本日2023年2月7日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch 2(オーバーウォッチ 2 )』 のシーズン3開幕に合わて実施するアップデートの内容をフォーラム(英語)にて公開しました。
本記事では、その内容からヒーローのバランス調整に関するものを和訳、紹介しています。システム関連のアップデート、シーズン3で予定されているイベントについては、それぞれのリンク先をご確認ください。
シーズン 3「ヒーローのアップデート」
全ヒーロー
- ヒーロー変更時に引き継がれるアルティメットのチャージ量を最大30%から25%に減少。
本調整に合わせ、複数のヒーローにアルティメット・アビリティのコスト調整が実施されています。
タンク
- ロールキューがないゲームモードをプレイする場合、タンクの合計体力値を低下。
- ロールーキューが適用されているゲームモードをプレイしている場合は、今まで通り。
ロールキューのないゲームモードでは、複数のタンクヒーローでの耐久力のゴリ押しが非常に強力で、ゲームバランスにも大きな影響を及ぼしていました。ヒットボックスの大きさなどを考慮し、ダメージヒーローやサポートヒーローに比べると引き続き多めの体力値ではありますが、それぞれロールキュー有りと比べ「マイナス150」となります。
- 各タンクヒーローの体力変化
- D.Va:メック搭乗時の通常体力を350から200に減少
- ドゥームフィスト:通常体力を450から300に減少
- ジャンカー・クイーン:通常体力を425から300に減少
- オリーサ:通常体力を275から125に減少
- ラマットラ:通常体力を450から300に減少
- ラインハルト:通常体力を325から175に減少
- ロードホッグ:通常体力を700から550に減少
- シグマ:通常体力を350から200に減少
- ウィンストン:通常体力を350から200に減少
- レッキング・ボール:通常体力を600から300に減少
- ザリア:通常体力を250から100に減少
ジャンカー・クイーンとレッキング・ボールについては、後述の体力調整後の値を反映するとロールキュー比で-150になります。
ジャンカー・クイーン(強化)
- 一般
- 体力を425から450に増加
増加量は25と最小単位ではありますが、パッシブア・アビリティ“アドレナリンラッシュ”の回復を待つ猶予も増加する良調整。
オリーサ(弱体化)
- “フュージョン・ドライバー改”
- ダメージの距離減衰開始距離を25mから15mに短縮
前回に引き続き、現環境での使用率が高いオリーサに弱体化。“ジャベリン・スピン”による機動力補助である程度はカバーできますが、10mはかなりの射程短縮なのでけん制としてのダメージ出し性能や中距離の敵を“エネルギー・ジャベリン”でスタンさせた際などで弱体化の影響が見られそうです。
ラマットラ(弱体化)
- “アナイアレーション”
- Ultヒット中の効果をタイマーの減少停止からタイマーの減少遅延に変更(最長20秒)
- 発動に必要なコストを12%増加
予告されていた通り、ラマットラの半永久アルティメット・アビリティに時間制限が設定されました。これにより、詰めの一手としての決定力は低下しましたが、最長で20秒間持続するため構成やタイミング次第では、引き続き十分な活躍に期待できます。
ラインハルト(強化)
- “ロケット・ハンマー”
- ノックバックを10から6に低減
- “チャージ”
- クールタイムを8秒から7秒に短縮
- “ファイア・ストライク”
- ダメージを90から100に増加
- “アース・シャター”
- 直撃ダメージを250から170に減少
- ノックダウン時間を2.5秒から2.75秒に増加
- 発動に必要なコストを7%増加
2への移行後、選出機会が減少していたラインハルト。シーズン3では大幅な強化調整が行われます。
“ロケット・ハンマー”の調整は、連続で攻撃を行う際にノックバックによって敵を射程外に逃がしてしまうのを防ぐ調整。“チャージ”のクールタイム短縮はシンプルな使い勝手向上となっており、戦線復帰後の再使用はもちろん、立ち回りにも組み込みやすくなります。
“ファイア・ストライク”は、初代オーバーウォッチと同様のダメージ量に戻っています。2発までストックできるため、回復がなければ2ヒットで200族をキルでき、“アース・シャター”でノックダウンした敵であれば250族までキル可能。
“アース・シャター”のダメージ低下は、純粋弱体化となっていますが、これは(前回のロードホッグ調整と同様)相手チームに抵抗の余地を与える事が目的であり、それがなければ追撃でキルすることは容易。
“ファイア・ストライク”の強化は、初代で強力な連携であった“アンプリフィケーション・マトリックス”との組み合わせ(バリア貫通&複数ヒットの200族ワンショット)が可能になるため、上記の目的と相反するように見えますが、単独では不可能な事ため許容されているようです。パッチノートにも「状況を見て必要であれば調整を行う」と記載されています。
ロードホッグ(強化)
- “ホール・ホッグ”
- 持続時間を6秒から8秒に延長
- 発動に必要なコストを8%増加
オーバーウォッチ2から“ホール・ホッグ”発動中のアビリティ使用が解禁。しかし、6秒という限られた時間の中でのアビリティ使用は、動作時間がUltの効果時間を大幅に消化してしまい(特に“テイク・ア・ブリーザー”)、十分な効果を得られなくなってしまう事も多々。
そういった状況を緩和するための調整ではありますが、“ホール・ホッグ”は圧倒的なダメージレートと高いノックバック性能を持つため、開発チームは今後その点を監視していくとの事。
シグマ(弱体化)
- “グラビティ・フラックス”
- 発動に必要なコストを7%増加
ウィンストン(弱体化)
- “バリア・プロジェクター”
- 耐久値を700から650に減少
調整理由に関する記載はありませんでしたが、“バリア・プロジェクター”はウィンストンの立ち回りの要であるため、50の耐久値減少が与える影響は小さくありません。サポートヒーローの射線切りとして、頭一つ抜けた性能を持っているが故の弱体化でしょうか。
レッキング・ボール(強化)
- 一般
- 通常体力を600から450に減少
- シールド体力を0から150に増加
- “パイルドライバー”
- クールタイムを10秒から8秒に短縮
- “マイン・フィールド”
- 発動に必要なコストを9%増加
- 地雷が接地してから起爆可能になるまでの時間を1.5秒から1秒に短縮
体力の合計値はそのままに、内150が通常体力からシールド体力に変更されています。シールド体力は、時間経過による自己回復効果を持っているため、機動力の高いレッキング・ボールとは好相性。
レッキング・ボールにとって貴重な瞬間火力兼ダメージ源の“パイルドライバー”高回転化、“マイン・フィールド”の使い勝手向上など予告されていた通り、強化調整が実施されています。
ザリア(弱体化)
- “グラビトン・サージ”
- 発動に必要なコストを8%増加
ダメージ
キャスディ(強化)
- “ピース・キーパー”(メイン射撃)
- ダメージの距離減衰開始距離を20mから25mに延長
- “コンバット・ロール”
- 敵プレイヤーとの接触が動作を阻害しないよう変更
ヒットスキャン枠としてのポジションを、完全にアッシュに持ってかれてしまっている現在のキャスディ。アッシュの“ザ・ヴァイパー”の距離減衰開始距離が「腰だめ時:20m~」「照準器使用時:30m~」であるため、今回の調整後はその中間値に。交戦距離によっては選択肢になるかもしれませんが、機動力や全体的なダメージ出し性能、Ultの汎用性などを考慮すると追いついたというには、未だ厳しいように見えます。
“コンバット・ロール”の調整は、前方以外に使用した際のスムーズさを向上させる目的とのこと。
ジャンクラット(弱体化)
- “コンカッション・マイン”
- 最大ダメージを120から100に減少
“フラグ・ランチャー” → “コンカッション・マイン”の連携による200族キルは健在ですが、“コンカッション・マイン”は爆心地から離れるにつれダメージが低下するため、起爆タイミングを含めより精度の高い追撃が要求されるようになります。
メイ(強化)
- “ブリザード”
- 発動に必要なコストを5%減少
ファラ(強化)
- “バレッジ”
- 発動に必要なコストを5%減少
リーパー(強化)
- “デス・ブロッサム”
- 発動に必要なコストを8%減少
ソルジャー76(強化)
- “ヘビー・パルス・ライフル”
- 反動が最大になるまでの射撃数を4発から6発に緩和
- 反動を12%減少
射撃の精度が向上し、より安定したダメージ出しが可能に。
ソンブラ(強化)
- “マシン・ピストル”
- ダメージを7から7.5に増加
- “ハック”
- ライフ・パックのハック状態持続時間を30秒から45秒に増加
2022年11月18日に実施されたバランス調整以降、選出率が激減してしまったソンブラ。“マシン・ピストル”の強化は、“ハック”の有無を問わず火力が伸びる嬉しい調整です。
ライフ・パックのハック持続時間増加もソンブラが戦線に滞在する時間を延ばしてくれる調整となっており、総合的にUltの回転率向上にも期待できそうです。
シンメトラ(弱体化)
- “フォトン・バリア”
- 発動に必要なコストを10%増加
トールビョーン(弱体化)
- “タレット設置”
- タレットの耐久値を最大250から225に減少
オーバーウォッチ2への移行に伴う5v5化によって、タレットに目を向けるプレイヤーが必然的に減少。戦場にタレットが存在する時間が長くなっていたため、若干壊しやすくする調整です。
多くのヒーローで破壊に必要な弾数が減少しますが、特にファラやジャンクラットなどメイン射撃が120ダメージのヒーローは、少ないマガジン弾数からの-1発なので特に影響が大きいです。
ウィドウメイカー(弱体化)
- 一般
- 通常体力を200から175に減少
体力を200に戻していた理由については「1タンク化に伴うタンク強化に対し脆くなりすぎる」ことを危惧してとの事。
実際には脆くなるどころか、5v5化の恩恵を多分に受けているヒーローであることがハッキリしたため、初代の最終数値に戻されました。
サポート
アナ(弱体化)
- “バイオティック・グレネード”
- 回復向上と回復阻害の効果時間を4秒から3.5秒に短縮
デバフ解除アビリティを持つキリコの登場など、向かい風気味の環境に合わせ連続で強化調整を受けていましたが、効果時間が2022年12月16日の“バイオティック・グレネード”強化前後の中間値に弱体化。相対的にキリコの需要にも影響がありそうです。
ブリギッテ(強化)
- “リペア・パック”
- 回復速度を55/秒から50/秒に低下
- アビリティ適用時に25の回復効果を追加
- “ラリー”
- 発動に必要なコストを10%増加
“リペア・パック”の回復が即効性を獲得。合計回復量も“リペア・パック”の回復持続時間は2秒なので、110から125に増加しています。
ブリギッテのシーズン3調整は上記3点と物足りなさを感じさせますが、シーズン4ではリワークが予定されています。
ルシオ(強化)
- “サウンド・バリア”
- 発動に必要なコストを7%減少
マーシー(バランス調整)
- “ガーディアン・エンジェル”
- クールタイムを1.5秒から2.5秒に延長
- 後ろ向きにジャンプキャンセルした際の移動速度を20%低下
- “カデュケウス・スタッフ”
- 回復速度を55/秒から45/秒に低下
- 体力が半分以下の味方を回復する場合、回復量が1.5倍に増加するよう変更
- パッシブ・アビリティ
- 既存の“リジェネレーション”を削除
- 新たに“Sympathetic Recovery”を追加
- “カデュケウス・スタッフ”による回復量のうち、25%の自身の体力を回復する。
今回の目玉ともいえる大型調整。新型の“ガーディアン・エンジェル”の動きにプレイヤーが対応してきたことを鑑みても、マーシーの生命線である“ガーディアン・エンジェル”のクールタイム増加は、かなりの弱体化と言えます。
回復性能はベースの回復性能が低下し、緊急時には今までの“ヴァルキリー”発動中(60/秒)を上回る単体回復パフォーマンス(67.5/秒)を発揮するように変更されています(パッチノートには200族の体力が1の状態から全快までに必要な時間は同程度と記載)。また、“ヴァルキリー”発動中にもこれは適用されると考えられるので、最大90/秒の回復効率を発揮します。
“リジェネレーション”はロール・パッシブの実装により、独自性が失われ他サポートよりも恩恵が大きくなるのみでしたが、シーズン3で全くの別物に変更されます。新旧各状況の自己回復量は以下の通り。
- 各状況の自己回復量
- サポートロール・パッシブ:15/秒
- “リジェネレーション”:22.5/秒
- 新パッシブ(通常):11.25/秒
- 新パッシブ(50%以下):16.875/秒
- Ult中新パッシブ(通常):15/秒
- Ult中新パッシブ(50%以下):22.5/秒
新旧の最大値を比較すると“リジェネレーション”とUlt中の新パッシブが同等となっており、純粋弱体化のように見えますが、“リジェネレーション”はロール・パッシブの回復量を増加させるアビリティであるため、ロール・パッシブの起動条件「1.5秒間被ダメージなし」を満たす必要があります。一方、新パッシブの方は被弾からの経過時間を問わないどころか、被弾しながらの自己回復も可能。
加えて、サポートのロール・パッシブ回復と合わせて起動する場面もあるため、その場合には以下のようになります。
- ロール・パッシブ起動中の新パッシブ自己回復量
- 新パッシブ(通常):26.25/秒
- 新パッシブ(50%以下):31.875/秒
- Ult中新パッシブ(通常):30/秒
- Ult中新パッシブ(50%以下):37.5/秒
そのほか、気になる点としては“ヴァルキリー”が持っていた“リジェネレーション”の無条件常時発動化が、どのように影響するのか(“ヴァルキリー”中の自動回復がなくなるのか)や、味方アナの“バイオティック・グレネード”が回復対象とマーシーに影響している場合には、マーシーの自己回復が2.25倍になるのかなど挙げられますが、“ガーディアン・エンジェル”の調整を含め、実際にプレイしてみないと評価が難しい所です。
モイラ(強化)
- “コアレッセンス”
- 発動に必要なコストを5%減少
ゼニヤッタ(強化)
- “破壊のオーブ”
- 1マガジンあたりの弾数を20から25に増加
過去の調整から、バランス調整の難しさが伺えるゼニヤッタ。今回は体力や機動力といった、影響の大きな調整は避け、リロード中という最も脆い時間を減らす形で強化されています。
膨大なヒーローに調整が加えられましたが、皆さんの感想は?
Source:Overwatch 2
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コメント
コメント一覧 (9件)
7/20が5/15になっただけだったね。
5連勝してもランクあがらんので助かるわ。
ブリザード様公認でスマーフ状態。
マクリーはグレネードどうにかしてよ
ゼニヤッタキック60ぐらいにして欲しかった
弾増えたのもいいけどさ
ウィドウの調整はもう少し入ってほしいな、まぁそもそもマップ相性次第じゃフランカーもゴリラも届かない地獄見たいなお立ち台が用意されてるんだから体力の問題じゃない気もするんだがな...
マーシーの時代、終わり!w
公式フォーラムに呪いの言葉を吐くマーシー専が湧きまくってるのウケるわ
ザリアの調整だけ、やや納得できない
オリーサがだいぶ減るであろう調整だから、別に強化しなくてよいだろうという判断なのかな?
こればかりは実際にS3にならないとわからないね
全体的に良さそうな調整なので楽しみにしてる
数値の上げ下げばかりなのは残念だけど、
それでできる調整としては良調整ではないだろうか?
マーシーの調整はどうなるか読めない。
ポケットできなくする調整ではなくて、
ポケットする難易度をあげることを意図した調整だとは思うが、
ブーストはそのままなのでワンショットキルは引き続き可能。
低ランクからはソジョーンマーシーはいなくなりそうだが、
高ランクでは相変わらずになるのではないだろうか?
ぶっちゃけ低ランク高ランクはMMR次第で混ざり合うがな