昨今はゲーミング人口が急増したこともあり、ゲームプレイの身体への影響に関する研究も進んでいます。今回はBetVictorがイギリスのリーズ大学との協力で行った調査をもとに、FPSゲームをプレイしたことによる、心拍、血圧、ストレス値の変化と、それぞれの関連性を見ていきます。
FPSの身体への影響
eスポーツの進展に伴ってプレイヤー数も激増している昨今、目にする機会が増えているトピックが「ゲーミング体験の身体への影響」です。ゲームをプレイすると、プレイヤーの身体にはどのような変化が生じるのでしょうか。仮に何らかの「良い効果」や「悪い効果」があるとして、具体的にはどのようなゲームタイトルから、そうした反応が顕著に見られるのでしょうか。
ブックメーカー企業のBetVictorは、イギリスのリーズ大学との協力でこのトピックに関する調査を行っており、FPSジャンルの4タイトルと、32人の参加者による結果を、以下のようにまとめています。
- ゲームをプレイしていると、プレイヤーは健全な水準での覚醒状態となり、調査対象となったすべてのゲームで心拍数が上昇した
- 1つのゲームを長年プレイした経験からは、大きなストレス低減効果が見られ得る
- 心拍数の大きな変動は、ゲーム内での出来事と連動している
- 参加者全員が、ゲームをプレイするとストレスが減っていた
- 調査対象のゲームのうち、『エーペックスレジェンズ』でのみ血圧の低下が見られた(収縮期血圧で測定)
- 『エーペックスレジェンズ』をプレイしているときの心拍数の変動幅は比較的小さい
- 長くゲームをプレイし続けるほど、心拍数がより大きく変動するものと思われる。これはゲームの激しさが原因である
- 『CS:GO』をプレイすることで最もストレスを減らせるように思われる
ゲーマーから見ると、やや現実離れした感のある刺激的な結論という印象です。ストレス解消には運動や甘いものなどが有名ですが、今後は「イライラした時はCS:GO!」、となるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
調査
対象と参加者
この調査が対象としているのはすべてFPSゲーム。いずれも競技性が高いとされ、eスポーツ競技シーンがある4つのタイトルです。
調査に参加したのは32人のゲーマーで、年齢は20歳から26歳(平均は23.2歳)。全員が上述した4つのタイトルのいずれかで優れたスキルを有しており、調査では一人につき、4タイトルのうち1~2タイトルをプレイしてもらったそうです。
プレイ前後の心拍数の変化
FPSのような緊張感のあるゲームをしていると、心拍数が上がるのは自然なことに思えますが、調査によると、プレイするタイトルによって心拍の変動幅にも違いがあるようです。
上の棒グラフのうち、青はプレイ前、赤のプレイ後の平均心拍を示しています。このうち『エーペックス』が、プレイ前とプレイ後ともに、平均心拍数が最も高くなっていることが分かります。
一方で、なぜかプレイ後の方が心拍数が下がっているのが『CS:GO』です。分析によるとこれは、4つのタイトルのうち『CS:GO』のみがラウンド数を重ねるタイプの対戦形式であるため、長時間の試合をこなすうちにプレイヤーの心拍も徐々に落ち着いてくるためとされています。そろそろ突っ込みたいですがもう少し見てみましょう。
プレイ中の心拍数の変化
各タイトルでプレイしている最中の心拍は、どのように変化しているのでしょうか。各参加者の心拍を測定すると、やはり移動しているときは心拍も緩やかで、敵との交戦が始まると心拍が上がっていることが分かります。
全体的に、『エーペックス』、『PUBG』、『ウォーゾーン』のバトロワタイトルでは、試合全体を通して心拍の振れ幅は安定しており、逆に『CS:GO』では激しく変動しています。動画からも分かるように、『CS:GO』の場合は移動中でも緊張を強いられる2チーム制のゲームなので、同じFPSジャンルでも、広大なマップを移動する時間のあるバトロワの方が、心拍が激しく上下動しにくいゲームである、というのはもっともらしく思えます。
ゲームプレイとストレスの関係
直感的には「心拍数が上がるゲームほどストレスを感じる」と考えそうになりますが、今回の調査ではそれは「間違い」としています。実際にゲームプレイ前後の身体ストレス値の変化を測ったところ、4タイトルすべてでストレス低減効果が確認されたそうです。
なお、ここで言うストレス値とは、STAI(特性不安尺度)という、ある時点で感じている不安度を計測する手法が用いられています。ゲームプレイによるストレスの低下効果は『CS:GO』が最も大きかったことが分かります。一方で『エーペックス』はストレス低下幅が最も低いのですが、プレイ前に抱く不安感も最も少ないことが分かります。これはゲーム全体のデザイン・世界設定の違いと関係があるのかもしれませんが、調査ではそこまで踏み込んだ分析は見られませんでした。
血圧の変化
調査では、血圧の変化にも触れられています。ゲームプレイの前後で顕著な変化は確認できなかったそうですが、これは、今回の参加者がいずれも各タイトルに慣れているプレイヤーであることと関係している可能性があるようです。
「FPSの身体への影響」調査結果まとめ
タイトル別に比較した結果をまとめると、以下のようになっています。
- エーペックスレジェンズ:プレイ後の心拍数が特に高まる/プレイ中の心拍変化は緩やか/ゲームプレイで感じるストレスが比較的少ない
- Counter-Strike:Global Offensive:プレイ後は心拍数が下がる/プレイ中に心拍が激しく上下動する/ゲームプレイ後にはストレスが大きく下がる
- PUBG: BATTLEGROUNDS:プレイ前後での心拍数の変化が特に小さい/プレイ中の心拍変化は緩やか/ゲームプレイ後にストレスが下がる
- CoD: ウォーゾーン:プレイ後に心拍数がやや上がる/プレイ中の心拍変化は緩やか/ゲームプレイ後にストレスが下がる
- いずれも、そのゲームで優れたスキルを発揮できるプレイヤーの場合である点に注意
ゲームに限らず、長時間連続で同じことをしてしまうのは少なくとも健康には悪いでしょうが、今回の調査結果を参考にすれば、休憩時には普段から慣れているゲームタイトルを活用して、上手にストレスコントロールができるのかもしれません。個人的には、リラックスしたい時に好きなFPSをプレイしています。
FPSはストレスに効く!...?
ここまで調査の結果を読み解いてきましたが、気になる点も多々あります。今回対象とした4つのゲームは、チーム制FPSが1つとバトロワ3つとややアンバランスです。また、一瞬の油断がデスを招くFPSと、接敵してからの対応が充分にできるFPSとでは、単純な比較が可能なのかという点にも疑問が残ります。調査対象数もわずか32人と少なく、かつ全員がゲーマーなので、「好きなことをやっているときはストレスを感じない」のは当たり前であると言えます。あくまでも「どのFPSが体にどのような影響を与えるか」の調査だとは思いますが、「FPS未体験の人にプレイしてもらってストレス解消できた」ならまだしも、そのゲームのファンを対象とするのはあまり意味がないように感じます。
おそらく「eスポーツはストレス解消やリラックスに最適」だと言いたいのだと思いますが、運動でもお絵かきでも読書でも食事でも昼寝でも、“趣味”でストレスが上がったり不安を抱く人はいないでしょうし、趣味なのでストレス解消やリラックスはしているはずです。
FPS特化の当サイトとしては「FPSはストレスに効く!」と喧伝したいとことですが、当面は「そんな調査もあるんだな」程度に捉えましょう。BetVictorには今後、サンプル数と調査範囲を広げ、ゲーム界の発展に寄与し得るさらに興味深い発見に期待したいところです。
Source: BetVictor
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コメント
コメント一覧 (36件)
ランクマあまりにも(人格変わるレベルに)野良ストレスすぎてAPEX自体やらなくなった。精神衛生上に悪すぎる。いまはおふざけプレイ見てる方が楽しい
なに?このガセネタ書いてるゴミ記事は
BF2042入れたらFPSは健康を害するほどのストレスが生まれるから禁止すべきになってしまう
バトロワなんてゲームモード、ストレスが溜まって仕方ないと思うが。
敵倒して一息つこうと思ったら漁父られるから最後の瞬間まで気が抜けないじゃん。
スクアッドで序盤に落ちたら残ったメンバーに迷惑をかける事になってしまうし。
何故こんなにもバトロワゲーがこの日本で流行っているのか、不思議で仕方ない。
優れたスキルを持っているからFPSでストレスを溜めないのか、それともストレスを溜めないからFPSが上手いのか
もしかしたらストレスが溜まることは上達しないのかもしれない
面白くないしクソゲーだぁ
読書、映画鑑賞、登山や海水浴といったレジャー、ガーデニングや豪華な食事や買い物に、はたまた勉強まで、趣味の実行にかかる費用や時間、性別とかも加えて、趣味別に減少するストレスの量を研究したら面白そうだね。「いちばんコスパがよくリラックスできる趣味はコレ!…みたいな。」
あと…依存のしやすさも。
フレンドとワイワイエンジョイするぶんには楽しいけどランクマを真面目にするとなると、ピリピリしてストレスしかたまらんぞ
がちきれなれず
go以外競技性薄いタイトルで草