Microsoft(マイクロソフト)によるActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)買収計画が、ようやく完了へと向かいそうだ。過去に買収差し止めの結論を下していた英国の規制当局「競争・市場庁(CMA)」が9月22日、買収を暫定的に承認する発表を行った。
英CMAが買収を暫定承認
MicrosoftによるActivision Blizzard買収は、米国の規制当局である連邦取引委員会(FTC)の裁判を切り抜けたことで、ほぼ決定的になっていた。残るは、反対の結論を出していた英CMAの翻意を促すことのみだ。
CMAの懸念は、買収によってクラウドゲーミングの分野がMicrosoftに独占され、市場の競争を阻害することにある。これに対処するため、MicrosoftはUbisoft(ユービーアイソフト)と新たな契約を締結。今後15年、 Activision Blizzardからリリースされるゲームをクラウドで配信する権利をUbisoftに与えた。「クラウドを独占する」という指摘に対し、Ubisoftに権利を分けることで自らの能力を制限した形だ。
これを受け、CMAは改めて買収の可否について調査を進めていた。そして9月22日、暫定的な結論として、Microsoftの新たな提案は上述の懸念を解消するものと確認。買収承認の結論が得られる可能性が一気に高まった(CMAのリリース)。
CMAスタッフのコメント
CMAのCEO、Sarah Cardell氏は「Microsoftは、契約を大幅に再編成し、当初の懸念に対処するために必要な措置を講じている」とコメント。一方で「最初の調査段階でこの提案をしてくれれば、はるかに良かっただろう」ともしている。
調査のフェーズ1におけるシニア・ディレクター、Colin Raftery氏も次のように述べている。
「取引が適切に実施されるよう追加的な保護措置が講じられることで、市場の構造が維持され、オープンな競争によって今後もクラウドゲーミングの発展を形作ることが可能になる。英国のゲーマーは、クラウドベースで複数のゲームにサブスクリプションするサービスなど、さまざまな方法でActivisionのゲームにアクセスする機会を得られる」
現在は10月6日までさらなる協議を行っている段階で、最終的な結論は買収期日である10月18日までに下される見込み。2022年の初頭から続いてきた買収計画だが、ようやく完了に至りそうだ。
MicrosoftによるActivision買収完了までの経緯
- 2022年
- 2023年
- 1月:GoogleとNVIDIAが買収に懸念2月:MicrosoftがNVIDIAとの新たな契約3月:ソニーに対し、10年間のCoDライセンス契約を提案3月:MicrosoftがBoosteroidと10年間の契約3月:英CMAが暫定判断、「競争を著しく後退させない」3月:日本の公正取引委員会が買収を容認
- 4月:英CMAが買収を差し止めする結論
- 5月:欧州委員会が買収を承認
- 6月:Microsoftスミス氏が訪英。イギリス抜きで買収完了の可能性示唆
- 6月:FTCが連邦裁判所に買収の仮差し止め申請
- 7月:MicrosoftがFTCに勝訴
- 8月:MicrosoftがUbisoftと新たな契約
- 9月:英CMAが買収を暫定承認(本記事)
- 10月:英CMAからの結論(予定)
Source: CMA
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コメント
コメント一覧 (8件)
お互い様ってかソニーはもっとやり口汚いブロック権だからな
お互い様で済むなら買収にこんな時間かかってないんだよなぁ、そこんとこ何もわかってなさそう
SIEだって散々時限独占してきたんだしMSが独占したってお互い様じゃない?
SIEくん結局10年契約受けたんかい?
ubiなんかに権利売ってどうすんの結局買収認めたるから欧州にも利権よこせってことか
SIE潰し笑
拒否ったのあなたのところのトップですよ笑笑笑
これ結局PSに今後もだすなら買収する意味あったのか?
まぁスターフィールドはプレイ人口しか公表しないとこみても仮に独占しても悲惨な結果にしかならんだろうけど
買収しますけどユーザー第一です、独占しません。が良いのにMicrosoftの場合SIE潰しがモロ出てるからなぁ
まぁ当初の口約束の3年契約とかふざけたものから比べたらだいぶマシになったんじゃないの?