2003年に初代CoDが発売され、世界的な人気を博すFPS『Call of Duty(コール オブ デューティ)/ CoD』シリーズは、10月29日に20周年を迎えた。この記事では公式サイトを参考に過去タイトルをじっくり振り返りたい。
かなり長い記事かつFPS老人会の趣もあるので、時間のある際にじっくりお付き合いいただければ幸いだ。
*ニンテンドーDS版やiOS版CoDゾンビ、PS Vita『CoD:BO ディクラシファイド』などはあまりにも長くなりすぎるので割愛。ちなみに急いで記事を出すつもりが、懐かしさのあまり昔の記事を読み漁って公開が遅れてしまったことをここで謝罪します。
『CoD』の20年を振り返る!
まずはCoDシリーズを振り返る公式映像をご覧いただきたい。懐かしさ溢れる映像には感涙してしまう人もいるかもしれない。映像を見ると「単なるゲーム体型」ではなく、まさしく人生の一部とも言えることを改めて感じる。
最初の10年:初代『CoD』から『CoD:Ghosts』まで
初代 Call of Duty [2003]
- Call of Duty(コール オブ デューティ)
- 発売日:2003年10月29日(日本では12月18日)
- 開発:Infinity Ward(インフィニティ・ウォード)
- AIAS(Academy of Interactive Arts & Sciences)年間最優秀ゲーム賞受賞
- PC向けFPSゲームとして人気を博す
- 24のキャンペーンミッション
- プライス大尉が登場していた
- アーケード形式のマルチプレイヤー
- まだ手動セーブだった
記念すべき初代『CoD』。舞台は第二次大戦で、キャンペーンではアメリカ・イギリス・ソビエトの3キャンペーン、計26の任務をこなすことになる。このイギリス編で、後にシリーズの顔となるプライス大尉が登場している。スクリプトをうまく使った映画的演出は、この初代CoDから登場。
この『CoD』の大ヒットにより、20年以上続く「CoDフランチャイズ」の幕開けとなった。ちなみにタイトルの『Call of Duty』のそもそも意味は「召集令状」だが、もはや「FPSゲーム」の代名詞となった感もある。
Call of Duty: United OffensiveとCall of Duty: Finest Hour [2004]
- Call of Duty: United Offensive(コール オブ デューティ: ユナイテッド・オフェンシブ)
- 発売日:2004年9月14日
- 開発:Infinity Ward
- 『CoD』の拡張パック。XPを獲得して昇進するシステムが導入され、追加の弾薬や手榴弾、支援砲撃を要請することができた
- Call of Duty: Finest Hour(コール オブ デューティ: ファイネストアワー)
- 発売日:2004年11月16日
- 開発:Spark Unlimited
- 初めてコンソールにCoDが登場
- 初の操作可能な女性キャラクター“ターニャ・パヴェロヴナ中尉”が登場
『CoD』拡張パックと、ナンバリングなしのメインタイトルではない作品。『CoD:FH』の対象機種はPS2 / Xbox / ニンテンドーゲームキューブで、当時としては優れたグラフィックが特徴だった。
Call of Duty 2とCall of Duty 2: Big Red One [2005]
- Call of Duty 2(コール オブ デューティ 2)
- 発売日:2005年10月25日
- 開発:Infinity Ward
- 『CoD2』で確固たる地位を得る
- 初の「自動回復システム」搭載
- グレネードの位置がアイコンで示されるようになる
- マルチプレイの新マップや前作の追加マップを含む「マップパック」DLCが初リリース
- Call of Duty 2: Big Red One(コール オブ デューティ 2 ビッグレッド ワン)
- 発売日:2005年11月1日
- 開発:Treyarch
- 旧世代機向けとしてリリース
- 開発:Treyarch(トレイアーク)!
同じく第二次大戦を舞台とするFPSとなった『CoD2』。前作で手動だったセーブ機能が、チェックポイントによる自動セーブに対応。日本語版は発売時期が遅れ、字幕や日本語訳も低品質だった。Treyarchは早くも『2』から参戦しており、後にInfinity Wardと2年交代で『CoD』開発を進めることになる。
『Call of Duty 2: Big Red One』は『CoD2』の外伝的ゲームで、アメリカ軍で最も有名な師団である第1歩兵師団(ビッグ・レッド・ワン)の一員となり、ノルマンディー上陸作戦などの戦場で枢軸軍と戦うことになる。
Call of Duty 3 [2006]
- Call of Duty 3(コール オブ デューティ 3)
- 発売日:2006年11月7日
- 開発:Treyarch
- 車両での戦闘にフォーカスした意欲作
- マルチプレイで「クラス」が選択できるようになった
『CoD3』も引き続き第二次世界大戦モノ。特定の武器や機能を備えた「プリセットクラス」があり、クラスによって味方を復活させたり、弾薬箱を展開したり、スナイパー ライフルを使用できたりした。プリセットクラスは現在のデフォルトクラスとして受け継がれた。
Xbox 360版は2〜4人対戦ができたが、オフラインのみだった。まだまだクロスプラットフォームでのオンライン大人数対戦は夢だった時代だ。この『コール オブ デューティ3』までのシリーズ7作品で、累計2,000万本の売り上げを達成している。
Call of Duty 4: Modern Warfare [2007]
- Call of Duty 4: Modern Warfare(コール オブ デューティ 4: モダン・ウォーフェア)
- 発売日:2008年11月11日
- 開発:Infinity Ward
- AIAS(Academy of Interactive Arts & Sciences)ゲーム・オブ・ザ・イヤー受賞
- 特殊部隊「タスクフォース 141」誕生
- キャンペーンでのインテル収集要素
- 隠しミッション(マイルハイクラブ)
- 第3のゲームモード(キャンペーンクリア後に「アーケード」が登場)
- 『CoD』のために作られた初の楽曲
- クラス作成システム
- Perkシステム
- プレステージ
- キルストリーク
- 武器迷彩
- 金武器
- マップ:Vacant、Broadcast、Killhouse、Crash、Backlotが『CoD:MW』 [2009]でリメイク
- マップ:ShowdownとStrikeはCoD:MWIIでリメイク
名称通り、4作目にしてついに現代戦FPSとなり人気が爆発。大ヒットしたCoDタイトルとなった。その衝撃はゲーム開発者たちも震撼したという。キャンペーンもマルチプレイヤーも高いレベルでまとめられており、今ではCoDで当たり前となった、数々のシステムを導入したまさに名作と言える。
余談だが、本サイトEAA!!はこの『CoD』シリーズの面白さを伝えることと、英語しかなかった日本語版のパッチノートを書くこと、そして一緒にCoDを楽しむ仲間を探すためた始まったサイトだ。当時はドラクエ・FF全盛期で、周囲は「FPS...? なにそれ?ゲームはRPGでしょ!」という時代。アップデート情報もなく、プレイ動画もアメリカ人くらいしか公開していないという現状を変えたかったのだ。
Call of Duty: World at War [2008]
- Call of Duty: World at War(コール オブ デューティ: ワールド・アット・ウォー)
- 発売日:2008年11月11日
- 開発:Treyarch
- 人気マップ:Dome、Castle、Makin Day
- CoDフランチャイズで初となる4人協力プレイの「ゾンビモード」登場!
- 舞台は第二次大戦の独ソ戦や日米戦。
- ウルティミスの4人(リヒトーフェン、武雄、ニコライ、デンプシー)が登場
- パワーアップアイテム
- パーク・ア・コーラ
- パック・ア・パンチ
- ワンダーウェポン「Ray Gun」
- 元素115
- イースターエッグ クエスト
- マップ「Shi No Numa(死の沼)」は『Call of Duty:Black Ops』でも登場
『CoD:WaW』では第二次世界大戦FPSへと回帰。前作まではヒーロー的な演出が多かったが、本作はダークな雰囲気が特徴。協力プレイモード「ゾンビモード」の搭載でファン層を増やし、CoDシリーズ初のゴア(残虐)表現も採用された。
日本版は発売されなかった『CoD:WaW』だが、その理由が日本兵が登場しセンシティブな感じになったためか、ゴア表現なのか、当時のアクティビジョン・ジャパンがこの時期に日本から撤退したためかは明確に分かっていない。だいぶ時間も経ったのでそろそろ教えてほしい。
今考えるとちょっと無茶なタッチペンで視点移動するニンテンドーDS版もあったが、スマホ版の先駆けとも言える。
Call of Duty: Modern Warfare 2 [2009]
- Call of Duty: Modern Warfare 2(コール オブ デューティ: モダン・ウォーフェア 2)
- 発売日:2009年11月10日(日本では2009年12月23日)
- 開発:Infinity Ward
- FPSの一時代を築いた伝説的ゲーム
- 2人協力プレイ「スペシャルオプス」
- 衝撃的なストーリー展開とともに、登場キャラクターのプライス、ソープ、ゴーストなどが人気に
- ボルトアクションライフルを使った“トリックショット”や“クイックスコープ”の黄金時代を築く
- マッチを強制終了するキルストリーク「戦術爆撃」
- トーナメントツール「GameBattles」が誕生
- ゲームモード「サーチ&デストロイ」が人気だった
- 人気マップ:Terminal、Scrapyard、Highrise、Quarry、Carnival、Trailer Park
- 2023年の『CoD:MW3』では『MW2(2009)』のマップが登場する(詳細記事)。
現代戦CoDの2作目。キャンペーンモードの展開は初代MWに続き圧巻で、どのシーンを切り取っても名作と言える。日本語版は「殺せ、ロシア人だ」を代表とする誤訳が有名に。日本語吹替のみで英語音声への切り替えはできなかった。プライスの「ステンバーイ...」も流行。
マルチプレイヤーは、ワンマンデングロ(高火力無限グレネードランチャー)、マラライコマンドー(高速移動ナイファー)、テナガザル(Model1887ショットガンアキンボ)、UMP45サプ(全距離3発キル)、インタベ(Interventionクイックショット)、セカンダリにショットガン、ストリークを重ねて(キルがストリークによるキルでも継続)核爆発で試合が強制終了など、多数のぶっ壊れ武器や戦法が楽しめた。
今振り返っても、ゲームバランスは崩壊とも言えるし、全部ぶっ壊れとも言える。「バランス」や「公平」を求めるゲーマーには到底受け入れられないが、開発者もプレイヤーも、皆が好き勝手に楽しんでいた最後の古き良きCoDのようにも思える。
Call of Duty: Black Ops [2010]
- Call of Duty:Black Ops(コール オブ デューティ: ブラックオプス)
- 発売日:2010年11月9日
- 開発:Treyarch
- 独立系スタジオRaven Softwareが初参加
- アレックス・メイソン、フランク・ウッズ、ジェイソン・ハドソン、ジョセフ・ボウマン、ヴィクトル・レズノフといった印象深いキャラクター
- 人気マップ:Nuketown、Firing Range、Stadium、Standoff、Summit、Array、Jungle、Grid、Drive-In、Villa、Zoo、Hazard
- ミニゲーム「Dead Ops Arcade」も登場
- ゾンビ エーテルの物語(ウルティミス篇)
舞台設定は米ソ冷戦時代。その時代背景を取り込んだ魅力的なキャンペーンモードのストーリーは、最後まで目を離せなかっただけでなく、キャラクターも相まって強烈なインパクトを残した。椅子に縛り付けられ、謎の数字を聞かされているアレックス・メイソンの衝撃的なシーンを覚えている人も多いだろう
ゾンビモードも本格的にストーリーが始まり、多くのプレイヤーが謎を解き明かした。
日本版は「字幕版」と「吹替版」の2パターンとというややこしい方式で販売。発売日も「字幕版」が2010年11月18日、「吹替版」が1ヶ月遅れの12月16日となっており、どっちを買うか迷ったファンも多いハズ。
Call of Duty: Modern Warfare 3 [2011]
- Call of Duty: Modern Warfare 3(コール オブ デューティ: モダン・ウォーフェア 3)
- 発売日:2011年11月8日
- 開発:Infinity Ward / Sledgehammer Games
- ソープ、プライス、ニコライ、ユーリ、そして他の同盟国の面々が、ついに世界的な破壊計画に終止符を打つという、タスクフォース141 三部作のストーリーを完結作。
- 「ポイントストリーク」や「スペシャリスト」ストライクパッケージが登場
- 感染モード「インフェクテッド」やストリークだらけの「ドロップ・ゾーン」、「フェイスオフ」などのお祭りゲームモード
- 人気マップ:Dome、Arkaden、Hardhat、Seatown、Resistance
- 『CoD』初の100万ドル規模の大会がCall of Duty XPで開催
- 協力モードではスペシャルオプスのサバイバルモードが再発明された
「Infinity Ward事件」を経て発売(昔は色々あった)。『タイタンフォール』や『エーペックスレジェンズ』のRespawn Entertainment(リスポーン・エンターテイメント)が、そもそもInfinity Wardだったことを知らない読者も多いかもしれない。ソープが◯◯だことを認めないファンも多いはず。
キルストリークをPerkの獲得に代えた「スペシャリスト」は発明で、後のシリーズでも何度か再登場した。一方でポイントストリークはデスによるリセットがなく、サポートでEMPなどがほぼ誰でも出せる点からマルチプレイヤーはあまり好評とは言えなかった印象。
Call of Duty: Black Ops II [2012]
- Call of Duty:Black Ops 2(コール オブ デューティ: ブラックオプス 2)
- 発売日:2012年11月12日
- 開発:Treyarch
- 分岐するキャンペーンストーリー
- フランク・ウッズと悪役ラウル・メネンデスがロックバンドを組んでいるエンディングもあった
- サンドボックスモード「ストライクフォース」
- 初のランクマッチ「リーグプレイ」
- クラス作成にPick 10システム導入
- ローンチ後の追加武器「Peacekeeper」
- 人気マップ:Express、Hijacked、Slums、Standoff、Turbine、Grind、Rush
- ゾンビ エーテルの物語(ヴィクティス篇)
- DLC迷彩
- 分岐するキャンペーンストーリー
1980年代の東西冷戦時代と、2025年のレアアースを巡るアメリカと中国の新たな冷戦やハイテク兵器の投入を描いたストーリー。過去と未来を行き来し、親子二代に渡って戦うという衝撃的なストーリーだった。
過去編があるとはいえ、初の近未来(2025年)を舞台にしたCoD。架空の武器も多数登場し、ランクプレイも初めて登場。eスポーツ指向へ踏み出した作品だった。
ゾンビモードは地球に残された4人や、アルカトラズ島の囚人のストーリーを描いた。しかしゾンビモードの起源を描く「オリジン(Origins)」の夢オチエンドは若干炎上気味だった記憶。
Call of Duty: Ghosts [2013]
- Call of Duty: Ghosts(コール オブ デューティ: ゴースト)
- 発売日:2013年11月5日
- 開発:Infinity Ward
- 人気マップ:Strikezone, Freight, Bayview, Octane
- エイリアン(クリプティッド)と戦う協力プレイモード「Extinction」
- 「ハロウィン」「プレデター」などとのコラボ
- CoD史上初の試みとなった「ボイスパック」(コラボ)
『CoD』シリーズ10周年記念作品。時代設定は前作『CoD:BO2』に続き近未来だが、『MW』や『BO』シリーズとは全く別の世界線となっている。アメリカは既に崩壊しており、アメリカを取り戻すために結成されたゲリラ部隊「ゴースト」の一員となるという、今思い返してもワクワクするストーリーだ。
先進的なデザインや意欲的な機能もあったが、マルチプレイヤーは広すぎるマップなどでいまいち人気が出なかった。今では当たり前となったコラボ企画は本作が初めてとも言われており、ゲーム内ボイスへのハートマン軍曹(詳細記事)やスヌープ・ドッグ(詳細記事)のボイスが登場。個人的にCoD史に残る大事件だと思う。
協力プレイモード「Extinction」はゾンビではなくエイリアンと戦う力作で、なかなかの人気を博した記憶。正式公開前は「エイリアンモード」と呼ばれていた(詳細記事)。
まだ「吹替版」と「字幕版」が分かれていた時代。
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コメント
コメント一覧 (12件)
キャンペーンの評価めちゃくちゃ悪いやん
AWのキャンペーン好き
マルチは10年生まれるのが早かった
つまりリメイクはよ!
そういやghostのキャンペーンは倒したとはずの悪役が生き残って終わった記憶あるけど続編まだですかね?