EAが語るFPSの未来：『Apex』と『BF2042』責任者対談 - BF2042公開の感想、過去作マップ復活、 Apex開発秘話など

『BF2042』シーズン式ライブサービスへの準備はできている？

• Oskar：『Battlefield 4（バトルフィールド4）』当時も似たようなライフサイクルは経験したし、当時『DICE LA』を率いていたChris氏もいる。最近でも『Star Wars Battlefront 2（Star Wars バトルフロント II）』でローンチ後にロングスパンにコンテンツを追加していく経験をしたので、コツのようなものは把握しているつもり。『Apex』の経営戦略も大きく参考にした。
• Vince：この業界にいると毎日新しい気付きがあるのが楽しい。業界の形も変わり続けているので、経験だけには頼れない。
• Chad：長期間開発してきたゲームを終わらせてリリースすると、多かれ少なかれ「ああすればよかった、これを実装すればよかった」と職人魂的な後悔が残るが、ライブサービスだと開発は終わらない。調整し続けて磨きつづける形になるのは、ライブサービスの良い点でもある。
• Chris：作ったものを即公開できるのもライブサービスの良い点。例えば『BF4』のCTEをやったときは月曜日に何かをテストしたら、火曜日にはもうアプデしているといった風に、3ヶ月どころか即日フィードバック即日アップデートみたいなことをしていて、開発チームもそのようなコミュニティとの会話を楽しんでいた。2、3年間もこっそりコツコツと作り続けるのとは全く違った体験。

皆さんが思うFPSの未来とは何か？

• Vince：『Apex』vs『BF』でどうか（一同笑）。正直に言うと、全くわからない。考えたことのないようなアイデアがどこかに眠っているだろうし、つい最近も新世代機という目に見える形が出てきたが、それですら性能が完全に発揮されるまでには暫くかかるだろう。
• Chad：ゲーマーが世代交代しおり、先ほど語った古いゲームを聞いたことすらないゲーマーも育ってきているので、過去作へのオマージュはありだと思う。例えばRespawnはつい最近、第2次世界大戦をテーマにしたVRFPSの『Medal of Honor: Above and Beyond』をリリースしたが、自分自身がVince氏の作った2次大戦ゲーム『MoH: AA』を遊んで育ったので、そのような過去の題材で新しく一本作るといった機会はまだまだ多く眠っているはず。
• Chris：ソーシャル面でできることや、しなくてはいけない課題が結構眠っている。例えば伝統的なスポーツだと、ボールを小脇に抱えて適当な空き地で遊ぶこともできれば、テレビでスポーツ番組の大会を視聴したり、街のスタジアムに行って試合観戦もできる。試合（ゲーム）そのものの枠をこえて世界が展開されているので、それと比べると自分たち電子ゲームもまだ入り口に立ったばかりだなと感じる。
• Oskar：クラウドサーバー技術はIT企業の多くを作り変えたが、ゲーム業界はまだクラウドを活用できていない。例えば『BF2042』は高度なAIに破壊表現、複雑なマップなどの要素を、新世代機のスペックで実現した。だがクラウドサーバーに機能の大部分を移植できれば、さらに高度な演算機能を確保できる。それこそ段違いに細かい破壊表現やグラフィック表現も可能。業界がその一歩を踏み出すまであとちょっとという所に来ているので、近い将来には皆さんクラウドを活用した超クールなFPSを遊べているかも。SOON(TM)。
  • （『BF2042』はそんな超クールなFPSになりえるかという問に対して）ノーコメントで。