『プロジェクトF』をけんきが語る「未完成なままで出した理由」「ローンチは失敗」「開発費X億円」「完成度30％」「儲けるつもりはない」

「グラフィックが悪い状態まで行けた」

EAA!!：色々と言われているグラフィックに関してはどうでしょう？

けんき：グラフィックは別に良くはないんですけど、「グラフィックが悪い」って言われる状態まで持っていけた。ここまで持っていくのに相当苦労しましたね。

ちょっと技術的な話なんですけど...（略：自動生成マップのためデーター容量が膨大になり、影や光源が厳しい話）。

コメントなどで「PlayStation 2みたいな画質だ」と言われたんですが、これは結構的を得ているんです。PS2みたいな技術しか利用できないんです。そんなグラフィックが悪いなかでも「ある程度遊べる」ところまで持っていくのにかなり苦労しました。

EAA!!：グラフィックとゲーム体験は直結しませんしね。どうせフレームレート上げるために画質落としますし（笑）

けんき：おっしゃる通りですね。ただやっぱり綺麗だと最初に興味もってもらいやすいのは大きいですね。

EAA!!：グラフィックは今後の改善点ながら、現状（自動生成マップなのもあり）今すぐは厳しいという感じですか？

けんき：奇跡的にめちゃくちゃバスって、めちゃくちゃ儲かったらグラフィックの改善をやりますね（笑）。正直、この問題を突破するのには相当すごい技術者が必要で、現状では無理だと思っています。

どちらかと言うと、今後は負荷軽減やフレームレート向上などに着手予定です。

ショットガンやシールドはクソ？

EAA!!： 「ショットガンは絶対実装しない。あれはクソ」的なことをおっしゃっていましたが、意図するところは何でしょう。

けんき：（笑）ある種のポーズというか極論・ジョークも含まれています！ ただ、ショットガンの実装がゲームバランス的に難しいのが事実としてあります。

実はデータで見ていると攻守の勝敗率はバランスがかなり取れていて、ショットガンを実装するとバランスが崩れてしまうと予測しています。

EAA!!：勝率のバランスが取れているんですね。シールドも絶対実装しないとのことでしたが？

けんき：シールド専門のキャラクターではありませんが、類似の能力は出そうかなと思っています。ただし、単純にネットコードや同期ズレなどの致命的な問題が結構残っていて...。

『レインボーシックス シージ』のMontagne（モンターニュ）など、いわゆるAAAタイトルは遅延が全くない。そんなFPSゲームを作るのは相当難しいんです。

なので、「今はクオリティーの高いものにならないだろうから、実装予定はない」というのが本音です。ただ、配信では面白おかしく「クソだろ」って言っているんですけど（笑）

ヘッドショットを実装しない理由

EAA!!：ヘッドショットも実装しないとのことですが、これも理由が？

けんき：『プロジェクトF』には決め撃ちのリスクがないんですね。マップのどこにいても音が聞こえちゃうし、リスクがない状態でヘッドショット一発だと「決め撃ちゲーム」になってしまう。

それはそれで深いのですが、僕がそれを望んでいない。刹那的な撃ち合いではなく長時間の撃ち合いや、1vs2ならちゃんと1人側が不利なゲームが好きなんです。

もう一つの理由としては、『プロジェクトF』のマーケティングを考えた時に「配信者のイベントや配信者に遊んでもらう」のがメインのイベントの作り方になるだろうって思ったんです。

そうなると『シージ』や『ヴァロラント』のように、強いプレイヤー1人で全員倒してしまったり、ヘッドセット1発のような、1人でキャリーできちゃうゲームではすごく不向きなんですよね。

SHAKAさんみたいな上手い人がものすごいキャリーをすると、配信としても魅力が出ない。これを想定してヘッドショット1発にはしていません。

スキルの立ち位置と武器購入システム

EAA!!：『プロジェクトF』におけるスキルの立ち位置はどこでしょう？

けんき：スキルは『エーペックスレジェンズ』のように、あくまで撃ち合いの補助で有利に撃ち合いを進めるためのものです。相手を完全に無力化して何もできない状態で撃つのではなく、「撃ち合いの最中にうまくスキルを使おう」という設計になっています。

EAA!!：『レインボーシックス シージ』を意識したタイトルではありますが、購入武器購入システムを導入した理由は？

けんき：元々、武器購入システムはなかったんです。ただ、ゲームバランスと武器バランスの調整が非常に困難でした。何でも好きな武器を選べると、多分全員同じ武器しか使わなくなってしまう。

それはゲーム体験として飽きてしまいます。ただでさえAAAタイトルと比べるとゲーム体験が希薄になりやすいのに、武器まで一緒だと本当にすぐに飽きちゃうだろうと。そこで変化を持たせるために、武器購入システムを採用しました。