EFT：なぜ「データマイニング禁止」は過剰に荒れたのか？ 日本エミッサリーにその理由とタルコフの未来を聞く

参考：海外大荒れ：『Escape from Tarkov』開発スタジオが「データマイニング禁止」声明を発表、アカウントBANなどの措置開始

2023年6月、開発元 Battlestate Games（BSG）の公式声明を発端に、ハードコアFPS『Escape from Tarkov（エスケープ フロム タルコフ / EFT）』の海外コミュニティーは荒れた。BSGの声明を素直に読めば真っ当な内容に見えるが、海外では過剰なまでに炎上しているようだ。その原因は何なのか？

筆者はタルコフコミュニティーに明るくないので、最も精通しているであろう日本のエミッサリー Emilio 氏（以下敬称略）に今回の騒動の原因と『EFT』の今後について伺ってみた。

EFT エミッサリーインタビュー

エミッサリー（Emissary / 使者）とは、タルコフ開発元のBSGとユーザーをつなぐ公認スタッフで、世界各国で任命されている。彼らは基本的にはボランティアで構成され、日本に2人いるエミッサリーのうちの1人がEmilio氏。

なぜ過剰な反応に？

EAA：まず率直に、なぜあんなに過剰な反応になったと感じていますか？

Emilio：今回の声明に批判的な内容の投稿を見ると、弾薬の性能表など、公式Wikiに載っているような情報まで共有できなくなったり、公式Wiki自体が使えなくなったりといった誤解が生まれていたことが大きな原因だと思うのですが、まずそういった心配はいらないということはお伝えしておきたいと思います。

BSGがサポートする公式Wikiは公式が公開、もしくは提供している情報と通常のゲームプレイから得られる情報をもとに有志の方々が編集してくださっているものですから、今までのように閲覧やそこに載っている情報の共有、拡散することは何も問題ありませんし、今回の件で公式Wiki自体が使用できなくなるということもありません。

EAA：データマイナーの活動停止で「情報量が足りなくなる」ことを懸念している声も見かけました。

Emilio：声明文にもあるように、今後はこれまで以上の頻度やボリュームで色々な情報をみなさんに共有できるようになります。しかるべき時に改めてお知らせしますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。

マイニングが禁止となった原因は？

EAA：長らくデータマイニングは許容されていたようですが、今回この時期に禁止となった原因や理由はなんでしょう。

Emilio：BGS内部では以前からデータマイナーに対して罰則を望む声もありましたが、トップのニキータさんがコミュニティの情報を求める声に理解を示していたため、スタッフもその意をくんで動いてきました。

また数年前までのデータマイニングやリークは、開発も許可を出すなど、許容できる範囲のものがほとんどだったんです。ところが、最近ではひとつの計画をすべて変更せざるを得ないようなレベルのリークも行われるようになってしまったため、今回の声明を発表することになりました。

ただ、我々も全員がゲームを楽しむプレイヤーの1人ですから、本当はこういうことで誰かを罰するようなことをしたくはありません。