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『ウォーゾーン』最新アンチチート:新技術「チーターにだけ見える幻覚」や「キー割り当て勝手に変更」、不正デバイス検出は順調など

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チーターはもはや運営のおもちゃと化したようです。

ウォーゾーン』を含めたPC版『コール オブ デューティ』シリーズ作品には、アンチチートシステムRICOCHET(リコシェ)が導入されています。

ゲームがシーズン04を迎えた今、RICOCHETチームも最新のアンチチート状況を報告。サーバーサイドで機能する新たな緩和処理技術「ハルシネーション(幻覚)」や、「通報機能の悪用禁止」などの新規則が明かされました。

CONTENTS

RICOCHETチームからの最新レポート

『ウォーゾーン』最新アンチチートレポート! "チーターにだけ見える幻覚"を生み出す新技術"ハルシネーション" / 通報機能の悪用禁止など
RICOCHETチームの最新レポート

RICOCHETの機能の1つに、ゲーム内で発見したチーターをゲームサーバー側で無害化する、各種の「緩和処理」というものがあります。

たとえば「クローキング(隠蔽)」という緩和処理を使えば、チーターには他のプレイヤーたちの姿が見えなくなり(詳細記事)、「ディスアーム(武装解除)」という緩和処理では、チーターから武器を没収することができます(詳細記事)。

発見したチーターをすぐにBANしない理由は、チートツールのデータを収集するためです。RICOCHETチームも認めているように、アンチチートの仕事はチート業者とのいたちごっこです。そのゲーム作品が人気を集めれば、チート業者も増加・進化をし続けるものです。

そこで、単に不正なプレイヤーを追い出すのではなく、無害化して泳がせることでそのチートの仕組みを分析。今後登場するであろう、さらなるチートへの対策に活用していくのが緩和処理の意義です。

『ウォーゾーン』最新アンチチートレポート! "チーターにだけ見える幻覚"を生み出して特定する新技術"ハルシネーション" / 通報機能の悪用禁止など
「ディスアーム」でチーター(正面)から武器を没収。泳がせてデータを収集する

「緩和処理を施してデータを集める」というこの作戦は今のところ上手くいっており、たとえば『CoD:MWll』では、1回の通報で平均4人のプレイヤーの緩和処理ができているそうです。つまり、1人分の不審な挙動が報告されれば、そこから同様の挙動を記録しているプレイヤーをさらに3人見つけ出し、全員まとめて無害化したり、アカウントを停止したりと、効率の良い違反者の排除ができていることを意味します。

新たな緩和処理「ハルシネーション(幻覚)」

『ウォーゾーン』最新アンチチートレポート! "チーターにだけ見える幻覚"を生み出して特定する新技術"ハルシネーション" / 通報機能の悪用禁止など
チーターにだけ「幻覚プレイヤー」が表示される新機能。さて目の前にいるのは何人?

今回新たにその存在が明かされたのは、「ハルシネーション」という緩和処理。

これは「チーター疑惑のあるプレイヤーにしか見えない幻覚をゲーム内に出現させる」というもの。文字通りのハルシネーション(幻覚)で、我々一般プレイヤーの画面には映らず、幻覚が撃たれても、他のプレイヤーのスコアなどには影響を与えません。

この幻覚はAIではなく、他のプレイヤーのクローンとなって本物の人間のように動き、ゲーム内のオブジェクトにインタラクトを行うなど自然に振る舞います。チーターにはそれが人間なのか、幻覚なのか判断できず、さらにエイムボットのようなツールさえ、幻覚を人間として認識するようにできています。

疑わしいプレイヤーの周辺にのみ出現するこうした幻覚に対し、その人がどんな行動を取るかで、本物のチーターかどうかが確認できる、という面白い仕組みです。

『ウォーゾーン』最新アンチチートレポート! "チーターにだけ見える幻覚"を生み出して特定する新技術"ハルシネーション" / 通報機能の悪用禁止など
チーター視点のイメージ図。幻覚(画面中央の赤いシルエット)もウォールハックなどで発見できる仕組みになっており、このプレイヤーがどう行動するかでチーターかどうかが分かる

チーターの中には、他のプレイヤーには得られないゲーム内情報を不正に入手しながら戦えるツールを使っているタイプもいます。「ハルシネーション」を製作した背景には、こうした「NON-RAGE」型ハッカー(*)と戦うためだそうです。なお、こうしたツールの使用もポリシー違反であり、アカウントBANの対象になります。

*「NON-RAGE」型とは?
エイムボットやウォールハックで暴れていることが露骨に分かるチーターは「RAGE(ブチギレ)ハッカー」と呼ばれ、通報するのは比較的容易。それに対してNON-RAGE型は、負けそうになったときだけこっそりチートをオンにしたり、追加情報を画面に表示したりするだけのチーター。観戦画面でも不正ツールを使っていることが分かりにくい。セコイ。

チーターのキー割当を勝手に書き換える「クイックサンド」

RICOCHETチームが日々作成している緩和処理の中には没になったものもあり、その1つとして「クイックサンド」というものが紹介されています。

これは検出したチーターの動作を遅くしたり、停止させたりするもので、時にはランダムにチーターのキー割り当てを勝手に書き換えてしまう機能もあったそうです。たとえば「W」を押して前進するつもりが勝手に後退していたりと、チーターを混乱させる楽しすぎるものでした。

しかしクイックサンドは結局、ロビー内の他の健全なプレイヤーにとっては目障りになる可能性があるため、没になったそうです。確かに、相手がチーターとはいえ、戦いの最中にいきなり遅くなったり停止したり、挙動不審になったら気が散ることでしょう。今後また見直される可能性はあるものの、このクイックサンドは現在お蔵入りとなっています。

サードパーティーデバイスの検出は順調

チートと同様、サードパーティー製のデバイスを使ってプレイすることはポリシー違反であり、シーズン03ではこれを検出する機能が追加されました

RICOCHETチームによると、このシステム導入後に『CoD:MWll』および『ウォーゾーン』では不正なデバイスの使用が59%も減少したそうです。

なお、不正デバイスが検出されたプレイヤーのうち、57%はそのデバイスをもう使わないようにした一方、43%はこの検出システムを回避しようと試みていました。そこまでわかるんですね...。

不正デバイスの使用もアカウント停止の対象となり、悪質なものは永久BANとなるためご注意ください。以前から発表されている通り、永久BAN」とは今後リリースされる『コール オブ デューティ』の新作すべてでも、そのアカウントが使えなくなることを意味します

通報機能の悪用禁止について

『ウォーゾーン』最新アンチチートレポート! "チーターにだけ見える幻覚"を生み出して特定する新技術"ハルシネーション" / 通報機能の悪用禁止など
勝てない相手をわざと通報するのは止めよう(自分がBANされることもあり得る)

このように複雑そうなシステムが稼働していると、健全なプレイヤーも誤ってチーター疑惑をかけられるのではないかと思うかもしれませんが、緩和処理が働くプロセスは複雑なもので、心配な方に向けて以下のように説明されています。

  • 緩和処理のプロセスは、理由もなく起きることはない
  • 成績がたまたま異常なほど良くても、チーター疑惑がかけられることはない
  • 誰かが自分を通報したからと言って、すぐにチーター疑惑がかかることはない
  • 嫌がらせ目的で自分が大量に通報された場合も同様
  • 現実には、チーター検出の方法は長いリストになっている

このうち「嫌がらせ目的の通報」についてのポリシー更新など、一部の機能がアップデートされました。

  • 「悪意のある通報行為」をセキュリティポリシーに追加:分かっていながらのウソの通報や、まっとうなプレイヤーへの通報を乱発した場合、アカウントにペナルティがかかる可能性がある。このペナルティには最大で永久BANも含まれる
  • ゲーム内通知を更新・明確化:ゲーム内に送られる警告メッセージは、違反行為があったのか調査が行われたのかが明確ではなかったので、これを明確になるよう書き換えた
  • 自動ペナルティ機能:ボイスチャットやテキストチャットなど一部の機能を自動的に制限

通報機能はアンチチートを行う上でも重要なシステムであり、他人を誤BANさせる目的で使ってはいけません。上述の通り、何度通報してもそれだけではBANされないどころか、今後は自分がBANされる可能性があります。

今後も情報開示を継続

RICHCHETチームの最終目標は「このゲームを守ること」ですが、一方でこうしたアンチチート技術の情報をコミュニティに開示するのは、透明性を保つためであると説明しています。

今後も新たなツールを開発しつつ、コミュニティにも情報を共有していくとのことで、公平かつ健全なプレイ環境を保つためにも、引き続きRICHCHETチームの活躍に期待したいところです。

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Source: CoD Official


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