本日2023年9月22日、Blizzard Entertainmentは『Overwatch 2(オーバーウォッチ 2 )』 のアップデートを実施。
今回はダメージヒーロー「バスティオン」の弱体化のみという、ピンポイントなアップデート。バスティオンは9月中という短期間に、2連続で弱体化されたことになる。以下で詳細を見てみよう。
ヒーローのアップデート
バスティオン(弱体化)
- “モード変更”
- 変形時のアーマー回復を削除
開発者コメント:パッシブ「アイアンクラッド」とアーマーのダメージ軽減が重なることで、変形中の自己回復で得られる効果が倍になり、アンブッシュとダイブに対する生存率が高くなりすぎていました。
詳細解説:「得られる効果が倍」とは?
開発者コメントに記載されている「得られる効果が倍」の意味が少しわかりにくいので、下記で詳しく説明する。
現在、複数のダメージ軽減効果が同時に発生した際には、上限50%軽減まで加算して計算される(関連記事)。
バスティオンの場合、“強襲モード”と“砲台モード”中に適用される“アイアンクラッド”が被ダメージを20%軽減。アーマーが持つダメージ軽減効果が30%であるため、変身中にアーマーで受けるダメージには最大値の50%軽減が適用される。
バスティオンは2023年8月11日のアップデート以降、“モード変更”発動時に50のアーマーを獲得するようになっていたが、上記のダメージ軽減率が適用されることで実質的に「“モード変更”発動時の回復効果は、通常の体力換算で100相当(アーマー値の倍)」となっていた。
詳細解説:結局どの程度の弱体化なのか?
通常アビリティで自身の体力を回復できるダメージヒーローとして、他にはソルジャー76とメイが存在する(状況が限定的なソンブラ、リーパー、トレーサー、ゲンジ、エコーは除外)。それぞれの基本的な回復性能は以下の通り。
- メイ:“クリオフリーズ”
- 回復速度:50/秒
- 持続時間:4秒(最大200回復)
- クールタイム:12秒(解除後)
- ソルジャー76:“バイオティック・フィールド”
- 回復速度:40/秒
- 持続時間:5秒(最大200回復)
- クールタイム:15秒
- バスティオン:“モード変更”(偵察→強襲)
- 回復速度:即時50アーマー(通常体力換算:100)
- クールタイム:10秒(解除後)
メイの“クリオフリーズ”は「無敵、オブジェクト判定」、ソルジャー76の“バイオティック・フィールド”は「複数回復可能、起動中にクールタイム消化」などそれぞれ固有の強みはあるものの、通常体力100(相当)を回復する速度だけを見た場合、“モード変更”の回復は他を大きく上回る性能を有していたことになる。
このように“モード変更”の回復は、それだけでアビリティ1つ分に匹敵する性能であり、この高い回復効果が受けと崩しの両面で有効に機能しすぎていたため、本アップデートにより回復効果自体が削除されてしまった。これは、バスティオンにとってかなりの痛手になると予想される。
今回の調整はあくまで「モード変更発動時の回復効果削除」であるため、変身中(“アイアンクラッド”適用時)にもともと所持している100アーマーで受けるダメージについては、これまで通り受けるダメージを50%軽減できる。
2023年8月11日前後の比較
上の画像は、今(2023年9月22日)から直近1ヶ月以内のPC版ライバル・プレイ(GM帯)のダメージヒーロー選出率を表したもの。バスティオンが大幅な強化を受けたのが2023年8月11日であるため、期間内のバスティオンは常に強化後の状態である。
無印時代にはバンカー構成の流行が終わるとその後は良い構成に恵まれず、末期には最下位争いをしていたバスティオン。そんな彼が現在、グランドマスター帯で第3位の選出率となっている(CS版では第2位)。第2位のゲンジについても、バスティオンへのカウンターピックという側面は少なからず存在するだろう。
こういった環境の変化を考慮し行われる今回の調整は、9月8日のアップデートに続き2回連続での弱体化。これにより、2023年8月11日に実施された以下8項目の強化から2項目(赤字部分)が撤回された形となる。
- “A-36タクティカル・グレネード”
- 爆発ダメージの最大減衰を70%から50%に低減(保証ダメージ50)
- 着弾から起爆までの時間を0.5秒から0.35秒に短縮
- 反動のリカバリー時間を短縮
- 投射物のサイズを0.2から0.25に拡大
- 直撃ダメージを15から30に増加
- “偵察モード”
- リロード時間を1.5秒から1.2秒に短縮
- “強襲モード”
- モード移行時に50のアーマーヘルスを回復する効果を追加
- “砲台モード”
- ターゲットを選択する際の移動速度を20m/秒から25m/秒に増加
上記2点の撤回に加え、“砲台モード”のヘッドショット判定削除も行われている。しかし、発生頻度や発生時の過剰なダメージ量を考慮するとそれほど大きな弱体化ではなかった。
しかし、今回の弱体化はバスティオンの生存能力を直接低下させる内容であり、その影響については先述の通り。他ロールのカバーで十分に耐久面を賄えるのか、賄う価値があるのかなど、今回の調整後も同じように活躍し続けられるのか気になるところだ。
Source: Overwatch 2
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