急をつけた攻撃を見せる。しかし読み合いではSCARZも劣らず、前半は2-4でSCARZがリード。
比較的有利とされる防衛に回ってから、NORTHEPTIONもすぐに4-4と寄せてみせたが、SCARZはここでMontagneとBlitz(ブリッツ)のシールド2枚構成を見せ、4-5で先を行く。
「オレゴン」での戦いは、結局6-6とオーバータイムにもつれ込み、さらに7-7と、フルラウンドに至った。しかし最後はSCARZが、火炎と毒ガスによるNORTHEPTIONの遅延作戦を無視し、敢えてディフューザーの強行設置に成功。ここぞという場面で大胆な選択肢を取る試合巧者ぶりで、SCARZは「オレゴン」を7-8で制覇した。
第2マップ「クラブハウス」では、NORTHEPTIONが防衛スタート。比較的防衛有利な構造を活かし、順調に3-0とリードした。グループステージでもチームを幾度となく救ったyuKiz選手はここでも輝き、4-2で及第点的な攻防交代を果たす。
防衛に回ってからのSCARZも、Fishlike選手の活躍で4-4まで迫る。しかし攻撃でNORTHEPTIONはOsa(オサ)を使ったセットプレーを通し、6-4で先にマッチポイントを獲得。6-5と一旦寄せられたところでタイムアウトを取り、チーム内で入念に確認。次のラウンドでSCARZの地下防衛を攻略し、7-5での勝利を得た。
マップスコア1-1となり、決着は第3マップの「カフェ」へ。ここは前日にSCARZがFAVを7-0で粉砕したマップで、SCARZは今回攻撃からスタートする。序盤こそ2-0でNORTHEPTIONがリードしたが、SCARZのリーダーPyon選手が、Capitao(カピタオ)やMontagneを使った作戦を徐々に機能させていく。SCARZは4ラウンド連取で2-4。攻防交代してからもストリークは続き、6ラウンド連取で2-6。SCARZが先にマッチポイントを獲得する。
しかし、NORTHEPTIONも堅実な組み立てで攻め、3-6と粘る。タイムアウトも挟みつつラウンドを取り返し、スコア5-6と、一気に難しい局面にしてみせた。
ここでSCARZは、タイムアウトを挟んだ後、3階防衛を選択して勝負に出た。Azami(アザミ)やCastle(キャッスル)で拠点を複雑化してNORTHEPTIONに手順の選択を迫りつつ、Fishlike選手がハイドからのクワッドキル(4キル)でシャットアウトに成功。
攻撃側のせん滅に成功したSCARZは、最終ラウンドスコア5-7、マップスコア1-2で勝利。2シーズン連続のメジャー出場を確定させた。
コペンハーゲンメジャーで世界デビューして注目され、ベスト8という成績で見事にそれに応えたSCARZ。アトランタメジャーでは、まずベスト8には至ることが期待されている。「世界ベスト4になる」とは、歴代シージ日本チームの最高記録タイとなることを意味する。ハードルは高いが、ハードワークを結果に結びつけてきたSCARZは、アトランタの地でどんなドラマを見せてくれるだろうか。
10月1日にグランドファイナル
なお、ノックアウトステージはまだ終了していない。10月1日午後4時から始まるグランドファイナルでは、CAGとSCARZによるBO5が行われる(配信:X-MOMENT)。
シックスメジャーは「フェーズ1」から「フェーズ3」まで続く3部構成。「ノックアウトステージ」で優勝したチームは、フェーズ2から出場できる。準優勝チームはフェーズ1からの出場となる。
メジャーは約2週間にも渡る長期戦だ。海外でのチームのコンディションや、他のチームに手の内を隠しておきたいという盤外戦の要素を踏まえると、どちらのチームもフェーズ2からの出場を目指したい。メジャーへの出場権は確保したCAGとSCARZだが、グランドファイナルは、単なる消化試合とは程遠い、極めて重要な一戦と言える。
またファン目線では、日本国内におけるシーズン2の序列1位が定まるという点でも意義深い。ロースター改造で復活を遂げたCAGと、結果を積み上げ続けてきたSCARZ。果たしてどちらが強いのか。コミュニティでも、ファンの間でさんざん議論されてきたポイントだ。10月1日のグランドファイナルBO5で、すべてはっきりするだろう。
Source: X-MOMENT
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SZほんまカッコよかった