Ubisoftの『Rainbow Six Siege(レインボーシックス シージ)』競技シーンでは、デンマーク・コペンハーゲンにて世界大会「BLAST R6 Major Copenhagen 2023(以下、コペンハーゲンメジャー)」が開催中。この記事では大会の「フェーズ3」におけるDAY1の結果をお届けします。
「コペンハーゲンメジャー」フェーズ3 DAY1の結果
日本時間5月5日夜から行われた「フェーズ3」DAY1で、日本チームKAWASAKI SCARZはブラジルの今季トップチームであるFaZe ClanとBO3を行い、善戦するも惜敗。メジャーの舞台からは去ることとなりました。
しかしながら、日本チームにとって実に4年ぶりとなる世界ベスト8の成績は、日本のみならずAPAC地域全体のシージファンたちにとって、大きな励みになったと言えるでしょう。
その他の結果を見ていくと、一国で巨大なシージコミュニティを有するブラジル勢は、3チームがベスト4に入り込む大戦果。「シックスインビテーショナル2023」チャンピオンであるG2は、因縁の相手とも言えるLiquidに今回は屈することとなりました。
ベスト4の全チームがブラジルになる可能性もありましたが、辛うじてそれを阻んだのが北米チームSoniqsでした。今季の北米リーグでは重要な試合で勝てず、予選からどうにかメジャーに出場したチームですが、2022年もほぼ安定してトーナメントの上位にいたように、オフラインでの強さは健在のようです。
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「銀行」ではFaZeのテンポに苦戦
日本チームのSティアトーナメント(メジャーとインビテーショナル)における成績は、これまで野良連合が打ち立てた世界ベスト4が過去最高記録でした。しかし今大会で、SCARZが4年ぶりに記録に挑戦することとなりました。
トーナメントもベスト8まで来ると、無難な対戦相手は存在しません。日本時間5月5日の夜から行われた準々決勝の相手も、ブラジルにおける序列1位のチームFaZe Clanでした。
第1マップとしてSCARZは「銀行」をピックし、防衛からスタートします。第1ラウンドではWqsyo1選手が早速2階の窓から飛び出し、ベスト8全体におけるオープニングキルを奪うことに成功しますが、いつの間にか拠点に入って終盤の寄せを始めていたFaZeにラウンドを取られてしまいます。
この最初のラウンドの時点から、FaZeの素早さが気になり始めます。やはり続く第2ラウンド、第3ラウンドでも、FaZeはRJLチームでは見られないハイペースさで防衛陣を攻略し続け、気が付くとSCARZは5-1の大差をつけられての攻防交代を迫られる形になっていました。
攻撃に回ってからは、SCARZもどうにか相手の手の内を見抜きつつ、2階攻撃と地下攻撃を成功させて5-3。FaZeにタイムアウトを迫ります
FaZeは連続で地下防衛をピックすると、今回はコンパクトな防衛陣を軸に巧みなタイミングピークをしかけ、6-3と先にマッチポイントを獲得。タイムアウトでの修正が的確に機能したことを示し、第1マップは7-3でFaZeの勝利に終わりました。
SCARZの修正力が観衆を沸かす
ピックマップを落としたSCARZは、続いてFaZeがピックした「高層ビル」に向かいます。ここは「フェーズ2」でもブラジルチームNiPとBO1で戦い、SCARZが敗れたマップです。
嫌な予感は序盤から現実のものとなり、芸術的なダブルピークをはじめ、練度の高さを見せつけるFaZeは、早々にラウンドを連取して2-0。SCARZは早めのタイムアウトを取りますが、次のラウンドも取られ、3-0とFaZeに勢いを与えてしまいます。
しかし日本のオフライン大会でも度々目撃してきたように、BO3におけるSCARZの修正力は世界トップクラスのものでした。相手の連携に拾われないようカバーの意識を高めつつ、3-1、3-2、3-3と寄せると、第7ラウンドではWqsyo1選手とFishLike選手が緊迫の2v2を勝ち取り、連携力では劣っていないことを証明します。さらに3-5とリードを掴み、ついに息切れしたFaZeにタイムアウトを取らせることに成功しました。
重要となった次の第9ラウンドでしたが、ここで天佑とも言えるFaZeのチームキルにも助けられたSCARZは、チャンスに乗じてラウンドを獲得。3-0から6ラウンドを連取して3-6と、大逆転マッチポイントを獲得します。
第10ラウンドではFaZeのCyber選手に耐えられて4-6とされたものの、最後は一瞬の隙をついて拠点内に潜り込み、ディフューザー設置に成功。最終スコア4-7で「高層ビル」での戦いを制し、内容ともに充実した中で第3マップへと突入することに成功しました。
惜敗も、メジャー初挑戦でその名を轟かす
「フェーズ3」からは、コペンハーゲンに集まった世界の観衆の前での試合となりましたが、「高層ビル」でのSCARZの逆転劇は人々を魅了し、客席からは「Let's go SCARZ!」の声援が飛び交い始めます。
観客を味方につけたSCARZは、ディサイダーの「山荘」でFaZeとの決着の時を迎えます。しかし、ここでFaZeのKDS選手やCyber選手がその脅威度をさらに高めつつ、彼らの素早い押し込みも再び機能し始め、3-2とリードされる展開に。同様の手法が通用すると読まれたのか、手早く押し込まれる場面が続き、SCARZは4-2とリードされて攻防を交代します。
第7ラウンドを落として5-2となったSCARZは、ここでタイムアウトを入れて勝負に出たものの、その後の地下防衛もFaZeに守り切られ、6-2と先にマッチポイントを取られます。
多方面からの攻撃展開がどうにか刺さり、6-3までは抵抗したSCARZでしたが、ここで彼らもついに力尽きることとなったようです。次のラウンドをとFaZeに取られ、最終スコアは7-3。全体マップスコアでは2-1となり、この瞬間にFaZeのベスト4進出、そしてSCARZの大会敗退が決定しました。
国内リーグRJLには2022年度からデビューを果たしたSCARZ。その年は圧倒的な成績でチャンピオンに戴冠すると、2023年はいよいよシックスメジャーに初挑戦するチャンスを掴み取りました。
SCARZは見事にファンの期待に応えてくれました。メジャー初挑戦で世界ベスト8。道中ではインビテーショナルチャンピオンの実績を持つチームSSGにBO3で勝利し、メジャーのタイトル経験のあるFaZeから1マップを取るという大活躍をしてみせました。何よりも、SCARZらしいクレバーで粘り強い戦いを世界の強豪チームに対しても見せてくれたことは、日本のシージ界のみならず、APAC全体にとっても歴史的なメジャーだったと言えるでしょう。
国内のプロチームや、プロを目指すチーム、SCARZ以外のチームを応援するファンの方々も、彼らの戦いにはそれぞれ思うところがあったでしょう。秋からは、RJLのシーズン2が開幕予定です。フェーズ1から出場したVARRELやNORTHEPTION。さらにはメジャーの「日本代表」を長らく務めてきたCYCLOPS athlete gaming。日本のプロリーグを構成する各チームが、次のメジャーに向けてどんなシージを見せてくれるかに注目しましょう。
コペンハーゲンメジャーも残り3試合
- コペンハーゲンメジャー・ベスト4チーム
- W7M(ブラジル)
- Soniqs(北米)
- FaZe Clan(ブラジル)
- Team Liquid(ブラジル)
- ※カッコ内は所属リーグ
4月24日から始まったコペンハーゲンメジャーも、残り3試合となりました。
世界中から16+8チームが出場した今回のメジャーですが、ベスト4に3チーム残ったブラジル勢(W7M、FaZe、Liquid)が、「シックスインビテーショナル2024」の開催地にふさわしい、シージ界での強い存在感を引き続き発揮しています。
ヨーロッパ勢とAPAC勢は、既に全チームが敗退。一方で、北米勢の最後の希望となっているのがSoniqsです。果たしてグランドファイナルは、インビテーショナル2021やスウェーデンメジャー以来のブラジル大決戦になるのか、それとも南北アメリカ対決になるのか。さらには、Sティアトーナメントでのタイトル経験が無いW7MやSoniqsが、初の栄冠を勝ち取ることができるのかなど、最後まで注目ポイント盛りだくさんです。
コペンハーゲンメジャーのセミファイナルも、TwitchまたはYouTubeのシージ公式チャンネルでお楽しみください。
Source: YouTube, Twitter
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コメント
コメント一覧 (1件)
勝てる少人数戦を落としたラウンドが結構多くて勿体なかったな
あとは緊張してるのか地力の差なのかわかんないけど、チームの動きに合わせられない人いたなのが気になった
FaZeには勝てそうだったし、SCARZだけはstage2でも希望ありそうだったね
シーズンオフで海外合宿とかしてくれたらいいけどねぇ