Redditユーザーのtemporyal氏(以下T氏)によって『Battlefield V(バトルフィールド V)』のクライアント内に眠る未実装コンテンツが大量にデータマイニングされましたが、前回の武器やガジェット情報に続く、『BFV』版「Incursions(インカージョン)」となりそうな5対5モードの詳細です。こちらもネタバレや没データの内容が含まれる可能性に注意してください。
今夏実装予定の5対5モード
5対5モードには既存のマルチプレイヤーモードの枠組みより外れた様々な要素が散見されていますが、そういった特徴的な要素を纏めると以下の6つになります。
- ドクトリン
- キット
- 専用ガジェット
- 専用ビークル
- 専用マップ
- サブゲームモード
では早速、上から順に見ていきましょう。
ドクトリン
試合開始前に、分隊長は自分の分隊の「ドクトリン」をノミネートする必要があります。ドクトリンは基本的に第二次世界大戦時の各種特殊部隊の名を冠していて、それぞれユニークなボーナス効果などが発生します。ドクトリンが分隊長によって選択されたら分隊員は決議投票を行い、拒否なら多数決でドクトリンの再選択が可能です。
ドクトリン一覧
- SAS Raiders(特殊空挺部隊・大英帝国):「Who Dares Wins (挑むものに勝利あり)」
- Army Rangers(レンジャー連隊・アメリカ合衆国):「Rangers Lead the Way(レンジャーが道を拓く)」
- Devil’s Brigade(悪魔の旅団・アメリカ合衆国 / カナダ):詳細なし
- Volksgrenadiers(国民擲弾兵・ドイツ国):「Tapfer und Treu(勇気と忠誠)」
- MSK(海軍突撃歩兵中隊・ドイツ国):詳細なし
- Decima Mas(第10装甲突撃艦隊・イタリア王国):「Memento Audere Semper(常に挑み続けよ)」
連合軍用と枢軸軍用で綺麗に3-3に分かれているので、このモードでも両陣営にきっちり分かれて戦う事になるのでしょう。どれも歴史に名を馳せた第二次世界大戦期の特殊部隊ですが、第10装甲突撃艦隊だけ日本語のWikipediaページがなかったのでここで軽く紹介。Decima Flottiglia MASはイタリア王国海軍所属の戦闘潜水工作部隊であり、モーターボートや人間魚雷を駆使し戦艦クイーン・エリザベスや戦艦ヴァリアントを含む軍艦5隻と商船20隻を撃沈させ、軍港への破壊活動も行った海上特殊作戦のスペシャリストです。そしてムッソリーニ解任後、イタリア社会共和国に合流しパルチザン狩りとして悪名を馳せる、どことなく『BFV』タイズ・オブ・ウォー第四章の隠しテーマとされている「レジスタンス」との関係を想起させる経歴を持つ曰く付きの部隊です。
ドクトリンの効果
全ドクトリンはそれぞれ3つのボーナス効果を分隊全員にもたらしてくれます。現状設定されているデータは以下のリストです。
- Blast Armor(対爆スーツ):受ける爆発ダメージを33%減少させる。
- Tenacity(不屈):体力の自然回復速度が早くなり、フルまで回復するようになる。
- Bipod Expertise(バイポッドのプロ):しゃがみ状態でもバイポッドを展開できる。
- Increased Throwables(追加投擲物):グレネードの初期所持数を一枚追加。
- Increased Munitions(追加弾薬):全ガジェットの初期所持数を一枚追加。
- Expert Tracker(追跡技術):スポットされた敵が視線外に移動した際、ミニマップ上でスポットが消えるまでの時間が2秒延長される。
- Fast Fortifications(一夜城):工具を使った構築物の建築時間が通常の半分に減少。
- Intestinal Fortitude(根性):分隊最後の生き残りは選択したキットにかかわらず、分隊員を蘇生する能力を獲得する。
- Recon Plane(偵察機要請):Requisition*を消費すれば敵をスポットする偵察機を要請できるようになる。
- Supply Drop(支援物資投下):Requisition*を消費して医薬品や弾薬の投下を要請できるようになる。
- Squad Deploy(分隊出撃):Requisition*を消費して分隊員から出撃する機能を購入できるようになる。
- Artillery Strike(砲撃要請):Requisition*を消費して支援砲撃を要請できるようになる。
- Vehicle Incendiary(炎属性):Requisition*を消費して入手した戦車全てに焼夷系装備が追加される。
*このモード専用のリソースで分隊ポイントと似たような物。詳細は後文にて。
ドクトリン毎に3つと言いつつも13種類しか発掘されていないのは、まだ未設定のデータがあるのでしょう。注目すべきは「根性」と「分隊出撃」の効果で、これはつまりこのモードでは通常時は分隊蘇生ができない上に、分隊長からのみ出撃の設定になっている事が予想できます。このシステムは『BF1』の「Incursions」を踏襲したものでしょう。
キット
「ドクトリン」を決定したら、プレイヤーは「キット」を選択するため30秒の猶予時間が与えられます。この「キット」は現行のコンバットロールシステムと没案になったアーキタイプシステムの中間的存在のように見えます。
- ゲーム内説明文:「キット選択:専門化したコマンドス兵士もしくは、自分の中隊から兵士を選択してください」
キット一覧
- 分隊長:
- Raid Captain(突撃隊長)
- Control Captain(制圧隊長)
- 突撃兵:
- Range Assault(遠突撃兵)
- Saboteur(工作兵)
- Shock Assault(急襲兵)
- 衛生兵:
- Combat Medic(野戦衛生兵)
- Trauma Surgeon(野戦外科医)
- 援護兵:
- Combat Engineer(戦闘工兵)
- Grenadier(擲弾兵)
- Gunner(機銃手)
- 斥候兵:
- Combat Sniper(戦闘狙撃手)
- Infiltrator(潜入兵)
- Tactician(戦術士)
- 戦車長:
- 「ドクトリン」依存
その他仕様
上記のほかに「ランダム選択」という項目も用意されていますが、分隊長と戦車長はそれぞれ分隊に最大一人までしか存在できません。また、戦闘中にスポット、かく乱、蘇生、回復や弾薬補給などの兵科に対応した行動を取った際に大量のRequisitionポイントが手に入ります。特筆すべきなのは、本モードでは衛生兵以外の分隊蘇生は基本的に不可能になっていることです。
Requisitionポイントの獲得傾向を見るに、『BFV』全体のテーマであるチームワークの推奨を全面的に押し出しているようです。敵の殲滅はもちろん、それ以上に兵科それぞれが自身の役目を把握することが重要になってくるでしょう。
専用ガジェット
すべての「キット」はユニークな特性と装備が設定されており、その内装備に関しては、以下のデータが存在しています:
- Panzerbüchse 39
- Type 89 Knee Mortar
- M1A1 Bazooka
- Model SLD Flare Pistol
- Stationary MG34
- TN17 Radio Jammer
- Breaching Charge
- Shaped Charge
これら装備の詳細情報や、5対5モードに登場しそうな武器に関しては別記事にまとめてあります。
専用ビークル
上で述べた通り、ビークルは一つの分隊につき最大一台までとなっています。現状データが実装されている車両は四台のみ。
- 枢軸軍:
- 38T戦車
- IV号戦車
- 同盟軍:
- スタッグハウンドT17E1
- バレンタインMK VIII
全ビークルはドクトリンごとに、国民擲弾兵38T戦車やレンジャー連隊スタッグハウンドなどのバリエーションが用意されています。
『BF1』の競技的モード「Incursions」では、ビークルは戦車長兵科を選択しないとスポーンさせられないのと、車両を破壊されてしまったら再配備されるまでの数分間、戦車長は強制的に歩兵での出撃となっていました。今作でもその仕様は継続される事になりそうです。「ビークルは無敵」だと思い込まず、きちんと維持する事を前提に運用するのが鍵となり、戦車長兵科を選択しないことも充分選択肢に入るでしょう。
専用マップ
5対5モードは全て専用のユニークなマップに対応しています。その内、プロヴァンス地方の物は既に公式ページに掲載されています。
マップ一覧
プロヴァンス地方
- T氏備考:上図ロード画面が既にリークされている。
ノルウェー地方
- T氏備考:開発者の一人が「まだノルウェーは作り終えて居ない」と以前発言していた。ひょっとしたらファイアストームあるいは「北極光」から切り取って来るかもしれない。
リビア地方
- T氏備考:Aerodromeもしくは大戦の書に出て来た物を調整したマップになるのかな?
カスケッツ島
- Wikipediaより引用:「ブリティッシュ・コマンドスはカスケッツ灯台に二回の奇襲作戦を行った。最初の作戦であるオペレーション・ドライアドは1942年9月2日に実行され、灯台守の7人は捕虜として英国に輸送された」
- T氏備考:BF1のHeligoland Bightを思い出すね。
ロッテルダム:
- T氏備考:多分私達の良く知るRotterdamとは別物じゃないかな。
尚、全てのマップにおいて試合結果のバランスを取るためか、マップ毎に2ラウンド1セットでプレイして、2ラウンド目に陣営が入れ替わるようになっています。
サブゲームモード
このモードは単純なチームデスマッチではない事には留意しましょう。現在設定されているモードは以下の4つです:
- Extraction(離脱)
- Breakthrough(突破)
- King of the Hill(占拠)
- Holdout(持久)
- T氏備考:それぞれのマップはおそらく一つのゲームモードのみに対応。
「Holdout」モードのルールだけ発掘できたので紹介します。このモードでは攻撃側はセクター内に配置されている二つの支援物資を確保する必要があります。確保した支援物資1つにつき1ポイントを得て、防衛側は制限時間が切れるまで守りきった支援物資一つにつき1ポイントを得ます。制限時間を過ぎるか支援物資が両方とも攻撃側に確保されてしまったら、セクターが進行してまた新しく支援物資が2つ配置され、数セクター後に試合終了。最終的にポイントが多いチームの勝ちとなります。
また、競技モードの特徴として、他全てのサブモードもポイント採点式になることが予想されます。
5対5モードはIncursionsの再来か?
T氏によってリークされた情報は以上で全てとなります。ここまで読んだ読者の皆様においては『BF1』の知る人ぞ知る「Incursions」モードを思い出す方もいるでしょう。
Battlefield 1 Incursions Official Introduction Trailer - YouTube
「Incursions」とは2017年の夏頃からDICEがひっそりとクローズドベータなどを通して開発・テストし、2018年3月に正式リリース。そして2019年4月25日にサービスが停止されることが発表されたゲームモードです。『R6S』のようにキャラクターによって選択出来る装備やガジェット、性能が変わってくるという特徴を持っており、「バトルフィールドらしい5対5の競技モード」に対する数々の試験的なアプローチが見られる意欲作でした。
【関連記事】BF1:競技モード「Incursions」詳細、5v5のコンパクトかつ戦略的なモード
BF新時代の幕開け- BF1 eスポーツモード「Incursions」先行プレイ映像
実はこの「Incursions」モードの機能は数多くが『BFV』に継承されています(関連ドキュメント)。例えばマップ上に弾薬箱と回復箱が配備されているのは「Incursions」のフィードバックで、コンバットロールごとのパッシブスキルや、兵科ごとにグレネードが制限されていたり、斥候兵の望遠鏡ガジェットなどもすべて「Incursions」の機能を流用してデザインされた物だと言えます。それが今回モードそのものもToW4章の5対5モードという形で復活する上に、ひっそりと試験運営に終わった「Incursions」とは違いゲーム内に正式に一モードとして大々的に実装される予定だとしたら、ややお通夜ムードになっていたBF競技勢にとっては紛れもない朗報だと言えるでしょう。
実装予定のスキンや未実装装備など、他にもリークは盛りだくさん
今回のデータマイニングでリークされた情報は他にも多岐に渡り、大量の没・未実装武器およびガジェットのデータや、課金通貨が実装された事によって一躍脚光を浴び始めた新規スキンなどの情報も続々と発掘されています。それらについてのリーク情報も引き続き紹介予定なので、続報をお待ちください。
【関連記事】BFV: 35種を超える、大量の武器やガジェットがデータマイニングによりリーク
『Battlefield V(バトルフィールド 5)』の発売日は11月20日で、対象機種はPlayStation 4、Xbox One、PC。
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Source:Reddit
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コメント
コメント一覧 (3件)
ドクトリンの根性 棒もって叩けば倒れた兵士が起き上ったりしてw
いらねえ・・・
役割分担とか無駄な時間増やさないで次々とゲームを開始すりゃいいんだよ
どんどんBFじゃなくてもいいようなゲームになっていくな