Microsoft(マイクロソフト)は現地時間4月25日、2024年度第3四半期決算を発表。同社が手がけるXboxを中心としたゲーミング事業では、売上高が51%増加した。
最新作である『Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 3/ MWⅢ)』をはじめ、2023年に買収完了したActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)のCoDシリーズが、好パフォーマンスで親会社に貢献した形。ゲーム性についてはコミュニティからさまざまな意見を耳にする『MW3』だが、セールス面では好調のようだ。
『コール オブ デューティ』がMicrosoftのゲーム売上に寄与
現地時間4月25日に発表されたMicrosoftの2024年度第3四半期決算。全事業の売上高は昨対比で17%増の619億ドルと、市場予想の608億ドルを上回る結果に。これを受け、Microsoftの株価は時間外取引で4%以上上昇した。
Xboxを中心としたゲーミング事業では、売上高が51%増加した(GAAPベース。為替レートの変動影響を踏まえると50%)。このうち55%はActivision Blizzardの買収が寄与している。Xbox関連のコンテンツとサービスも62%増。一方でXboxのハード自体の売上は、リリースされてから時間が経ったこともあってか31%減少した。
ゲーミング売上増については、「Activisionのタイトルが予想を上回る好パフォーマンス」。とりわけ、『コール オブ デューティ』が主なけん引役になったと説明している。第3四半期は現地時間3月31日までの3ヵ月を指し、『MW3』ではシーズン1とシーズン2が含まれる期間。
Steam ChartsでPC Steam版の人口推移を確認すると、2024年1~3月はちょうど『MW3』リリース後の勢いがおさまってきた時期と分かる。2023年の1~3月と比較して、Steamではプレイヤー人口が減少。しかしこれを踏まえても全プラットフォームでの成績は良かったようだ。なおSteam版のデータは『MW2』、『MW3』、『ウォーゾーン』を合算したもの。
海外ファンからさまざまな感想
Sledgehammer Games(スレッジハンマーゲームズ)がメイン開発を担当する『CoD:MW3』を中心に、CoDシリーズは好調。今期の決算に、海外ファンはさまざまな感想をCharlieIntelのリプ欄に寄せている。
- 肯定的:
- 「絶えずコンテンツを出し続ける点ではトップクラスだ。『CoD:ガルフ・ウォー(関連記事)』もこんな感じであって欲しい」
- 「Microsoftもスレハンには大感謝だろう。『MW2』から一気に転換させたし、これは良いゲームだよ」
- 「プレイヤーの声を聞いてるのが成功のカギだ」
- 「スレハンのゲームはいつだって大好きさ。自分の意見では、Treyarch(トレイアーク)よりスレハンの方が最高のCoDを作ってるよ」
- 否定的:
- 「フランチャイズのファンを"失う"ための正しい道を歩んでるのに」
- 「俺のフレンドは多くがPC版だけど、ほとんどみんな止めたよ。チーターはいるし、エイムアシストはぶっ壊れだし、スキルマッチも壊れてるし、ゲームの管理も全然できてない。みんないつも過去4作のCoDをやり続けてる。これは良い兆候じゃない」
- 「開発側が目指してる方針だと、俺はまったくやる気が起きないし全然ハマれない。次の新作もちっとも楽しみじゃない」
- 「2009年からずっとCoDをやってるが、このゲームは2ヵ月も経たずに止めた。スキルマッチを削除するまで別のCoDを買うつもりもない」
20年もの歴史があるシリーズなので、さまざまに異なる意見が飛び交うのは自然なこと。とはいえ『MW3』については時期的にActivision Blizzardの買収が絡んでいたこともあってか、現在の、そしてこれからの「コール オブ デューティの方向性」に関する議論をXやRedditなどでよく目にする。
MW3で見られた「CoDの方向性」
『MW3』ではさまざまな試みが見られた。膨大な新コンテンツの継続リリースというスタイルは維持ししつつ、「アフターマーケットパーツ」という新たなアタッチメントで、同じ武器でもプレイに変化がつけられるようにしたのが1つの興味深い変更点。
一方では、報酬付きの「ウィークリーチャレンジ」を導入。さらに大小さまざまなテーマイベントを常に開催することで、プレイヤーに次の目標を与え続けている。
2022年の『Call of Duty: Modern Warfare ll (コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア 2/ MWll)』に引き続き、他作品や有名人とのコラボも盛ん。シーズン3リローデッドではNBA選手のデビン・ブッカーがプレイアブルオペレーターとなって登場する。ゲーム外でも、昨年と同じく「モンスターエナジー」や、新興ブランドの「OFFLIMITS(海外のシリアル)」のような食品ともコラボして、ゲームの認知度をさらに高めた。
一連の取り組みより、確かにさまざまな方面から新規プレイヤーを獲得できているようだ。2023年のアクティブプレイヤー数も各プラットフォームでベスト10入りしており、外から見れば成功作に数えられる。しかしその一方、旧作からずっとプレイしているコミュニティメンバーは今のCoDに白けているという構図が見て取れる。
「クレイジーなスキン」乱発、コミュニティ内の分裂は深刻
コミュニティとのあつれきを感じる昨今の動向の1つとして、『MW3』では動物や怪物など、ジョークめいたオペレータースキンがかつてないペースでリリースされている点が挙げられる。コミュニティでは、こうした流れは『フォートナイト』の成功を真似したものであり、『コール オブ デューティ』にとって悪影響という批判も見られる。
「『コール オブ デューティ』や他の多くのゲームが、『フォートナイト』の成功を再現しようとして大失敗してるのは明らかだ。バトルパス、武器設計図、バンドル、2つのバトルロイヤルゲーム全体、すべてクレイジーだ。ルートボックスについて文句を言っていた頃を覚えているか?」
非現実的なスキンは、キャンペーンのストーリーで描かれる「リアルなミリタリーシューター」の世界からは大きくズレたもの。(一応ネタバレは伏せるものの)キャンペーンで起きた重大なイベントを踏まえると、なおさらギャップを感じるだろう。
しかし、CharlieIntelが内部関係者から聞いた話によると、実際のところ「アニメのスキンやクレイジーなスキンは、このゲームで最も売れているものの1つ」とのこと。「大失敗」と判定しているRedditユーザーと完全に食い違っており、同じCoDコミュニティの中でもプレイヤー間の意見の相違は深刻だ。
2024年はどんなCoDに?
いずれにせよ、今や親会社となったMicrosoftからも高く評価されたとなれば、2024年も同様の取り組みが続くのだろう。「今のCoDにはついていけない」と去って行くプレイヤーの代わりに、さらに多くの新規プレイヤーを獲得できるかがポイントになる。
あるいはActivisionも、現在のCoDに批判的な層からの反発は気にしており、2024年の新作は『MW3』とはまた異なる方向性になる可能性もある。多様なファン層をどのようにうまく納得させるのか、それともいずれかの層のことは諦めるのか。次の動きが非常に気になるところだ。
なお2024年の『コール オブ デューティ』新作は、まだ正式発表されていない。コミュニティの噂話では、「2024年はTreyarchがメイン開発。中身は湾岸戦争を舞台にしたブラックオプスの新作。タイトルは『コール オブ デューティ ブラックオプス ガルフ・ウォー』」という説が主流。真偽は間もなく明らかになるだろう。
- タイトル:Call of Duty: Modern Warfare Ⅲ(コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア Ⅲ)
- 発売日:2023年11月10日
- 対象機種:PS5/PS4, Xbox X|S/Xbox One, PC(Battle.net / Steam)
Source: Microsoft, X
TESTをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント
コメント一覧 (14件)
雑魚押し付けてくるスキルベースマッチだけ無くせ。話はそこからだ
リバース始まって約50通くらいバン通知来てるけど他ゲーってこんなチーターいるの?
下手くそのウォールハック程度なら何とかなることもあるから分かりにくいけど、エイムボットもまぁまぁいるし
とくにこのくらいの時間必ずと言っていいほどいるわしかも一マッチに数名
APEX、VALO、フォートナイトも民度終わってるけどある程度流行ってる
上三つがCoDより民度がマシなのもあるけど、CoDが流行らない大きな要因は現実的な雰囲気とか武器のFPSは合わないSF専門シューターが多いのと中身の杜撰さに釣り合わない値段の高さだよ
3000円くらいならもう少し流行るんじゃない、MW3みたいな失敗作でも
WZはAPEXとフォトナがある所に殴り込みかけても日本じゃ勝ち目ないから流行らんだろうけどね
それはそれとしてCoDユーザーの民度はlolとか荒野行動とタメ張れるレベルには最悪だけど
ここのコメ欄見れば分かるけどcodが日本で流行らない理由の一つにユーザーの性格が悪いが絶対関係してるわw